伝わる絵はうまい絵ではない:「伝わる図解!超入門」
絵は描きたいけど絵心はない。絵で伝えたいけど笑われたくない。
イラストレーターやデザイナーのようにキレイな絵を簡単に描けたら、どれだけ人生が変わるだろう。
そう思ってた。この本を読むまでは。
著者は「グラレコ(グラフィック・レコーディング)」という手法を提案している。会議や講演会においてテキストではなく、絵でログを残そうという提案だ。
絵そのものが描けないから悩んでいるのに、思考より速い会議の発言をイラストで残せだと?冗談はイラストだけにしてくれ。
そう思っていたのだけど、youtubeの平岡さんの動画にゲスト出演していた著者を見て、考えが180度変わった。
決して著者が女性だったからではない。
iPad使いとして有名な平岡さんだけど、絵心があるようには見えない(失礼)。
しかし人一倍好奇心の強い彼が、イラストでログを残す、イラストで人に伝える手法に興味を覚えないはずがない(なぜか断定)。
そこへ登場するイラスト講師の著者。
本書のエッセンスだけを動画の中で簡潔に伝えた後「では実践してみましょう」と、お題を出す。
例えば「金魚」を描く。
例えば「AさんはB社からC社に転職した」
例えば「目標に向かってがんばる」
金魚の特徴とはなにか?実は金魚自体ではなく、他のものに目を向ける。
転職という行動をひと目で分かりやすく表現するにはどうすればいいのか。
究極は「目標」という抽象概念をイラストに描く。
それをイラストド素人の平岡さん(つくづく失礼ですいません)にエッセンスだけを教えた後、一緒に課題に取り組むと、「え、そこまで描けるの!?分かりやすい!」と驚いた。
なお、平岡さんは事前に本書を読了している。
動画を見終わって1分後にはアマゾンで検索して、ワンクリック購入し、30分後にはiPad mini6で読了していた。
グラレコ自体は取り組まない。時間がかかりそうだからだ。
でもイラストで残す、表現することには以前からやりたかったことなので、積極的に練習してる。
本書の後に読んでいるのが「三行で撃つ」だけど、GoodNotesでメモを取る時にイラストを描くようにしてる。
本書を読む前からボクは会議に参加する時はホワイトボードは必須の人間だった。
ごちゃごちゃ発言するよりも、ホワイトボードに集合図とか相関図を書いて「こういうことでしょ」と確認する方が速いし正確だからだ。
それをもうちょっと柔らかく、楽しくしてみようというのが、イラスト表現。実際描いていて楽しい。
もうちょっとテクニックの部分にページを割いてほしかったという気持ちはある。
しかし、なにより「イラストを描こう!」という気にさせてくれたことに感謝です。
そして「分かりやすい文字の書き方」も、とても参考になった。むしろイラストより文字の方がコンプレックス強かったぐらいだからね。