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【実験レポート】青いクルミの果実酒"ノチーノ" 7/8(月)@海の校舎

梅雨の時期と言えば、日本だと梅仕事や らっきょう仕事が忙しい季節ですが、時をほぼ同じくして北部イタリアでは、なんと青いクルミを使ってつくる真っ黒な果実酒があるらしいのです…。

その名も『ノチーノ(Nocino)』。ノチーノとは、リモンチェッロやグラッパに並び食事のあとにのんびりといただく食後酒の1種とのこと。

「熟す前の青グルミをまるごと使って作るなんて、一体どんなお酒なんだ………!?」と、怪しさ満点のウワサを耳にしていた私は得体の知れないお酒を前に戦々恐々としていました。
というのも私たちが一般に目にするクルミはこの時期渋みの強〜い強〜い青い果肉に覆われており、通常、その果肉を食することはほとんどないからです。

そんな私はその怪しさゆえもあってか「これはいつか実際に作ってみねば…!!」という謎の責任感に駆られ、今年ついにその実験をスタートさせることが出来ました。笑
ということで本日はその第一歩。その謎の黒いお酒の青いクルミの収穫→お酒の仕込みまでの過程をここに記したいと思います。

収穫

そもそも未熟な青いクルミをどのように手に入れるのかという問題ですが 意外にもクルミは、けっこうな割合で川沿いに自生していたりします。他の地域はわかりませんが、私の住む地域には中でもオニグルミが多い印象。

房状に成るクルミの実

クルミの木はしなやかで、枝が地表付近まで垂れ下がることも多いため運が良ければ手に届く範囲で収穫を終えることができます。

しかし樹上の高いほうにしか実がついていない場合もあり、今回のケースはほぼ後者だったため、得意の木登り(ブランクおよそ20年)&高枝切りバサミを駆使してなんとかカゴ一杯、収穫を終えることが出来ました。

いっぱい獲れたぞ!

久しぶりの木登りはとても楽しかったですがやはり幼少期と違い体重も運動神経も、相対筋肉量もまったく違う(=とても◯く&体力も衰えた)ので一挙手一投足…、かなり慎重に登り進めました。さいわい無事でしたが、危ないのでみんなは絶対にマネしないでね。(でも楽しかったよ!)

仕込み

無事に収穫を終えたところで今度はいよいよ仕込みです。
今回はシェアアトリエ海の校舎(私の職場)の仲間たちにもお手伝いいただき、きゃっきゃワイワイと賑やかに仕込みを行いました。

クルミの房をほぐしたところ
洗って水分を拭き取る。これだけを見ると本当に梅しごとのよう。


ところで今回収穫したのは7月6日。しかし本場イタリアでは本来、聖ジョバンニの日である6月24日に収穫する習わし。ということで、今回集めた実はやや育ち気味…。
本当は包丁でスパッと切れるくらい中まで柔らかいものを収穫せねばならなかったのですが、今回採ってきたものはすでにだいぶ堅く、包丁では歯が立たなかったので、クルミ割り器を使って割ることに。ひとつの実を4分割しながら瓶に詰めていくのが理想とのこと。

クルミ割り

殻のまわりの柔らかい果肉が滑ってなかなか難しい
ちょっとずつコツを掴んできたぞ!

ちなみに青グルミを割るときは包丁にせよ割り器にせよビニール手袋が必須です。このまっきっ黄色の渋は、手に付着するとやがて黒くなり、何日も何日も真っ黒なお手てで過ごさなければならなくなります。

この黄色い渋に注意!
1週間たっても取れない青グルミの渋…

(このあと2週間ほどかけて、ようやく色が抜けていきました。何度も言いますがゴム手袋をはめておくことを強くお勧めします…!!涙)


手から手へコツを伝授
交代しつつみんなで割っていきました

瓶いっぱいになったところで梅割りクルミ割りも終了。
最初こそ楽しかったものの、意外と難しい、そして量が多い、それから作業を行なった倉庫がなかなかの蒸し暑さゆえに…終わる頃にはみんなヘトヘトに疲れていました。苦笑
参加してくれたみなさん、ご協力ありがとうございました!

漬け込み

最後にウォッカをひたひたになるまで注ぎ終えて、ひとまずの仕込み作業はおしまい。ここからは、毎日瓶を①日光に当て、②瓶を振り、③フタを開ける

この作業を最低3ヶ月毎日繰り返すのだとか。
なんと手間の多いこと………恐るべしノチーノ!!!笑

漬けたそばからみるみる色が変わってゆくの図(1番右端は半日先に漬けたもの)

そんな地道な作業を3ヶ月繰り返したノチ(※ダブルミーニング)は、さらに3〜6ヶ月寝かせてその後シロップを加えさらに3ヶ月熟成させて完成です。

と、完成までの道のりは大変遠く険しいですが、一体どんなお味に仕上がるのでしょう…?また進捗をご報告して参りますので、ぜひ期待してお待ちください!

陽を浴びるノチーノ(3日め)





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