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#14-1「しごととわたし」人生を主体的に生きるための設計図ー倉富 玲子さん

こんにちは。「ワーク・ライフチャレンジ〜未来をひらく私たちの働き方〜」14話目前編は、大学を卒業後、IT業界、食品業界、社労士事務所などの勤務経験後、2015年に開業された、コンサルティングオフィス しごととわたし 代表 倉富玲子(くらとみ れいこ)さんをお迎えし、福岡県よりお送りいたします。

🔽プロフィール

倉富 玲子(くらとみ れいこ)さん
コンサルティングオフィス しごととわたし 代表
活動拠点:九州地方を中心に対応可能

久留米市在住。
関西学院大学文学部を卒業後、IT業界、食品業界など異業種での勤務経験を経て、2001年に社会保険労務士の資格を取得。その後、人事・労務分野の専門家として社労士事務所にて勤務。第1子を出産し、10ヶ月の育児休業を取得後、職場復帰。これまでの経験を元に、2015年にコンサルティングオフィス しごととわたしを開業。株式会社ワーク・ライフバランス認定上級コンサルタントとして、企業の働き方改革を支援。

令和元年度 「やまぐち働き方改革 実践モデル企業」
      「おおいた働き方改革 実践推進モデル企業」
令和元年~令和5年度 福岡県働き方改革推進事業 働き方改革アドバイザー
令和3年度~令和5年度 福岡県働き方改革推進事業 ファシリテーター講師
令和4年度 長崎大学病院 働き方改革コンサルティング
令和6年度 厚生労働省委託事業 仕事と家庭の両立支援プランナー

所有資格
特定社会保険労務士
株式会社ワーク・ライフバランス認定上級コンサルタント
一般社団法人 日本職務分析・評価研究センター 人事コンサルタント
株式会社アナザーヒストリー 認定プロコーチ
NPO法人 ヘルス・コーチジャパン 認定コーチ
ホワイトボード・ミーティング® 認定講師



自己紹介

──それでは、本日お話をいただきます倉富さんのプロフィールをご紹介します。

前川 福岡県久留米市在住、関西学院大学文学部を卒業後、IT業界、食品業界など異業種での勤務経験を経て、社会保険労務士の資格を取得。

その後、人事・労務分野の専門家として社労士事務所にて勤務。第1子を出産し、これまでの経験を元に、2015年にコンサルティングオフィスしごととわたしを開業されました。

株式会社ワーク・ライフバランス認定上級コンサルタントとして、企業の働き方改革を支援。株式会社アナザーヒストリー認定プロコーチ養成講座を受講。その後は、個人のキャリア開発をサポート等、幅広い活動を行っています。

──具体的な倉富さんの活動内容を、お伺いできますでしょうか。

倉富さん ご紹介にありましたように、仕事の内容としては主に社労士業務に携わっております。具体的には、就業規則の作成や助成金の申請手続きなど、企業の人事・労務に関わる様々なサポートを行っています。

その他、働き方改革コンサルティング、あとはワーク・ライフバランスに関する研修の実施や、厚生労働省の「仕事と家庭の両立支援プランナー」という活動をしております。

どれも社労士の業務に密接に関連していますので、これまでの経験を生かして、皆さんのワーク・ライフバランスの向上に貢献しようと思っております。

──関西学院大学を卒業されたということで、関西にいらっしゃった時期もあったのですね。

倉富さん
 福岡県出身なのですが、大学の時代の4年間だけ、兵庫県で過ごしました。現在は福岡の久留米に住んでおります。


前川
 福岡の久留米市といえば、確か、第13話でご出演いただいている西平睦美さんも久留米市のお住まいでしたよね。


倉富さん
 そうなのです。西平さんは、ご近所なのです。
実は、社労士の業務も、先ほどの「家庭と仕事の両立支援プランナー」もご一緒させていただいています。プライベートもいろいろと相談させてもらっています。


前川
 そうなのですね。素晴らしいです。倉富さんと西平さん、お二人ともワーク・ライフバランスにて上級コンサルタントとしてご活躍されており、その上お近くにお住まいで、素晴らしいご縁だと思います。

倉富さんは、第3話でご出演いただいた比嘉華奈江さんのご紹介で、ご縁をいただきました。比嘉さんには、感謝しております。ありがとうございます。

ワーク・ライフバランスとの出会い                                  

自分だけの悩みじゃない。働き方は日本社会の課題

──ワーク・ライフバランスにご関心を持たれたきっかけを教えてください。

倉富さん 私は、社会保険労務士の資格を取得後に、社労士事務所で10年ほど、勤務していました。その時に、企業の労務手続きや課題解決をしてきました。2010年に、息子を出産し、その後、育児休業を約1年間、取得した後に、職場復帰をしました。

ご経験のある方もいると思いますが、職場復帰後は、仕事と家事と育児に追われていました。私は高齢出産ということもあり、体力が落ちて、疲弊している日々でした。

子どもが風邪で熱が出た時、仕事を休ませてもらいました。休んでいいと言ってくれるのですが、1週間も休むのは気が引けます。ある程度、熱が下がり、回復してきたところで、病院の先生の登園許可がでる前でしたが、罪悪感を持ちつつ登園させました。

あとは、どうしても、休めない時は周りの人に仕事をお願いしたり、やむを得ず休ませてもらったりしていました。これまで頼ったり、お願いしたりすることが、あまりなかったので、負担をかけてしまっていると感じていました

育児短時間勤務制度を利用していたので、早く帰宅するために、16時までに仕事を終わらせようと業務をこなしていたのですが、一緒に働いている周りの方々と、雑談をする余裕が、本当にありませんでした。

そうなると、話題についていけず、なんとなく疎外感みたいなのを感じました。育休後の働き方を考えていた時に、たまたま株式会社ワーク・ライフバランス小室淑恵さんの本を読ませていただいて、そこから本格的にワーク・ライフバランスを学び始めました。

学び始めて、男性の長時間労働が、女性の孤独な家事や育児の状況を作っているということが、日本社会の課題だということを知りました。

そこから、自分の働き方を見直し、効率的に変えるようにしました。そして、その時に社労士としてのワーク・ライフバランスや働き方改革をテーマに、仕事をしていきたいと強く思いました。

その後、コーチングやファシリテーターなどのスキルを学んだり、研修にも参加させてもらったりしました。会社でも、私生活でも、どんなライフステージにおいても、一人ひとりが心豊かに生きられるように、ワーク・ライフバランスを通して、いろいろな支援ができたらと思うようになりました。


前川
 仕事と育児の両立というのは、本当に大変だということは、私も実感しています。特に、同僚に頼らざるを得ない状況で、申し訳ないという気持ちを抱いた、お子さんに対する罪悪感というのも、よくわかります。私も同じような経験があります。

スムーズに仕事をするためには、頼った方がいいというのは理解しつつも、頼ることができず、一人で抱え込んでしまい、かえって効率が悪くなり、迷惑をかけてしまったということがありました。倉富さんは、ワーク・ライフバランスを学ばれて、ご自身の働き方を見直され、生産性を高められたというのは、本当に素晴らしいと思います。

私も同じようにワーク・ライフバランスコンサルタント養成講座を受講しましたが、一番初めに、自分自身が誰よりも時間当たり生産性を意識し、体現するという心構えを教えていただき、それを意識していくことで、仕事の質が変わったと実感しています。

倉富さんが、社労士として企業や個人の抱える問題解決に尽力されていらっしゃることは、大変素晴らしい志だと思いました。


ワーク・ライフバランスの取り組み

子どもの「小一の壁」を機に社労士を軸に独立


──2015年9月にコンサルティングオフィス しごととわたしを開業されていますが、その経緯をぜひお伺いできればと思います。

倉富さん 2006年から10年ほど、社労士事務所に勤めていました。その中で、企業向けの助成金の申請で、「ワーク・ライフ・バランス推進助成金」というものがあり、その要件の1つに、従業員向けにワーク・ライフバランスに関する研修の実施というのがありました。

会社帰りに、本屋で面白そうだと思って偶然手に取ったのが、先ほどお話しした小室淑恵さんの本でした。それが、ワーク・ライフバランスとの一番初めの出会いで、学び始めたきっかけになります。

そして出産後、仕事と育児の両立に苦労し、ワーク・ライフバランスの重要性を痛感しました。それを解決するために自分自身もワーク・ライフバランスを実践しながら、同じ課題を持つ企業に向けて、ワーク・ライフバランスの実現を専門にする仕事に就きたいと考えるようになりました。

その後、両立支援プランナーの資格を取得し、少しずつワーク・ライフバランスに関するセミナーや研修のお手伝いや、実際に講師として講義をする機会が増えてきました。最初の3年ぐらいは、社労士事務所の仕事を手伝いながら、開業し、ワーク・ライフバランスに関する仕事を徐々に増やしていました。

子どもが、ちょうど小学校に上がる頃だったと思いますが、まさに「小1の壁」と言われる頃に、子どもが急に体調が悪くなったり、鍵を忘れたりしました。学童に通っていましたが、いろいろ起こると、とても心配でした。

自宅のある久留米から福岡の職場まで1時間かかるのですが、電車の中でも走りたくなるほど、早く帰りたい気持ちでした。少しずつ仕事も増えてきていたこともあり、独立するために、社労士事務所を退職しました。

倉富さん(コンサルティングオフィス しごととわたしHPより) 


前川
 「小1の壁」というお話は、よく聞きます。私の娘も今年の4月で小学校に入学しますけど、鍵を忘れることの他にもいろいろあるのだろうなと考えると、不安です。お子さんのこともあり独立されたとのことですが、社名がすごくいいなと思いました。

社名「しごととわたし」に込められた想い

──「しごととわたし」という言葉が、ワーク・ライフバランスを和訳したものになるのですよね。

倉富さん はい、ワーク・ライフバランスが大好きすぎて、寝ても覚めてもワーク・ライフバランスのことを考えている感じです。「しごととわたし」という屋号は、前川さんのおっしゃる通り、ワーク・ライフバランスを和訳しました。

「ワーク」は仕事をしている方にはそのまま「ワーク」、仕事してない方であれば「役割」とし、「ライフ」を私というように和訳しました。

通常だと「ライフ」を指しているのは、私生活になっていると思いますが、それを超えて、自分の人生、更にその主体である私にフォーカスし、有限である私の人生の時間をどう使っていくのかを、自分自身でコントロールしながら人生を創っていくということが、私なりのワーク・ライフバランスの解釈です。

それを屋号で表現してみました。


前川
 大変、素晴らしいです。素敵なお名前です。

コーチングがつなぐ、学びと成長の読書会


──社名の意味が示しているように、企業への貢献だけではなく、「人生を主体的に考える・人生設計を描く」というような、個人に向けたご支援もされていますが、そのあたりもお伺いできますでしょうか。

倉富さん その支援の一つがコーチングと思っています。私が、コーチングを本格的に学び始めたのは、約10年前にワーク・ライフバランス養成講座を受講したことがきっかけです。


当時の講師は、小室淑恵さん松久晃二さんで、高安千穂さんもスタッフでいらっしゃいました。とても場の雰囲気が良くて、講師の方たちの関わりがとても素敵でした。

いろいろと聞いてみると、社員の方々は、コーチングの資格を持っていて、入社すると必ずそれを学んでいるということで、今後、ワーク・ライフバランスを、仕事としてやっていくためにはコーチングが必要だと思い、学び始めました。

その後、個別に練習していましたが、コロナ禍になった4年程前にオンライン練習が増えてきていたので、改めて学び直すために、東京まで半年間通いました。プロコーチの養成講座では、「100人にセッションする」という課題に取り組み、より深く学びました。


前川
 すごいですね。100人とは、素晴らしいですね。課題では、どのような方々にセンションされたのですか。


倉富さん
 最初は、自分の近い人でコーチングを学んでいる方や、コーチの方を相手に練習させていただきました。そのあとは、紹介ですね。練習相手を探している人も多くいて、そのためのWebサイトを見つけたので、応募してみました。

すると、相互にセッションの練習を希望される方が、結構いらっしゃって、そこで練習を積み重ねることができ、無事に100人のセッションを達成しました。


前川
 すごいですね。そのようなWebサイトがあることは、初めて知りました。


倉富さん
 コーチングのセッションを積み重ねてきて、そこからの繋がりがたくさんできました。そのご縁で、最近、読書会をやっております。私の通っていたスクールの師匠である宮越大樹さんの著書である「コーチング脳の作り方」を、毎週オンラインで、読んでいます。


「コーチング脳」の作り方

参加者は10人ほどで、期間・回数は、約3ヶ月間・13回ほどで、学生時代の部活のような雰囲気です。本は読みたい人が読んで、ブレイクアウトルームで感想を言ったり、気づきをシェアしたりできる、そういう場を作っております。


前川 コーチングについて、大変興味があります。読書会もされているというところで、ぜひ、次週は「コーチングについて」や「『コーチング脳の作り方』の読書会について」もお伺いできたらと思います。また来週もよろしくお願いいたします。

倉富さん よろしくお願いいたします。

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株式会社ワーク・ライフバランス 
経営戦略としてのワーク・ライフバランス福利厚生の一環ではなく、企業業績向上のために。 現代の社会構造に適応し人材が結果を出し続ける環境を構築する「サスティナブルな働き方改革」のプロフェッショナル集団です。

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大家 三佳
東京在住、京都造形芸術大学卒。子育てをしながら、水彩画、ドローイングを中心に人、食べ物、動物を描くイラストレーター。パッケージやポスター、グッズなど幅広い分野で活躍中。透明感のある優しいタッチで、日常の風景や人物を描く。ペーターズギャラリーコンペ2014 宮古美智代さん賞受賞など。



編集、プロデュース、インタビュー:前川美紀(ワーク・ライフチャレンジ プロジェクト代表/ブランディングディレクター)
note編集:松本美奈子(次世代こども教育コンサルタント/認定ワーク・ライフバランスコンサルタント)


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