地方公務員がパパ育休をとった話
自己紹介から。
私は地方公務員、30代
妻は会社員、30代
この度、妻が第1子を妊娠し、晴れて出産とあいなりまして、相談して育児休業をとることとなりました。
経緯として、妻のつわりが酷く、また切迫早産の傾向があったため安静にしないといけないと診断されたため家事などの多くを私が行っていました。
出産を見据えて産後しばらくは夜間の授乳や夜泣きがあると聞いていたため、2人で相談して育児休業をとることとしていました。
実家は二人とも近くではありましたが、母親はまだ再任用として働いていたため里帰りしてもあまり意味がないのでは?っとなりました。(父親は戦力外通知)
そのため、職場には半年ほど前からだんだんと育休取ります。っと宣言し、準備をしておりました。
職場の雰囲気としては、他部署に比べ圧倒的に仕事量が少ないながらも、私の所属する班は人材的にいまいちと言う感じ。
最近になり他部署では育児休業をとる男性も出てきたものの人数の多い部署であったり採用区分が違っていたりとまだまだ取る事が珍しいといった状況でした。
まず初めに困惑したのが、育児休業の制度の複雑さです。
申請をどうすれば良いか人事担当直接に聞き、制度を全て使えればだいぶ助かるなぁと実感したものの、特休扱いの○○休暇や休業扱いの○○休業や項目が多く混乱することがありました。
所属課の課長に話しても課長も制度について理解できておらず、いつまでに申請してほしい、など指示も出せないような感じでした。
ざっくり言うと休暇とつくものは特休扱いで有給と同じく給料が出ます。
休業になると休職扱いで給料はでない替りに育児休業手当(給付金みたいな感じ)が支給されます。
育児休業中は税金の支払いが免除され手取りとしてはほぼ変わらないとよく言われますが実際ほぼ同じでした。
また、休業中は無給扱いになるため、給与天引きのものは停止するか別途払い込む必要がありました。
マイナスの給料表をもらうという珍しい経験もしました。
落とし穴として給料と手当が支給される日が同じとは限らないということに気をつけるべきだと感じました。
実際、私が支給を受けたのは約1ヶ月のズレがあり、当面1ヶ月分の生活費を何とかする必要がありました。
出産後、色々な助成制度はあるものの支給時期が異なるためベビー用品や妻の病院で必要になったものなど出費が多かったため貯蓄口座から引き出したりと対応が必要でした。
育休をとった期間は2か月でした。
はじめは3か月とる予定でしたが、出産予定日から遅れたこと、仕事上復帰後に過度に自分が苦しまないように復帰時期を決めていました。
実際の育児休業中の生活について、
出産後1週間程は妻が入院しており、コロナの影響かまだ面会が自由にできなかったため着替え等の必要品を看護婦さん経由で渡して帰るということから始まり、その間に必要なおむつやミルク等を買い揃えました。
自宅に迎え入れてからは妻の体調がまだまだ、授乳がやっとという感じだったので1か月ほどはすべての家事、夜間のミルク等、母乳の授乳以外すべてをしたという感じです。
母乳がすぐには十分に出なかったため母子ともに試行錯誤が必要で、妻にとってはストレスを感じているようでしたし、
母乳が出やすくなるといった食品(ハーブティなど)をとってみたり、食生活に気を付け、和食中心に野菜・煮物を多めにしてほしいとの要望に応え、睡眠が十分にとれない中対応することは仕事を休んでいてもかなり厳しかったと思います。
実際に育休が始まる前は効率よくこなして資格の勉強もしたいと考えていましたし、周りの男性で育休をとってゴルフに行っていた…等と話を聞いていましたが幻想にすぎませんでした。
最初の1か月間は赤ちゃんの検診も1週間、2週間、1か月とこまめにあり、母親の検診も重なるため妻一人で対応するのことはかなりしんどい作業になると思います。
また、授乳間隔も1~2時間毎のため、まとまって寝れることは珍しく、妻と交代で寝ていましたが、母乳での授乳は慣れない中、時間がかかってしまっていたため妻の夜間授乳は睡眠時間を削ることと同義でした。
母乳で育てたいと思っていたことと、母乳を十分に出せるようになるには、出なくても頻繁に吸ってもらうことが重要といわれていたのでこの時期が一番しんどかったです。
1か月ほど経過すると妻もできる範囲で家事を手伝ってくれだし、母乳もだんだんと出るようになりました。でだしたといっても妻の授乳の負担は変わらないようでした。
また、産後、お祝いに来たいといってくれていた方たち、(親族・友達)もようやく呼べるほどになって、祝日で連休が重なったため何組かのお客さんを呼んで内祝いを返して…ということを済ましていきました。
そんな折、私は風邪をひき、まるまま1週間寝込みました。
その間、妻と子供は1階、私は2階に隔離、育児と看病のダブルパンチで妻には申し訳なかったのですが、しばらくの間睡眠時間が取れていなかったことや知らず知らずのうちに疲れが蓄積していたのか、なかなか治りませんでした。
その間、妻の私への評価はダダ下がりでしたが本心では今まで負担してきた分、疲れが溜まっていたことを理解してくれているようでした。
やっと治って1週間は、妻の疲労回復、内祝いの段取り、記念写真や参拝に終わりました。
そんなこんなではや2か月が過ぎ、最後の一週間は外出、外食をしようとつつましく少しの贅沢をしました。
少しドキドキしながら復帰すると、心配無用なくらいの日常でした。
久しぶりに会う人々に”どうやった?”っと聞かれるものの、育休をとった経験がない人たちばかりで温度差を感じることは多々ありました。
”お前も家事手伝ったんか”
”俺も夜中起きよったよ。仕事も”ちゃんと”来ていた。”
”俺の時にそんな制度があればなあ”
本人たちは悪気があって言っている言葉ではないのを承知の上で、やはりもやもやとした思いが積もりました。
私の家庭では共働きのため、家事も平時から分担しており、育休中はほぼほぼ私が行っていたという自負があります。
現状ではこれが地方での意識なのだと思うとまだまだ申請しづらい環境は続く気がしました。
また、仕事の面でも復帰前後で分担が変わっているということはありませんでした。
ただ、自分の持ち分の仕事がストップしているだけ。
日常の雑務はみんなでこなしてくれている。その分、復帰後は率先して引いてください。っという空気感が流れていました。
職場の理解としては低いものを感じましたが、悪いことばかりではありません。
少なくとも、私の家庭では育休をとらなければ妻が倒れるハメになっていたでしょうし、妻からの信頼や共感度は今後の生活面でも大きなプラスになると思います。
何より、赤ちゃん、自分の子供はかわいい。
少しでも長く一緒にいられるなら、親としてそうしてあげるべきだと強く思います。
そして出産後のママは必要以上に心配性になります。
正直そんなにせんでも…そのくらい大丈夫よ…本気?…正気?
と思うことも多々ありました。
男性には理解出来ないと思います。
私にも無理でした。
ただ、一緒に居てあげることは出来るので、育休所得、育児参加してあげてください。ゴルフに行かずに。
長くなりましたが、この経験談が少しでもお役に立てることを願っています。