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【実食レポ】 「萬々堂通則」(奈良県奈良市) ぶと饅頭

近鉄奈良駅から商店街を少し歩くと現れる「御菓子司 萬々堂通則」。
見た目はホッとする地元の和菓子屋さんですが、実は江戸時代後期から続く老舗です。

ガラスケースの中には、さまざまな和菓子が並んでいます。種類は多め。

パンフレットもあるのですが、店員さんに商品について聞くと、ひとつひとつ丁寧に教えてくれました。

こちらの代表的なお菓子は、あまり聞きなれない銘菓「ぶと饅頭」です。

「御菓子司 萬々堂通則」について

奈良の商店街の道幅はどこも狭い…。なんでも戦争で残ったことと、遺跡が多いことが関係しているようです。
お店のある「もちいどのセンター街」もこぢんまりした雰囲気ですが、それがまた良いのでしょう、とにかく外国からの観光客がたくさん歩いていました。

そんな商店街にある「萬々堂」さんは、看板は古いものですが、ガラス張りの入りやすいお店です。


「ぶと饅頭」とは


ぶと饅頭は1個ずつ紙で包まれています

飛鳥・奈良時代に伝えられたお菓子に米粉を揚げた唐菓子がありました。
春日大社に伝わるこの餢飳(ぶと)を、許可を得て小麦粉に変えて現代風に作ったものが萬々堂さんのぶと饅頭です。

小豆のこし餡を包んで揚げたお菓子です

外観は、ヒダのある手作り餃子みたいです。
いただいてみると、イメージとしてはあんドーナツ。
でも、あんドーナツより生地も薄いので、油があまり染み込まないのか、あっさりしていて食べやすいです。生地は想像よりもやわらかい。

なにより、飛鳥時代から春日大社に供えられていたものと同じものをいただけるって凄いじゃないですか!

価格は1個230円(以下、全て価格は2024年7月現在)

ほかも、いろいろいただいてみました


お菓子の種類はほかにもたくさんありました

焼き菓子は表面に鹿の焼き印が押されているものも多くて、奈良のお土産にもぴったりです。
ただし、添加物をできるだけ使わないで作られているので、「ぶと饅頭」は購入した日を入れて5日、一番消費期限が短かった「弓月」で3日でした。


「八重の里」柚子が香る白餡を包んだ焼き菓子(220円)


万葉集にうたわれている三輪の弓月ヶ嶽のなだらかなイメージの焼き菓子「弓月」(210円)


こし餡に生姜の香りの皮はしっとりしています


「もっとの」(170円)

「もっとの」というこちらのお菓子、わらび餅ではなく、餅粉ときび粉を練ったものにきな粉がまぶしてあるお菓子で、個人的に好み。
もちっとした食感で、原材料には書いていないのではっきりしませんが、ハッカのような爽やかな香りが鼻に抜けます。


「青丹よし」(1枚200円)しっとりした柔らかめの和三盆の落雁

椿のような見た目も可愛らしい「糊こぼし」というお菓子は、東大寺のお水取りの時期だけ販売されている生菓子なので、今回は購入できませんでした(販売期間は2月初旬から3月中旬)。いつかいただいてみたいです。

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