【詩】背

詩……というのにはちょっと足りないかもしれない。笑

なんとなくの書き散らしです。


背と書いて「せい」とお読みください~関西弁です。


こちらのご使用は御遠慮ください。

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 背


 いつの時にもあなたの少し前を歩いていた

 あなたの手を引いて 大丈夫だと体温を分け合うことが世界だった

 同じ早さで似たような目線で

 ふたりでどこまでも歩いて行くつもりだった


 いつしか僕は夢を持ち あなたも夢を持ち

 好きが増えれば嫌いも積り

 其々が道を築き始めていることに気付いたのはもう随分来てからのこと

 時間は同じだけ重なってゆく

 それだけが確かだった


 気付けばいつの間にかあなたは隣

 こちらを見てばかりだったまなざしは未来の明かりに瞠られている

 はたと気付くのはひとつ

 いつのまにか僕の願っていたこと、それ以上の場所に立っている


 あなたの背を押して僕の前向きを伝えたいだなんて

 あなたはそんな弱い人じゃない

 僕だけが見ている景色より先の知らない色を先に知るばかり

 いつかあなたに譲りたいだなんて

 全ての夢想はくだらない愚かさに塗れてしまった

 あなたは強い 知っていたけれど

 僕は弱かった 知らないでいたかもしれない

 世界は広かった

 この掌 肢 僕たち二人のどれだけを捧げても

 受け止めて教わることは無い


 いつかの時はあなたの少し後ろから歩けるかしら

 あなたと手を繋ぎ 大丈夫だと体温を分け合う世界を思い出に

 同じ早さで似たような目線から

 ひとりずつ どこまでも歩き出して行く

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2020/05/24 瀬尾時雨

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