日本料理の食卓作法Ⅰ-C「会場の確認と事前準備」
2006年2月24日 (金)
<会場に着いたら…>
1.会場の確認と、クロークの利用
さて、あんなこんなの準備をし、持ち物もOKとなれば、皆さんはいよいよ「お出かけ」というわけですね。
時間的にも余裕を持って、開宴の20分前に会場へ到着した、としましょう。
到着した皆さんが、まず何をすれば良いかですが、第一番目は「会場の確認」です。
結婚披露宴などの大きなお集まりなら事前に招待状が来ますし会場名なども明記してありますが、一般の会食や宴会の場合は、会場名がはっきりしないことがありますよね。
ホテルや会館、大きなお店の場合、会場がいくつもあって、しかもそれぞれが離れている場合があります。
たいていは玄関脇かロビーに、その日の会合を掲示していますから、それを確認しておくことが大切です。
ただし、少人数の会食や、会合の趣旨によっては、予約一覧を掲示しないことがあります。
それは、各ホテル・会館・お店の判断で
「お客様の情報を公開しない」
という意図の下でのことですから、どうぞご了承ください。
公共性のある会合の場合は、むしろわかりやすいところに案内が無いと困りますが、ゲストを招いての「接待」や「商談」、あるいはプライベートな「お見合い」「引き合わせ」などは、関係者双方と、会場の店のみが知っていれば良いことですよね。
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余談ですが、「お客様を守る」のもサービス業の仕事の一環です。
例えば、「今日、誰それさん来てるでしょ?」と聞かれたとしても、「はい」はもちろん、「いいえ」とも答えません。
「申し訳ありません、ちょっと存じ上げないのですが…」
とそらっとぼけます。
ちなみに「いいえ」と答えると、「誰それさん」を店のスタッフが知っていることと、「今日は来ていない」が、「名前を覚えられるくらいは何回か来たことがある」という情報が、相手に伝わってしまうのです。
「ここのスタッフは、聞けばしゃべるぞ」と思われるのは、店の信用問題です。
「悪いことをしてるわけじゃあるまいし、教えても問題ないじゃない?」
と思われるでしょうか?
しかし、何が問題で、何が問題じゃないかはお客様側の事情ですから、店側として勝手なことは出来ないわけです。
ちなみにウチの場合は、お客様からの要望が無い限り、店内の予約に関しての掲示は一切行いません。
その代わり毎日、当日の予約情報を館内に「日報」として流し、列席されるお客様がスタッフに予約名をおっしゃっていただければ、すぐに会場へ案内出来るようにしています。
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さて、会場になる場所を確認したら、第二番目にすることは「大きな手荷物やコートは預ける」
ことです。
ホテルや会館、大きなお店には、そういった物を預かってくれる「クローク」があります。
席まで持ち込むと邪魔になると思われる物やコートなどは、クロークを上手に使って、身軽になりましょう。
クロークの無いお店の場合は、キャッシャーに預けるか、席まで持って行かれるかのどちらかになります。
ただし、クロークやキャッシャーへは、貴重品や壊れ物を預けることが出来ませんので、自分で持って席に入るようにしましょう。
第三番目は
「トイレを済ませ、洗面所で身だしなみの最終チェックをする」
ことです。
女性はここで指輪やブレスレットを外したり、器に付きにくいよう、口紅をティッシュで押さえたりしておくと良いでしょう。
男性もちょっと鏡をのぞいてみてください。
相手に悪印象を与えないよう、最終チェックです。
肩にフケなど落ちていないか、頭髪に乱れは無いか、女性が同席の席ならば、鼻毛のチェックも重要ですよ。
トイレも、会食の最中に席を外すのは失礼ですから、今のうちに済ませておきましょう。