ボジョレーヌーヴォーにみる、キャッチコピーの威力
1.はじめに
皆さんこんにちは。マーケ・営業プロセス向上委員会のバーチャンです。
明日はボジョレーヌーヴォーの解禁日ですね。
ボジョレーヌーヴォーは、バブル期のブームより人気の続く「ワインの新酒」です。しかしよくよく考えてみると、これは少し不思議な商品であるようにも思えます。というのも、基本的にワインは古いものである程良いものとされるはずなのです。にもかかわらず、新酒であるボジョレーヌーヴォーが毎年話題に上ることができているのはなぜなのでしょうか?
「それは解禁日を設けているからでは?」
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
「解禁日」をマーケティング戦略の一環として捉えたあなたは、さすがの洞察力です。しかし、ボジョレーヌーヴォーのマーケティング戦略はそれだけではないのです。ボジョレーヌーヴォーのマーケティング戦略に大きく貢献する立役者として「キャッチコピー」があります。
実は、ボジョレーヌーヴォーは毎年発表される「キャッチコピー」でも有名なのです。
そこで今回はボジョレーヌーヴォーのマーケティング戦略でも、意外と気付きにくい「キャッチコピー」について取り上げたいと思います。
今回はキャッチコピーの影響力について、カスタマーサクセスの文脈から考察していきましょう。
2.キャッチコピーとは
まずは、耳馴染みのある「キャッチコピー」という言葉の意味を再確認しましょう。
定義・役割
定義:商品の広告の謳い文句。
役割:消費者の共感や感情を喚起することで、商品やサービスへの関心や親近感を高める。
ボジョレーヌーヴォーの例で言うと…?
<キャッチコピー例>
1000年代最後の新酒ワインは近年にない出来(1999年)
110年ぶりの当たり年(2003年)
過去最高と言われた05年に匹敵する50年に一度の出来(2009年)
上記のように、”他の年度と比較してよい出来栄えだ”といった構成のキャッチコピーが多い印象です。
では、”他の年度よりも良い出来”という謳い文句はどのような影響力を持つのでしょうか?
端的に言えば、特別感が感じられるのではないでしょうか。
このように、ボジョレーヌーヴォーのキャッチコピーは、「そこまで言い切る今年の味はどんなものなのか」という好奇心・探求心を刺激していると考えることができそうです。
キャッチコピーの影響力
<短期的なもの>
想像しやすいようにキャッチコピーは、ある程度短期的に、広告として消費者に買う理由を与えることができます。
<長期的なもの>
他方、成功したキャッチコピーは、その商品にブランド的価値を生み出す力があるのではないかと考えます。
ボジョレーヌーヴォーの例でいえば、一見似ているキャッチコピーが多いです。これは解禁のたびに「今年の出来はどうなっているのか」という好奇心を刺激することになります。これにより、解禁のたびに一定のリピーター・ファンが生まれ、”毎年の秋の風物詩”的なブランドとして社会的にも注目されるようになったのではないかと考察します。
3.キャッチコピーとカスタマーサクセスの関係性
それでは、キャッチコピーの影響力をカスタマーサクセスの文脈で捉えるとどのような解釈が可能かを考察していきましょう。
キャッチコピーとカスタマーサクセスの関係
「キャッチコピー」と「カスタマーサクセス」の関係は、手段と大目的の関係です。そして、両者の中間に存在する目的が「顧客ロイヤルティ」です。
「キャッチコピー」と「顧客ロイヤルティ」の関係は、目的と手段の関係です。「顧客ロイヤルティ」が目的、「キャッチコピー」が手段になります。
そして、「顧客ロイヤルティ」と「カスタマーサクセス」は、目的(コンセプト)と指標の関係です。「カスタマーサクセス」が目的、「顧客ロイヤルティ」が指標です。
以下で詳しく見ていきましょう。
カスタマーサクセスとは
カスタマーサクセスのコンセプトは、リピーターを増やすことで、昨今重要視されています。
企業活動においてカスタマーサクセスが重要視されている背景には、新規顧客獲得よりも既存顧客との関係性を良好なものにする方が、結果としてビジネスの継続的な成長や利益向上が見込めると言われてるためです。
そして、カスタマーサクセスにとって「顧客ロイヤルティ」は非常に大切なのです。
顧客ロイヤルティについて
顧客ロイヤルティとは、商品・サービスに対して感じる「信頼」や「愛着」のことであり、ビジネスの継続的な成長や利益向上に重要な指標の一つとして用いられます。
企業活動において顧客ロイヤルティが重要視されている理由は、ビジネスの持続的成長のために重要な「カスタマーサクセス」の実現度合いを評価できる指標だからです。
キャッチコピーについて
成功したキャッチコピーは、商品の価値の解釈(=消費者の買う理由)に影響を及ぼす力があります。そしてこれを長期的に実践し続けると、価値の解釈が社会の中で固まっていき、それがブランドとして花開くことにつながると考えます。これは顧客ロイヤルティにつながります。
つまり、「キャッチコピー」は、ビジネスの継続的な成長や利益向上に重要な指標である「顧客ロイヤルティ」を追及する効果的な手法だということです。このように考えると、「キャッチコピー」を何気ない広告の謳い文句としてではなく、ビジネスの継続的な成長を左右する企業競争の最前線の一つとして捉えることができて面白いのではないでしょうか。
4.結び
ビジネスの継続・成長に「カスタマーサクセス」「顧客ロイヤルティ」が重要であること、その手法としての「キャッチコピー」の威力を感じていただけだでしょうか?
カスタマーサクセスは、マーケティング・セールスの段階から仕込みを始めることが重要です。
皆さんもマーケティングや営業において、顧客ロイヤルティを獲得したい場合があるかと思います。その際は、カスタマーサクセスにつながるマーケ・セールスを考えてみるのはいかがでしょうか。目の前の顧客に対して「どのような謳い文句・キャッチコピーが効果的か?」という問いへ取り組むことで、本質的な対応が可能になること請け合いです。
キャッチコピーで顧客ロイヤルティを獲得して、カスタマーサクセスの波に乗り遅れないように一緒に進んでいきましょう!
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それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
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