【詩】破水


  破水

知らない乞食が垂らした洟を
すくいあげまいと拒んでみろよ
少女の群れが巣に戻れずに
道にたむろする羽目になる

よお汚い涙を恥ずかしげもなく流しっぱなしで消えようとする厚化粧したガキみたいな真似をしてみろよ
もう他人じゃない乞食の良心次第でいつでも足止めさせて恩を着せてやろう

死なせたくなる
魅力をたたえた
顔をいくつでも
飲み込んでくれる
海のように深い
粘液を
すくいあげまいと拒んでみろよ



(2022年執筆)

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