6酢物_

日本料理の食卓作法Ⅰ-C「服装と身だしなみ」

2006年2月 8日 (水)

<服装や身だしなみの注意点>

①会合の目的と、出席者とのバランスが大切

会食に出かける際の服装は、会合の目的にふさわしく、他の出席者とのバランスが取れていることが大切です。

ダークスーツや着物、ワンピースなどが多い席に、Tシャツやジーパンでは本人も居心地が悪いでしょう。

「堅苦しい固定観念をぶっつぶす!!」
「このジーパンはブランド品で、ディナーに着ていってもOKなの♪」

しかし、どんなに自分のセンスに自信があっても、他の出席者がそれを理解してくれる皆さんだった場合以外でのチャレンジは、おすすめしません。

意気込みとセンスは買いますが、出席者の顔ぶれをよく思い浮かべてください…。

体制への抵抗も、高価なブランドも、それと認識されなければ何の意味もありません。

個性の発揮は、他の手段でしていただくことにして、TPOにあわせた服装でお出かけください。

※TPOって…?

よく聞く言葉ですが、T(Time 時間)P(Place 場所)O(Occasion 場合)のことです。

日本で発案された言葉ですから、私が知る限りでは、外国で通じたことはありません。

また、季節や会場の空調によっては、ご自分で調整できるようにしておかれるのも大切です。

たとえば冷房の時期には、薄手の上着か、ショールを1枚お持ちになると便利ですし、逆に暖房の時期は、上着を脱いでも大丈夫な組合せをお召しになると良いでしょう。

②化粧品・整髪料、香水も強い香りの物は避ける

極端な話をすると、どんなに厚化粧でも、奇抜な髪型でも、服装同様TPOさえわきまえていらっしゃれば、問題はありません。

ご注意いただきたいのはただ1点のみ、
「香りの強いものを避ける」です。

食事を楽しみに待っている人たちの輪に、たった1人、強い香りをまとった人が登場したとしたら、その効果は小型爆弾並みのショックです。

その人を中心に、その場に居る人たちすべての嗅覚は攻撃され、それはすなわち味覚にも大打撃だからですね。

どんな料理でも、味と匂いを切り離すことは出来ません。

料理がサービスされてきた時、立ち上る匂いが食欲をそそり、一口含んだ時に鼻へ抜けていく香りは、すでに味の一部なのです。

人間の鼻は、強い匂いを一度かいでしまうとにぶくなりますから、調香師ででもないかぎり、香水のかぎ分けでも、せいぜい可能なのは3~4種類までと言われています。

ましてや、繊細な味と香りを楽しむ日本料理の場合、強い香りに太刀打ち出来るわけがありません。

自分のみならず、他の人たちにまで影響の大きい「香り」、どんなに好きで良い香りでも、会食の席ではご遠慮いただきたいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!