おひとりさまの達人【#元気をもらったあの食事】
おひとりさまが得意だ。
映画、居酒屋、カラオケ…etc
どこにでも一人で行ける。
中でも、定食屋さんに行くのが一番好き。
子どもの時から大好き。
お安いところだとなお嬉しい。
金曜日、仕事が終わって帰る。
「よしっ!」
コンタクトを外し眼鏡をはめ、ジャージに着替える。
これが私の正装。
金曜日の夜、世間では華金と言われるが、
私は一人で近所の定食屋さんへ行く。
二十代前半は、毎週のように呑みに繰り出していた。刺激的な夜、それも良かった。
二十代後半になると、みんな結婚してるかパートナーがいて誘う人がいない。
ド田舎配属のため、呑み屋さんも無い。
一人でお金を使う気にもなれないが、自炊も嫌。
そうして行き着いた「定食屋さん」。
薄い衣のトンカツ。
じゅわっとお肉の旨味がダイレクトに伝わる。
衣詐欺していない。等身大のお店だ。
トンカツって市販の濃ゆいソースが一番合うよね。
温かい白ご飯と、細かく刻んだ葱の入ったお味噌汁。
お味噌汁はアゴ出汁?大好きな匂い。
トンカツで油っぽくなった口の中をホッと落ち着ける。
黙々と食べ進める。
お漬物のポリポリ、トンカツのサクサクという音。
お箸で輪切りレモンを搾るのが特技。
コツがあるんです。皆様、ご存知でしょうか?
(このぐらいのことを自慢して申し訳ございません。)
「ごちそうさまでした。」
1人呟き店を出る。
労働の疲れはすっかり取れて、足取り軽く帰路に着く。
ご飯の力って凄い!
結婚してたらできない、私だけの楽しみ。
同世代もいないから気も使わない。
定食屋さん。おひとりさまに、オススメです。