日本人に宿る「ものづくり」の精神とは?(後編)ー先生のための『和の国・日本国』講座⑱ー
こんばんは。りたろです。
自らの持ち味を社会に貢献する「『和』の学級経営」を軸に発信しています。
今回も、引き続き、
「先生のための『和の国・日本国』講座」という主題のもと
日本の「ものづくり」に焦点を当て、
日本の「ものづくり」精神の高さとは?
日本人の「ものづくり」のルーツとは?
日本人の「働く」ことに対する『精神性』とは?
などを学びながら、
『和の国・日本』とは何か?を考えていきたいと思います。
※今回も、わたしが授業や講演をするときに使用している
資料も使っていきたいと思います。
【今日の内容】日本人に宿る「ものづくり」の精神とは?(後編)~先生のための『和の国・日本国』講座⑱〜
1)日本人の「ものづくり」に対する意識の高さ!
2)「将来、日本人のような立派な大人になりなさい」~ウズベキスタン人の教え~
3)日本人の「仕事」に対する『精神性』とは?
日本人に宿る「ものづくり」の精神とは?(前編)~先生のための『和の国・日本国』講座⑯〜
の記事では、
「弱小国」だった日本国が、
「経済大国」に2度も躍進してきた。
というお話をしてきました。
1回目は、「明治維新」後。
黒船来航で強制的に開国を迫られ、
列強の危機の前になんとか国を強く、大きくしなければならない。
そこで、目を付けたのが「ものづくり」でした。
そして、第一次世界大戦後。
日本国は、国際連盟加入で、『世界5大国』に躍進。
軍事力と経済力ともに世界トップクラスに躍り出ます。
2回目が、「先の大戦」後。
先の大戦により、世界の国々から叩きのめされてしまい、
インフラは破壊され、一気に「世界最貧国」に落ちてしまいます。
しかし、ここでも着目したのが「ものづくり」。
そして、
一気に世界企業ランキングを「日本国」で塗りつぶし、
たったの十数年で『世界第2位』の経済大国へと復活を遂げたのです。
では、
なぜ、『2回』も経済大国に躍進することができたのでしょうか?
今回は、
先人たちの「ものづくり」に対する姿勢から、
その秘密に迫っていきたいと思います。
1)日本人の「ものづくり」に対する意識の高さ!
日本人の「ものづくり」に対する精神性の高さは
ものすごいものがありました。
どのくらいすごいかというと
「見たものは何でも作りたくなっちゃう」
ことなんです!
ペリーが来航する2年前のこと。
イギリスの軍艦 マリーナ号が来日しました。
イギリス軍の狙いは
「軍艦を見せて、脅かして屈服させ、植民地にする」ことでした。
その頃になると
江戸幕府の上層部も
そろそろ大きな船を造船する技術を学ばなければならないと
考えていました。
そして、
日本にマリーナ号がやってくるのです。
マリーナ号の軍人たちは、
「この兵器を見せたら日本人は必ずびびるだろう」
と思っていました。
ところが、
江戸幕府の役人たちは
「いい研究材料がちょうどよく来た!」
と思ったわけです。
そこで、
停船命令を出して、役人たちがマリーナ号に乗り込みました。
意気揚々と日本人に兵器を見せびらかそうとしたその時!
なんと、全員でメモを取り始めたんです!
「あ~!なるほど!こういう構造になっていたのかあ!」
「これは、ちなみに何個あるんですか?」
などと質問したりもして…
びびったのはどちらか?
イギリス人だったんですねえ。
「ヤバい…こいつら、造ろうとしている…」
そう思ったに違いありません。
これまで、イギリスは今回と同じように
圧倒的な軍事力を背景にしてあらゆる国を植民地化してきました。
兵器を見て造ろうと思った人なんて誰もいなかったんですね。
でも、
日本人は違いました。
そして、4年後。。。
造っちゃったんです。。。
日本初の蒸気船を
そして、
今から150年前。
世界最高の造船技術をもっていたのは「オランダ」
でした。
でも、
今は「日本国」
です。
今から150年前。
世界最高の鉄道技術をもっていたのは「イギリス」
でした。
でも、
今は「日本国」
です。
今から3000年前。
世界最高の米作りの技術をもっていたのは「中国」
でした。
でも、
現在、世界で最もおいしいと言われている米は「日本産」
です。
日本人が『本気』になって「ものづくり」をすれば、
とてつもないものをつくることができるんです!!
何と言ったって、
世界で一番最初に『磨製石器』や『土器』を作った民族ですよ。
日本人が「ものづくり精神」を発揮すれば
元祖を凌ぐくらいものすごいものを作るんです!!
2)「日本人のような大人になりなさい」
先の大戦の後。
中国大陸にいた日本人57万人は
ソ連軍に逮捕され、強制労働させられてしまいます。
これを
「シベリア抑留」
といいます。
あまりにもひどい環境で働かされた結果、
5万5000人の日本人が亡くなっています。
当時、ウズベキスタンはソビエト連邦の一部でした。
そのウズベキスタンには、
抑留した日本人がつくったある建造物があります。
それが
「ナヴォイ劇場」
です。
当時、ドイツとイタリアも戦争に敗れていたので、
3か国の抑留者で劇場を作りました。
強制的に送られてきたので、
当然、やる気が出るわけもなく
ドイツとイタリアの人たちは怠けてばかりいたそうです。
でも、日本人は違いました。
「自分たちは『日の丸』を背負っているんだ」
「どうせ、帰れないのなら、いいものをみんなでつくろうじゃないか!」
と団結したそうです。
そして、
労働時間が過ぎても残業をして
徹底的に建設作業に打ち込んだそうです。
「強制労働」なのにですよ?
建設中に数十人も亡くなっていたのにですよ?
そして、
立派なものが建設されました。
ところが18年後。
ウズベキスタンで「大地震」が起きます。
ふだん、地震はそうそう起きない場所ですから
ほとんどの建物は耐震構造なんてものはされていないため、
ほぼ壊滅的な状況だったそうです。
見渡す限りがれきの山。
そんなところに
1棟だけ「ほとんど無傷」で残った建物があったというのです。
そうです。
それが
「ナヴォイ劇場」
です。
「日本人」がつくった建物が
「ほとんど無傷」で残り、
しかも!
「避難所」として使われたんですよ!!
それで、現地のウズベキスタン人は腰を抜かして
「自分たちは日本人を見くびっていた。」
「日本人は、手先が器用で、仕上がりが綺麗とか、そんなもんじゃない!」
「日本人の本当のすごさは『目に見えないところ』にまで手抜きがなかったことなんです。」
「基礎工事。柱の中。壁の中。日本人の本当のすごさは『目に見えないところ』までこだわっているところなんだ!」
と言ったそうです。
当時、
中国大陸から連れてこられた57万人の日本人の中には、
工兵や建築士、土木技師など様々な人がいました。
ソ連軍から提示された設計図面の
プロの目から見て見つけた粗を
ソ連軍の上司と喧嘩をしてまで設計の変更を求めたというんです。
何度も言いますが、
「強制労働」なのにですよ?
「どうしたらいいものができるか?」
「どうしたらもっとよくなるのか?」
と皆で知恵を出し合って
いいものをつくるためにみんなで努力をしたというのです。
これが
日本人の「ものづくり」
なのです。
今でも、ウズベキスタンの大人たちは、
「将来、日本人のような立派な大人になりなさい」
と言われて教育が行われて
今でも、
「ナヴォイ劇場」はウズベキスタン人から愛されています。
3)日本人の「仕事」に対する『精神性』とは?
日本人は、仕事に対して『やりがい』を見出そうとする
という『精神的気質』を持っています。
一方、
欧米では、
『やりがい』もありますが『お金を稼ぐための手段』
と考える傾向があります。
ビジネスとプライベートは分けて考える。
ビジネスはプライベートを充実させるための「手段」なわけです。
ビジネスよりもプライベートが重要なのです。
なぜなら、
『聖書』に
「仕事」は「罪に対する償い」である。
と書かれているからです。
だから、
欧米社会で
「サービス残業」なんてあり得ません。
そして、仕事後に飲み会をするときに
仕事の話をすると嫌われてしまいます。
ところが、日本ではどうでしょう。
新橋のガード下でご飯を食べながらどんな話をするのでしょうか?
そうです。
「仕事」の話をするんですよ!
これは、世界の中ではありえない話なんです。
日本には、
ビジネスとプライベートを切り分けて
プライベートのためにビジネスを充実させよう!
なんて考えはありませんでした。
先人たちは、
プライベートはプライベートでもちろん大切。
でも、
ビジネスはビジネスでこれもまた大切にしてきました。
日本人は、「仕事」を通じて『生きがい』を得ようとします。
仕事は何のためにするのでしょうか?
多くの欧米人は、「金のため」と答えるでしょう。
これは、今の日本人にも言えることかもしれません。
普通のことです。
でも、
先人を含め、多くの日本人は、
「この仕事が面白いから」
「この仕事にはやりがいがあるんだ」
「これを作って多くの人を楽しませたい!喜ばせたい!」
「これを作ってたくさんの人を笑顔にしたいんだ!」
のように
「仕事」の中にどう『生きがい』を見出すか
を重視します。
日本人には、
「世のため、人のために」仕事をする
という発想があります。
欧米では
もともとボランティアは「貴族」がやるものだったので、
「社会貢献は、自分が成功した後にする」
ように教えられます。
ところが、
日本では
「成功者がボランティアをする」なんて発想はなく、
裕福だろうがなかろうが
「世のため、人のため」を当たり前のように実践しています。
松下電器を創業した松下幸之助さんは、
このように言っています。
「あらゆる仕事は、必ず世のため人のためになっている。
人を傷つける商売、違法な商売は長続きはしない。
およそ、商売というのは必ず人を幸せにする。」
「買い手」も
「売り手」も
「従業員」も
みんなが必ず幸せになっているんです。
そして、
「企業は、存続することがすでに社会貢献である。」
とも言っています。
企業はしっかり存続していれば、
企業で働く人の生活が安定するだけではなく、
企業が作り出した商品を使う人の生活も豊かになる。
企業が利益を上げれば、株主にも配当され
納税されれば、国中に行き渡っていくわけです。
このように、
「商売は必ず、世のため、人のためになるためにすることである。」
このことを
経済大国へと一気に躍進させた時代の日本人は
大切にして、実践してきました。
「ものづくり」は
頭で作っているようで頭では作っていません。
指先で作っているようで指先では作っていないんです。
では、「どこで」作っているのか?
それは、
『心』
です。
「こんなものがあったらいいな」
「ここを工夫したら、みんなの生活がもっと豊かになるかな」
より多くの人を『喜ばせたい』
より多くの人を『楽しませたい』
その『想い』が形となっていくのです。
だから、
日本発祥でなくとも、
日本に取り入れられると「日本っぽい」ものが出来上がるのです。
だから、
子どもが買うような
「10円」のお菓子でも
あんなにクオリティが高いものが出来上がるのです。
このようなお菓子。
アメリカでは絶対に「10円」では買うことはできません。
欧米では、「アニメ」は子どもを対象としたものだったんです。
ところが、
日本でつくられる「アニメ」は
子どもだけではなく、大人も楽しめるものになっていて
『日本文化』として
『世界の芸術』となってしまうのです!
「子ども相手」のものでも一切手を抜かない。
『世のため、人のため』という
日本人の「仕事」に対する『精神性』が生み出したものなのです。
「自分は多くの人のために『何が』できるのか?」
「『世のため、人のため』にできることは何か?」
常に自分に問い続けて、
これからも「仕事」ではなく『志事』を
一つ一つ成し遂げていきたいと思います。
これまで、
「日本はいい国だ!」というと
軍国主義者と言われたり、
危険思想だと思われたりしていました。
しかし、
2011年3月11日
東日本大震災を契機に外国から注目されてから、潮目が変わりました。
じつは、わたしたちが住んでいる『日本国』はすごい国なんです!!
まだまだ、
歴史の闇に埋もれてしまった「真実」が
たくさんあります。
「日本を知ることは、
『自分のルーツ』を知ること」
わたしたちの生まれた国をもっと学びませんか?
そして、子どもたちに伝えませんか?
自分の生まれた国を誇りに感じることは、
きっと自己肯定感とか自己効力感につながるはず。
一緒に、『和の国・日本』を楽しく学びましょう!
最後まで、お読みいただきありがとうございました。