【No.1390】スマホの弊害

昨日に続いて英語の問題です。

It took longer than he thought.

こちらの英文はどう訳すでしょうか?
これも英検2級に実際に出題された問題文です。







昨日書いた子とは別の子ですが、
やっぱり英語が苦手な男の子です。

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今回の男の子もブツブツ言いながら訳してくれました。

Itは「それ」だろ…。
tookはtake(の過去形)だから「取る」、
longerは「より長く」

「それはより長く取る…」

何が何を長く取るんだ!?

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ただ、僕は、英語の先生としても
前日より今日、成長して強くなっています。

昨日も書いたとおり、

【英語が苦手な生徒は、1つの英単語に対して1つの日本語の意味だけしか覚えていない可能性がある】

そう気づいてしまいましたから、

今回の生徒は、お茶の子さいさいです。

長く取るって何を!?って混乱するだろうなと予想できていましたから、想定通りに混乱している姿がかわいくすら感じられます。

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takeって「取る」以外にどんな意味がある?と聞くと

分からないと返答があります。これも想定内。

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じゃあさ

How long does it take to ~?

ってどういう意味だっけ?中1くらいに習わなかった?

覚えてないという彼はこの夏留学に行く予定なので、覚えておけと指示します。

「~にどのくらい時間がかかりますか」という意味だから、使うことがあるかもよと。

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と、その時はドヤ顔で言いましたが、今思えば、最近はスマホがあるから、彼も留学中、誰かに聞かずにネットで調べるのかな?(笑)

せっかく留学に行くなら、英会話をしてもらいたいな。

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それはさておき、

英語の勉強において
語彙力が大事だと言われます。

この「語彙力」という言葉の定義もあいまいですよね。

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英単語の語彙力というと、

少なくとも中高生は「暗記している英単語の数」と思っているように感じます。

それも、1英単語・1つの日本語を対比させて単純に暗記している感じ。

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暗記している数も、語彙力の1つの要素でしょうが、

当然それだけじゃないですよね。単に単語を覚えるだけでなく、その意味のニュアンスや使い方を理解することを含みます。

そして、それは単語帳での学習や、スマホでパッと意味だけ調べるといった1英単語・1日本語の対比関係の暗記では習得しづらいです。

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スマホがあれば、疑問に感じたことはすぐに調べられます。しかし、それは表面的な理解に過ぎません。

これは英語学習に限らないですね。日本語学習も一緒です。
難しい英単語の直訳として単語帳に載っている難しい日本語の意味が分からない生徒を見ていると、つくづく思います。

英語が苦手という生徒の根幹は、この日本語力の欠如ではないかと。

スマホなどの便利さの弊害でしょうか。

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もっといえば、子どもの英単語・日本語学習に限らず
我々おとなになってからの勉強も一緒ですよね。

効率的に情報を得られる現代だからこそ、時間をかけて得る経験の価値が際立つ。人との対話とか、読書とか。

英語の単語には複数の意味があるように、日本語の単語にも複数の意味があるように、その意味のニュアンスや使い方を理解すること。そして、適切に使うことが重要です。

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It took longer than he thought.

和訳すると「思ったより時間がかかった」程度でしょうか。

思うより時間はかかるでしょうが、
言葉への感度を高めていきたいですね。

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うちの子供たちや、僕が教えている生徒たちにも、言葉への感度を鍛えてもらえるように接していきたいものです。

こどもたちが「これさ、たぶん、絶対、これだよね!」とか言うなら「たぶん」と「絶対」の意味の違いを考えさせるべきですね。

なにか誘うとき「一緒に食べない?」とか否定せずに「一緒に食べよう」とかでいいじゃないですか。

仕事の場でも「●●など」って無意識にぼかしますが、他に指す事柄がないなら「など」とは使わないほうがいいですね。

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ということで、今日も1日「優柔不断は誤った決定よりなお悪い」「あらかじめ○○していたら、あとで楽になる」という言葉を胸に、結果の有無に関わらず、人生と仕事に楽しんでいきます!

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