見出し画像

#192 増えてきた魅力的なVC(そして魅力的じゃないVC)

先週、再び自動運転タクシーであるウェイモを利用しました。 今回はウーバーとウェイモを比較して乗ってみたのですが、(もちろん割引があったからですが)ウェイモがウーバーより少し安かったです。 チップまで考慮すると、ウェイモを使わない理由がますます減ってきているようです。それにもかかわらず、ウーバーからすると現時点では大きく心配する必要はないようです。ウーバーは全世界で540万人のドライバーがいるのに対し、ウェイモは米国の一部の都市だけで600台の車両が運行されています(Uberの0.01%)。むしろ、ウーバーとウェイモはパートナーシップを結んでいて、アリゾナ州フェニックスではウーバーのアプリからウェイモを呼び出すことができるそうです。グーグルは最近、ウェイモ事業にさらに50億ドル(現在の為替レートで約7千億円)を投資することを決定しました。テスラのロボタクシーの発売も予定されている中、今後この市場がどのように変化するのか本当に楽しみです!

左側がウェイモ、右側がウーバーのアプリ

ベンチャーキャピタル業界はドットコムバブルの崩壊で大きなショックを受け、2005年頃までは不振を免れませんでした。しかし、その後の数年間、業界は驚くべき変化を遂げました。

theLetterでニュースレターを購読 & ポッドキャストで聞く

同じ期間、ベンチャーキャピタルは魅力的な資産クラスに成長しました。収益率も着実に改善し、2010年には新たな黄金期を迎えました。以下のチャートで表してるように、2005年からは着実に全体的な収益率が上昇し、2010年頃からは上位5%のファンドはもちろん、中位圏のファンドも魅力的なな収益率を維持しています。

ベンチャー・キャピタル・ファンドの数は急増し、投資額も大幅に増加しました。普通に考えたらファンドの数が増えて、投資額が増えれば、割合的に収益率は下がるべきです。しかし、なぜそれでもパフォーマンスは安定して高い水準が保たれているのでしょうか? これは、マーケットのサイズが大きくなったことを意味します。単により多くのファンドが魅力的な収益を生み出すことができるようになったのてす。このような現象は、なぜこの資産クラスに資金が継続的に投入されているのかを説明しています。しかし、これは魅力的な収益率が出せてないファンドの数も同じくらい増えたことを意味します。ノイズも増えたのです。

このトレンドが続けば、(そうならない理由はほとんどありません)、パフォーマンスの良いベンチャー・キャピタル・ファンドの数は(そしてよくないファンドの数も)今後も増え続けるでしょう。上位ファンドだけでなく、中位圏ファンドも成長し続けるでしょう。なぜなら、過去10年間、上位ファンドと中位圏ファンドのパフォーマンスの差はそれほど大きくなかったからです。

このような変化は重要な意味を含んでいます。 起業家には資金と専門性を確保するためのより多くの機会が開かれ、ファンドへの投資家には魅力的な収益を期待できる多様な選択肢が提供されます。今後、多様で競争力のあるベンチャーキャピタルエコシステムを通じて、継続的な革新と成長が可能になるでしょう。

theLetterでニュースレターを購読 & ポッドキャストで聞く

Sources

Data source: Burgiss

いいなと思ったら応援しよう!