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詩集 幻人録

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2024年4月の記事一覧

自然便り

自然便り

お便りは頬に当たる季節風

読み解けるだけで心が晴れる

感じながらも涙を流し

下手くそな生き方に慈悲の摩りを

鳥は羽ばたき
命を懸ける
長い目では見られない
刹那の動脈

晴れ渡るから視界が良くて
澱みないから腹も減る

命懸けの空中散歩
時に厳しい風を起こし

私に便りを送ってくる

そちらはどうかね?
こちらは必死さ

私が頬で感じた言葉は
短いながらも
自然界の厳しさを
便箋にしたため

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色鳥

色鳥

虫の居どころ
悪くないの
心模様は
傘も無く

狐が怯える
獣の鳴く方角
きつい視線は
赤孔雀

井戸の底には
泥水一滴
返刀は
青烏

余計な一言
五月蝿い
癇癪の涙
神よお助け

のらりくらり歩くの
彷徨う月を見るの
人生はまだ酔い覚まし

ゆらりゆらり踊るの
星影が舞う宵に
現代はまだ古来地図

羽ばたき鳴らせ
帳の落ちる方へ
落下点はここじゃないどこか