【684】苦手科目の克服には?(改)

先日「苦手な科目の克服のために」と書きましたが、言葉足らずにもほどがあったので考え直してみました。

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大前提として【裏技はない】と思っています

ボクの勤める学習塾に問い合わせくださる
保護者さんや生徒さんと話していると

塾に通えば、目からウロコの、ミラクルな
裏ワザを授けられ、苦労せず成績があがる

そんなことも期待されているように感じます

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そんな裏ワザがあるわけない。
子ども自身が、頑張るしかない。

そうボクから言えば、親御さんたちは「分かっている」と返されるし、
これを読まれている方も、そりゃそうだよねと思われるかもしれません。

「でも、なにかあるのかも。
受験のプロである塾は、素人の知らない
なにかを知っているんじゃないか」と
期待されていることを、感じるのです笑

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繰り返しになりますが
残念ながら、そんな裏ワザはありません。

お子さん自身の努力が不可欠です。

たしかに、細かな小ワザはあります。

勉強する教材の順番や、ノートのとり方、
ミスを減らす計算手順、問題文で見るべき
ポイントや、失点しづらい解答文、など。

それら意識しながらコツコツやること。

言われれば当たり前のことを、
生徒一人じゃやらなくなるので、点数が悪くなる。

だから、「やれ」「こっちを意識したら、こっちを忘れてるぞ」と毎回毎回指摘して、全部を無意識にできるようになるまで導くこと。
これが塾の先生の仕事だと思っています。

でも、求められてるのは、そういうのじゃないんですよね。

成績をあげる方法はありませんか?
と聞かれて、これらを伝えると
そうなんですね~と微妙な顔をされる。

さっき裏ワザはないよと言ったとき
分かってますって答えたよね?と(笑)
やっぱり裏ワザを期待してるやん!と。

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根本的な解決になるミラクルはありません。

もし仮にそんなものがあるとするなら
苦手科目に悩んでいる人なんていないはず。
こんなにも英語のテストに苦しむ日本人は
いないはずです。

なので、その前提で、苦手科目の克服に向けて、
どう指導しているか文字にしてみます。

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結論からあげると、意識するのは4点

・目標
・プロの指導者
・コツコツ続けること
・仲間やライバル

ありきたりなものばかりで、奇抜なものは特にありません…。

ここでもやっぱり保護者さんや生徒たちには落胆されるのですが(笑)

容赦なく、以下に書き進めてみます。

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まずは、やっぱり【目標】です。
ありきたりで申し訳ないですが、なにはともあれ、まず目標。

みんな知ってるはずなのに、
みんな無いって言う目標が、
一番大切だと思っています。

将来の夢とか、絶対に入りたい大学とか
そういった大きな目標は、あれば強いので
考え続けることは大切ですが、
まずは小さな目標は立てられるはずです。

苦手科目の克服をテーマにしているので
例えば、次のテストで何点とか、そういう小さな目標です。

すると、次のテストで平均点!と言う生徒が多いです。

目指すこと自体は問題ないのですが
ほとんどの生徒が実現可能性を考えることなく、なんとなくまずは平均点かなという目標設定の仕方は良くないと思っています。

例えば、数学なら

大問1を全部とれば、何点。
大問2は数個とって、何点。
大問3は、大問4は、…
大問5と6は、応用問題だから、今は捨てる。
その分、余った時間を、別の問題で丁寧に計算して正答率をあげるために使う。

そう積み上げて、目標点を出せば
もう少し実現可能性の高い目標になるはずです。

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また、少し大きな目標である「受験合格」を目標とする場合は、以下の感じで考えます。

たとえば、数学が苦手な、高校生の場合です。

私立文系大学を目指すなら、学校の数学はほどほどで良し。極論、留年しなければいいのです。

ただ、私立文系でも指定校推薦やAO入試を目指すなら、高1から頑張る必要がある。それなら、まずは中学数学からやり直すべきです。

ただし、なんとなく学校の先生に悪いからとか、性格的に完璧にしないと気が済まない、というケースは別で考えないといけません。そこでもやはり「目標」が大切です。目標が変わればやるべきことが変わります。

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次の例として、私立文系を目指す上で、英語が苦手な場合。
こういうときは、受験戦略で考えます。

私立文系は、国・英・社の3科目だけとしても、合否は、3科目の合計で決まります。それぞれの科目ごとに、合格点が設定されているわけではありません。

それなら、英語が苦手でも、合格平均くらいまで伸びれば、極論、それ以上を取る必要はありません。英語を帰国子女ばりに得意科目にしろとなれば難しいですが、合格平均くらいまでなら、なんとか方法はあります。

そして、合格するという目的のためなら、むしろ、得意科目を、たとえば社会とか、伸ばすべきです。そういう戦略が立てられます。

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つまり、苦手科目の克服と、一言に言っても
どこまで克服すべきかを考えるのが
目標を立てることの理由です。

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思ったより長くなっちゃったので、
明日に続けます。




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