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三方良し

金曜日、夜21時、
定食屋さんへ行った。
久しぶりのおひとりさまにワクワクする。

夜ご飯のピーク時間を過ぎたからか、
店内は、仕事終わりであろう男性たちばかり。カウンターにずらっと座って、黙々と定食を食べている。
バラエティ番組と気のいい店員さんの声だけが響く店内。
この疲労感がうっすら漂う、"食べる"ことだけに集中できる感じが好きだ。

ガッツリ食べたい気分。
今日は夜に滅多に食べない揚げ物にしよう。

唐揚げ&豚汁定食

唐揚げに齧り付く。
片栗粉でサクッと揚げた食感。
それでいて、ニンニクの効いた甘辛いタレにくぐらせてあるのでしっとり感もあり、ジューシー!
タレのガツンとした味わいがご飯に合う。
この定食屋さんはお米にこだわっているらしい。
粒が立っていて、一粒一粒に甘みがあって凄く美味しい。
最近はお米も高い。ありがたみを噛み締める。
そして、里芋、ごぼう、大根、人参…具沢山の豚汁。
大豆味噌なのか、挽き割りっぽい大豆が入っている。
一口飲んで分かる、これは体にいいやつ。
お腹がぺこぺこだったから、無我夢中で食べ進めた。

半分ぐらい食べて、やっと空腹感も落ち着き、少し考え事をしながら食べる。
誰にも思考を邪魔されずに美味しいご飯を食べられる、おひとりさま時間が好き。

"三方良し"って難しい。
仕事でも私生活でも。

私の放った言葉が、誰かにとっては良くても誰かは傷つけているかもしれない。
若しくは、言葉や態度に出されないから気づかないだけで、みんなのことを不快な思いにさせているかもしれない。
私が気にしすぎているだけで、別に誰に何も思われている訳ではないかもしれない。
誰かの気持ちを真に理解するなんて不可能だ。
だって、私はその人の切り取った情報しか見れないから。
私の気持ちだって、全てを受け取ってもらうことはできないし。
昔は、嫌われたくないと思って、誰かの一挙手一投足にビクビクして、しんどかった。

でも、そもそも、皆にいい顔をするなんて無理なんだ。
"三方良し"を目指すよりも、"三方悪し"を回避できればいいのかなと思う。
他者を傷つけずに生きていければいいな。

最近の反省点は、
「会話の出発点は、自分の要求ではなく、相手を知るための質問にする」
だ。
例えば、授業中、反抗的な態度を取る子どもがいるとする。
その子に対して、
「その言葉遣いは辞めなさい!!」 
と一発目に怒るのではなく、
「何かあったの?」
と尋ねて、ワンクッション置いてあげる。
そうすると、大体は『習い事で上手くいかなかった』『家で喧嘩した』など言ってくれる。
「そっか、きつかったね。でもその言葉遣いは嫌だよ」
と共感しつつ、言動の変容を求める。

表面的な言動は、必ず深層に理由がある。
だからこそ、相手へ何か行動を要求したい時は、相手の心を、まずは理解しようと努めるべきだ。

お腹もいっぱいになった。
思考も整理された。
すっかりご機嫌になってお店を出る。
やっぱり、おひとりさまの時間は、私にとってかけがえのないものだと再確認。

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