見出し画像

23歳で鼻詰まりが解消した

 私は鼻がすぐ詰まる。幼少期から鼻で呼吸できなかった。無理にでも鼻呼吸をしようとすると、死の危険を感じた。なので、常に口呼吸の為、唾液が落ちたり口に虫が入ったりする。朝起きた時は喉がカラカラな具合になる。

 何度か地元の大きい病院に連れて行ってもらった。医者には「慢性的なアレルギー鼻炎ですね。」と言われ、鼻に機械を入れ鼻水を吸い取り、薬をもらった。

 しかし、何の効果もなかった。すぐ詰まる。薬も飲んでいるだけ。なんの治療も出来ていないのに、治療費を払っているだけだ。それならその治療費は宝くじを買ったほうがいい。

 詰まる、病院行く、薬貰うを20年くらい繰り返してきた。全く治らなかった。私は鼻を捨てたい心持だった。神様から欠陥だらけの肉体を頂いたが、返納したい。いっそならば私は天国で暮らしたほうが楽だと思う。理不尽だらけのこの世の中で、我慢して生きる意味は無いと思う。

 大人になり定職についた。大人になっても時々病院には行っていたが、いつも通りの「慢性的なアレルギー鼻炎」と言われた。大人なのだから頑張って口呼吸をしようと努力はしたが、死を感じた。首を絞められている感覚だった。

 無趣味な人間なので、私は毎日何もすることがなかった。鼻について調べようと思った。ちょうど、この時期は個人的に口呼吸が本格的に嫌になっていた時期である。

 私は初めて鼻炎の原因をみた。

 3番を見てほしい。私は一瞬で長年の鼻詰まりの原因は鼻中隔の湾曲だと確信した。なぜなら、今まで薬で解決できなかったからだ。

 私は地元の病院ではなく大宮の鼻専門の病院に行った。レントゲンも撮った。

 「鼻が曲がっていますね。」と言われた。すなわち鼻中隔湾曲症であった。アレルギー鼻炎もあったが、鼻詰まりの原因は100%鼻中隔湾曲症だった。手術しないと治らないといわれたので、私は「はい、手術します。」と答えたと同時に、今まで何を見ていたんだという前の病院への呆れを感じた。

 レントゲンを見せてもらった。鼻の真ん中の骨が鼻中隔というのだが、それが大きく右に曲がっていた。その様子は山道に似ていた。

 私は鼻中隔を削る手術のほかに、生まれつき鼻水が大量に出ているという事なので、その神経を切除した。

 手術した直後は、すぐに鼻血が出たりして辛かったが、日も過ぎると慣れてきて鼻が開通した実感があった。鼻に冷たい空気が体内に流れていくのがしっかり分かったのである。25万ほどかかるが手術して良かったと思う。

 しかし、一つだけ治らなかったものがある。口呼吸。体が口で呼吸することに慣れてしまったのである。

 最後に幼少期に通っていた病院は、その病院で腹痛と診断され、薬を処方されたが治らずに他の病院に行ったら肝臓がんだと診断されたらしい。握りこぶしほどの腫瘍があったそうだ。

#エッセイ部門

色々な記事を書きたいです。