【No.1532】変化の代償

こんにちは、前のめりの藤倉です。

勤めている学習塾で、最近「自習室の席が空いていない」というクレームを耳にするようになりました。確かに、かつては比較的空いていて、いつでも好きな席を選べるような余裕があった時期もありました。しかし、今では利用者が増え、混雑が日常になりつつあります。これをどう受け止めるかは、見る人によって大きく変わります。

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昔から利用している人にとっては、こうした変化は「以前より不便になった」と感じるかもしれません。昔の静けさや余裕を懐かしむ声もあります。対照的に、最近入った人からすると、これが「普通」だと受け止めている様子です。「これだけ利用者が多いということは、人気がある証拠」とさえ思うかもしれません。

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ここで考えたいのは、「変化」と「その代償」の関係です。自習室が混むようになった背景には、おかげさまで、多くの人に選ばれる学習塾になったという事実があります。新規の問い合わせ数も良い調子です。広報担当として嬉しい限りです。一方で、それが引き起こすデメリットも無視はできません。昔からいた生徒はやめようとおもうかもしませんね。学習塾は幸い、継続型のビジネスであり、スイッチングコストもそれほど低くないですが、業種によっては、昔からのリピーター減少が一時的に売上を下げるかもしれません。「変化」と「その代償」。この二つは表裏一体であり、どちらか一方だけを切り離して見ることはできないのです。

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さらに興味深いのは、この現象が「視点の違い」によって全く異なる意味を持つ点です。長く使ってきた人の目には「劣化」と映るかもしれませんが、新しく入った人にとっては「普通」に見えるのです。むしろ「こんなにみんな自習室を使って勉強している。自分も頑張らなきゃ」と思うこともありそうです。このギャップは、どちらの視点も正しいだけに、簡単には埋められません。

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変化は「個人」にも当てはまります。たとえば、自分が成長しよう、変わろうと思えば、そのプロセスで周囲の反応が変わることも少なくありません。昔の友達から「付き合いが悪くなった」と言われたり、理解されずに孤立を感じる瞬間があるかもしれません。しかし、それも変化の代償の一つ。自分が目指すべき方向に進むためには、避けて通れないものです。

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大切なのは、「変化」が必ずしも悪いものではなく、それが起こる背景や全体の流れに目を向けることです。環境や人間関係の変化を受け入れながら、自分自身の成長を見つめ直し、さらに良い方向へと進むための方法を模索することが必要です。

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変化には代償が伴います。しかし、それを受け入れ、さらに良い方向へと進むための方法を模索することこそが、成長の本質ではないでしょうか。

代償を払う覚悟があるのか?

■■今日の教訓(ポイント)■■

変化には代償が伴う
視点の違いを理解し、柔軟に対応する
自分自身の変化も、周囲の反応も受け入れる

■■以上■■

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