日本人が大切にしてきた「言霊の力」とは?―『読解力』を伸ばす魔法の言葉~日本人が大切にしてきた「言霊の本質」を探る~―(完結編)
こんばんは。高杉です。
日本人に「和の心」を取り戻すというスローガンのもと
『和だちプロジェクト』の代表として活動しています。
その一環として、
小学校教諭として学校現場では、
「和の心」を軸に、喜びあふれる豊かな学級集団を作り上げるために、
自らの持ち味を社会に貢献する「『和』の学級経営」を目指して
日々奮闘しています。
これまで、
という主題でお話をしていきます。
今回は、
日本人が大切にしてきた『言霊の力』とは?
その仕組みについてお話していきます。
自分が発する言葉、目にする言葉、聞く言葉、
広告の言葉、テレビから流れてくる言葉、ネットやSNSで触れる言葉…。
周りを見渡してみると
私たちの住むこの世の中には言葉があふれているにもかかわらず、
これらの言葉の存在は、あまりにも当たり前に近くにありすぎるがゆえに、
人はあまりその存在を深く意識しません。
しかし、
実は、どんな言葉とともに歩んでいくかが、
私たちの人生を大きく決定づけているのです。
古くから日本では、言葉には不思議な力があると信じられていました。
それを、「言霊」と呼び、
発した通りの結果を現実にする力が存在するとされてきました。
いつもマイナスな言葉ばかり使っていると、いやなことが起こり、
いつもいい言葉を使っていると、
こういった言葉を使いたくなるような嬉しい出来事が起こります。
実際に言霊を信じるか信じないかは別にしても、
私たちが毎日使っている言葉によって、自分自身に暗示をかけています。
プラスの言葉を多く使う人はプラスの暗示、
逆にマイナスの暗示を多く使う人はマイナスの暗示を
自分自身にかけていることになるのです。
日本の子どもたちの自己肯定感が、
アメリカや中国、韓国の子どもたちに比べて、
著しく低いことをご存じでしょうか?
国立青少年教育振興機構が2015年に調査をした
「高校生の生活と意識に関する調査報告」によると、
「私は人並みの能力がある」という問いに
「とてもそう思う」と答えた人はわずかに7.4パーセント。
一方で、
「自分はダメな人間だと思うことがある」という問いには
「とてもそう思う」と「まあそう思う」という回答を合わせると、
実に72.5パーセントもの日本の若者が
「自分はダメな人間だと思うことがある」と答えており、
諸外国の子ども多に比べて、
自分を認める意識に大きな違いがあることが報告されています。
この結果は、国柄や文化、歴史館、学校教育、
家庭環境、本人の感受性など、さまざまな要因があるため、
一概にその原因を特定することは難しいかもしれません。
しかし、
僕が実際に教育現場に入って感じたことは、
「日本のほとんどの子どもたちは学校の勉強、
テストの成績によって自己肯定感をつぶされている」ということです。
日本人は、昔から言葉を大切にしてきました。
先人たちが大切にしてきた言葉の力を使って、
学び好きな子を育て、心を満たし、
一緒に子供たちの、そして私たち自身の自己肯定感を高め、
みんなが喜びあふれる楽しい国を作っていきませんか。
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『学び』って
もともと
「なんか気になる」
「なんか面白そう」 という
知的好奇心を満たしたり、
知る楽しさを満たしたりするもので
テストでいい点を取るためでも
試験に受かるためのものでもない。
そんな何かに「没頭できる」体験を
学校でできるようにしたいと考えています。
僕は、こう思います。
学校教育の役割は、
みんな同じように能力を高め、平均点を上げることではない。
それぞれに個としての能力を高め、
自分の持ち味を自覚し、
社会の中で自分をうまく活かせる場所を見つける力を養うことだと。
極端だけど本質的なこと。
『学び』とは、知識を得ることではない。
『学び』とは、「学ぶことの意味」を知るということ。
本当に教員がやるべきことは、
「学ぶことの意味」を子供が実感できるようにすること。
これさえおさえておけば、
「勉強しろ」と言わなくても
勝手に子供自ら学び始める。
私たちが小さな灯火として
周囲の一隅を照らす。
その灯火がたくさん集まって、
国家全体を明るく照らし、
将来への希望の灯りを点すことができるようになる。
大人が輝けば、子供も輝く。
今日も子供を信じて。
今日も自分を信じて。
最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。