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産風(うぶかぜ)

わたしの風と
あなたの風が
混じり合ったらどんな匂い

郷愁から吹く秋の匂い
林檎の丘から吹きつける
甘く緩やかな風の匂い

その風に乗せた思いは
わたしの知らない場所まで飛ぶから
あなたはそれを見送って
そっと目を閉じ手を握り
思いの真ん中貫いて

心を通るつむじ風には
行き場の無くした迷える人の
頭を撫でる慈愛があるから
わたしとあなたの産風(うぶかぜ)は
きっとそれになるでしょう

息吹いた気持ちはどこまでも
産まれた瞬間いつまでも
あなたに吹くからおいきなさい
それに乗っておいきなさい
綺麗な未来へ飛ぶのだから
あの子を乗せて駆け回るのだから

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