月日が経つほど染みる名曲「そこに空があるから」
「ポケモンへの愛を語る」という企画を見たので、ポケモンのアニメの話をしたいと思います。ゲームじゃなくてゴメンね!!
今日は、ポケモンアニメの中でも屈指の名曲、江崎とし子さんの「そこに空があるから」をご紹介します。
この曲に出会うまで
私がポケモンアニメを見ていた時は、「ダイヤモンド&パール(以下、DP)」というシリーズで、いわゆる"リアタイ勢"でした。
テレビ東京(TX)系列、毎週木曜日の夜7時からの放送でした。
当時、家には録画機も無いので、一回見た放送回を再び見ることはできず(ましてや違法サイトの存在も知らない純粋なお年頃だったので)、TSUTAYAなどのレンタルDVDショップで、過去に放送された様々なポケモンアニメを借りて、視聴するようになりました。
その過程で、いわゆる「無印編」、「アドバンス・ジェネレーション(以下、AG)」なども見ることになるのですが、そこで出会ったのが、上に示した通り、江崎とし子さんの「そこに空があるから」でした。
AG第一期、1話~18話と45話~51話で使用されたもので、当時幼稚園生だった私にとってこの曲の第一印象は、「よくわからない、微妙なエンディング」というものでした。
というのも、また人生経験が浅く、未熟だったので、歌詞の意味が分からず、そして曲調も今まで聞いてきたアニメのエンディング(DPで言うところの「風のメッセージ」、「ドッチ―ニョ?」など)とはかなりかけ離れたものだったので、とにかく異質なものだと感じたんですよね。
当時幼稚園児だった私は、このエンディングを何故か妙に怖いものだと感じ、いつもDVDプレイヤーのスキップボタンを押していました。
月日が経つほど深みを増す
ポケモンアニメをリアタイ視聴しなくなってから、もうかなり経ちますが、かつて、純粋にアニメを見ていたころの私と、今の私を比べると、やはり経験と知識の差があるわけです。
それは、同時に社会に対する葛藤や怒りなど、これまで感じられなかった"汚い部分"も多く目撃した故のことで、嫌でも感性は変わってしまいます。
激変する周囲に翻弄され、割と精神的に追い込まれていた時、不意にかつて見ていたポケモンアニメを見てみようと思い、いざ見てみると、あの幼少期に聞いた<異質なエンディング>が頭をよぎります。
曲の題名も覚えておらず、本当に雰囲気だけを頼りに、歴代のエンディングから探していくと、それが「そこに空があるから」であることが判明しました。
改めて聞くと、涙が出ました。
ポケモンアニメのエンディングテーマで涙が出てくるとは思いませんでしたが、とにかく、歌詞の深み、真髄を、ようやく知ることができたと思いました。
曲調も俗にいう「子供向けアニメ」っぽくない、そして夕日をバックに、ただひたすらに、主人公のサトシとピカチュウが映し出される映像美と相まって、この絶妙なバランスが、今を生きる私の感性に届いている――。
そう考えると、すごく不思議な気持ちになりました。
改めて見ると、歌詞の一つ一つが、本当に深いんですよね。
特に「傷つかぬ者に 青空は見えない」の部分は、非常に哲学的というか、もう言葉では表現できない大きな力を持っていると思います。
最近は、時代情勢の影響かもしれませんが、大量生産される「励まされる歌詞・曲」の存在は陳腐で、どうも飽き飽きしていたところがあります。
そんな中、①幅広い世代から愛されるアニメ で ②エンディングテーマ 、そして今まで出会ったことの無いような、この ③哲学的な歌詞 と ④江崎さんによる歌声と映像 の全てに感動しました。これは凄い。
一番最初にこの曲の存在を知ったころに比べると、もう十年以上も経っています。この曲を「怖い」とただ思っていた当時から十年以上たって、やっとこの曲の真髄を知ることができた――そう言えるのかもしれません。
ポケモンアニメの「本質」って何
ポケモンアニメを見てみると、確かに登場人物の台詞が平易なものだったり、全体的な展開が分かりやすいものだったりと、一度深夜帯のアニメを知ってしまった今からすると、ちょっと幼げな印象があって何だか見づらい…と考えてしまうかもしれません。
しかし、今回紹介したエンディングテーマの件もそうですが、時々「視聴者である自分自身が成長しないと分からない"本質"」が描かれている、というのも、ポケモンアニメの特徴なのではないでしょうか。
ポケモンは奥が深いと思っています。
それは、ポケモンを育てることやバトルをすることでもなく、その過程で得たものの大きさに気づくためのキッカケを与えてくれる、と。
特にアニメでは、それがエピソードとなり、そして時には、そのエピソードを締めくくるエンディングになるのでしょう。
また今度、ポケモンアニメを片っ端から見てみようかな。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
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