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「キメラアント編」は日本マンガ史に残る名作だと思う。

最近は暇な時間に懐かしのマンガを読み返しているのですが、今日ちょうど、『HUNTER×HUNTER』の「キメラアント編」を読み終わりました。

いやーーーー何回読んでもすっっっげえ読後感。。。
面白すぎるし泣ける………


感動冷めやらぬ内に、「キメラアント編」のすごいなと思うポイントを言語化しておきたいと思います。

ちなみにこのnoteですが、内容的にネタバレを含むかつ、『HUNTER×HUNTER』を読んだことがある人向けの内容となっています。
そもそも興味がない方にとっては、恐らくなんのこっちゃな内容だと思いますので、その辺りご了承ください。
完全な自己満足noteです!!!!



キメラアント編のここがすごい!


①希望と絶望のバランス感

「キメラアント編」と言えば、グロ描写の多さが苦手な人もたくさんいるかと思います。
人間を食糧とするキメラアントと人間の戦いがテーマなので致し方ないのですが、目を背けたくなるようなシーンでいっぱいです。(いわゆるクチュクチュだとか、カイトの首とか)

それなのに続きが気になって仕方なくなるのは、毎話毎話のラストの引きの強さだと思います。
作品の中でキメラアントへの対抗手段としての登場人物たちの成長を見せて、希望を読者に持たせた上で、ラストのページで絶望的な展開を見せるなど、本当に希望と絶望のバランスがあまりにも巧みすぎる!!!
もう、我々のメンタルは作者の手のひらでコロコロされている状態です。

少年マンガってある程度展開が読める時もあるけれど、『HUNTER×HUNTER』に関しては本当に読めない。
特に「キメラアント編」のラストは本当に予想がつかなかった。
まさかこんなエンドを迎えるなんて。。

②キメラアントは悪なのか?

人間を食糧とし、殺戮を繰り返すキメラアントですが、彼らは本当に「悪」だったのでしょうか?
たしかにゲーム感覚で人間狩りを楽しむ奴らもいましたが(大抵瞬殺される)彼らの目的は女王の出産の栄養源を集めること。
そのために効率が良かったのがたまたま人間だったというだけで、やっていること自体は、本来人間が家畜を飼ったり狩りをしたりするのと変わらない。

「キメラアント編」を読んでいた時に思い出したのが『寄生獣』というマンガです。
人間に寄生し、人間を食糧として生きる寄生生物「パラサイト」と人間との戦いが描かれているマンガです。
物語内での寄生獣は、人間に寄生して、次から次に人間を殺害し食べていく残虐な生物として最初は扱われていますが、次第に彼らは、このような手段を持ってしてしか、種を存続できない可哀想な存在として、後半は描かれていきます。
「だからあまりいじめるな」というパラサイトの主張は、『寄生獣』の深い名言として知られています。

また、キメラアントの王(メルエム)が生誕してから物語はさらなる盛り上がり(絶望)を見せます。
自分の意にそぐわない者は部下だろうと何だろうと瞬殺。また、人間に対しても一切の感情を持ち合わせず、虫ケラのように殺戮しまくるメルエムですが、そんなメルエムを変えたのは1人の人間の少女でした。

…あとは言わずもがな。
「生命体の頂点に立つ」という使命ではなく、自分自身で生まれてきた意味を見出したメルエムの最期は涙なしには読めません。

あんなに憎たらしかったのに…あんなに怖かったのに…王……
確かにあなたは王だよ…………


③主人公不在で完結!!

さあ、この「キメラアント編」ですが、少年まかのセオリーである主人公がラスボスを倒す、というセオリーを完璧に無視。
それどころか主人公はラスボス(メルエム)に会うことすらなくストーリー終わるというあまりに凄すぎる展開となっています。

まあ、とてもゴン(主人公)で勝てる相手ではないしなぁ。
主人公の強さがインフレしてしまいがちな少年マンガあるあるを考えたら、これほどまでの強敵を出しながら、作品内のパワーバランスを維持している点がめちゃくちゃ凄いと思います。(一時的にぶっ壊れたけどね!でも、俺、ゴンさんの登場全然笑えなかったよ。。)

あと、同時多発的に色んなキャラがさまざまな場所で物語を展開していることで、ひとつの一大叙事詩を見ているような気持ちになります。


まだまだ語り足りないことばかりですが、1番言いたいことは冨樫先生天才ってこと。
「キメラアント編」連載時に休載になるたびに「冨樫仕事しろ」と揶揄されてきましたが、それは「続きが気になって仕方ないから早くしてくれ」という読者の熱烈なメッセージだったんだろうなと思います。

『HUNTER×HUNTER』よ、永遠なれ!

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