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詩集 幻人録

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2024年1月の記事一覧

月が綺麗でなによりです

月が綺麗でなによりです

あれこれと考え込んだ毎日でした

つまらないことに頭を捻らせ

思考の蔦は絡まっております

眩しい世界が私を待っているのならば

それは徳の積み方が合っていたということ

私の愛が間違っていなかったということ

それはなによりも変え難い嬉しき事情

月が綺麗でなによりです

幾度となく迫る小波の様に

幾度となく迫る小波の様に

孤独故の光
一筋に差し込む
ぼんやりはしているが
黒い視線の先に確かにある

少女は頭抱えて
一振りの剣を下ろす
物質は切れないが
確実に未来への枷を切る

不思議な風が吹き
へどろを掻き飛ばした
足元に絡みついた
余計なものはもうここにはない

綺麗な顔をしたあなた
ゆっくりでも二人で進みましょう

可憐な声の先には
公園の遊具ではしゃぐあなた

ここはもう独房じゅない
息を深く吸い込んで
吹き

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心のままに

心のままに

私の記憶があるうちに
心模様を絵に留めよう
それは綺麗な白樺の
白い貴婦人凛とする

私に心があるうちに
心積もりを詩にしよう
とても濁った海水の
黒い貴婦人構えてる

あなたに理性があるうちに
心の尻尾を捕まえよう
素早いあなたを捕まえて
心の種を埋めにいこう

あなたに知性があるうちに
心の輪郭浮き彫りに
忘れないでといったから
忘れないよと返したの

それはずっと心のままに

煙になって

煙になって

煙になって消えたあなたは
抱きしめたくても無形の銅像
くだらない言葉を残して薄れた
空に溶けるは霞の様に

あどけない子の残り香が
少しずつ消えていく
見えなくなるのはとても早く
煙をまいては薄れてく

掴めなかったあなたの身体は
つまらない御伽話
時計の針の無駄使い
もう一度巻き直して

歩いていこう太陽の
光を浴びる空の下
煙になった想い出は
そっとしまって今度は君と