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【SNS整理しました】XはやめたけどInstagramアカウントは削除しなかった理由 ~うったえ仏~
年末年始に少し時間ができたので、SNSを整理しました。
SNSはもともとプライベートでは熱心に使うほうではなかったのですが、おうちフリースクールを開くときに仕事用として始めました。
あれから6年。個人事業主としての仕事をあまりしていない今、あえて発信したいこともほとんどなくなったので、まずはXを退会。
同じ理由でInstagramも辞めようかと思っていたんだけれど、昔の教え子からの連絡の8割がInstagramのDMから来るので、インスタアカウントの削除は見送ることに。
過去の投稿内容だけ大幅整理。
皆さんは”うったえ仏”という言葉、聞いたことありますか?
私は司馬遼太郎先生の「燃えよ剣」に出てくる沖田総司のセリフの中で知りました。
作中、鬼の副長と呼ばれた土方歳三が、沖田総司にだけはポツリぽつりと、誰にも言えないアレコレを勝手にしゃべって、すこし心を軽くして去って行くという描写が何度かあり、その時に沖田総司が「ぼくはうったえ仏ですか」と、くすくす笑うみたいな表現だったかな。
教師って、生徒にとっては”うったえ仏”としての需要もあるようだということを、Instagramを始めてから知りました。
「”うったえ仏”とはコレコレである」という説明はどこを探してもよくわからないのだけれど、おそらく教会でいうところの告解部屋のようなものなのかな、と理解しています。
教員を退職後、フリースクールの仕事のためにInstagramアカウントを開設したところ、そう稀でなくかつての教え子から「僕は大学で○○を成し遂げました」「私は今年××に挑戦することにしました」などとメッセージが届くのです。
さすがに罪を告白する子はいないのですが(昔の悪態を今さら詫びに来るヤツはいる)、皆唐突に、そして彼らの言葉を借りるなら、かなり一方的に様々なことを決意したり、宣言していくのです。
「以上、わたなべ先生には報告しておきたいと思って、勝手にメッセージしました」とか「一方的にすみません」とか「酔った勢いで送っちゃった」と言うのが彼ら彼女らの言い分です(ネットでいうところの”置いていく”という表現が近いのかも)。
本当に酔っぱらいながら送ってくるのか、このようなDMはたいてい夜中の1時2時くらいに送信されていて、私は寝起きの早朝、ボンヤリした頭で彼らの熱い想いとじっくり対面することになります。
いいんだよな、これがまた。
ということで、うったえ仏としての需要が続く限りは、Instagram個人用アカウントはキープしようかと思っています。
憧れの先生が、著書の中でおっしゃってたっけな。
教師は、生徒にとって灯台だって。
航海に出た子ども達が故郷の方面を振り返ったときに、いつも変わらず灯りをともし続け、彼らのスタート地点と航海の距離を示し続けることも大切な仕事だと書いていました。
塔の上のラプンツェル。
私は灯台の上のうったえ仏。
ふふふ。
※画像はykyk8887さんの作品をお借りしました。