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【シェー代表インタビュー】事業進展によりどのようなユースケースに発展しているのか?改めて今のVRCの事業についてお伝えします

皆さんこんにちは。VRC note編集長の八重樫です。

2021年4月に立ち上げたこの公式noteも、2年を迎えました。
開設当時、VRCの事業について記事を書きましたが、2年経った今、研究開発や企業様との取り組みもさまざま進み、事業領域も広がってきたと感じます。

そこで今回は、改めて今の事業状況について代表のシェーにインタビューしてみました。現在の会社のこと、これから進む方向などについて語っていただきます。

■どういったアップデートがあったのか?

ー2年前に事業内容をヒアリングして書いた時から、どんどんアップデートされていくと感じているのですが、シェーさんは代表としてここ2年ではどんな変化があったと感じていますか?

シェー
この2年で世の中も大きく変化しました。メタバースやXR分野も日常に少しずつ浸透し始めていますし、AIの技術的進歩も大きく生活の様々なサービスとAIが連携しつつあります。さらに環境問題についても考慮されるようになり、SDGsやESGといった観点での経営も重視されるようになりました。

私自身もEfficiency(効率)・Ecology(環境に優しい)・Equilibrium(バランス重視)というトリプルE経営を意識しています。最先端の技術を研究からサービス化まで作り上げていくという探究心や好奇心も持ちつつ事業を発展させていくという部分はこの2年でも変わらずに大事にしてきました。

世の中の変化も含め、2年前よりも3Dアバターを持ちたいとか、自分の身体データを正確に把握して管理していきたいというニーズは拡大していると感じますし、実際に様々な場面でエンドユーザーの身体データがあればよりユーザーニーズにマッチしたコストエフェクティブなサービスが提供できるのではないか、ということを感じます。

VRCは2016年から3Dアバターを活用した身体データのアバタープラットフォーマーになりたいと考え、開発や事業化を進めてきました。元々、見た目情報、関節情報が一瞬で取得でき、20秒で3Dアバターが生成されるというソリューションを提供してまいりましたが、最近は取得できる情報が増え、ボディサイズ情報もわかるようになりました。それだけではなく、そのほかの身体データも取得できるように機能追加の検証や、アバターの見た目を変えられるような機能の開発も進めています。

さらに、Ubiquitous Avatar Platform(UAP)構想を掲げ、一度のスキャンで複数のデータが取得でき、それらをさまざまな分野(アパレル、エンタメ、ヘルスケア、メタバース、観光など)に横断的に利用していくことができるプラットフォームサービスを構築してきました。
そういったUAPの考え方に賛同いただく企業様も増えており、企業様がプラットフォーマーとしてUAPを展開していく座組みも形成しております。

ー事業領域も拡大しており、ニーズも増えているということですね。最近、こういったデータの取り扱いについての問題も取り沙汰されるようになっていますが、気をつけていることはありますか?

シェー
生成AIなども普及してきた今、データの真実性(Grand Truth)が問われるようになっていると感じています。このデータは本当のものなのか、作り出されたものなのかという真偽を見極めていく必要があり、そういった世の中で個人の真実のデータはとても価値があると考えています。

スキャナで取得できるデータはジオメトリデータや見た目のデータ、ボディサイズデータも含め、間違いなく本人のものであるため、信憑性や価値も高く、個人が自分のデータをきちんと管理して使えるような仕組みも整えています。これは創業当初から個人のデータは個人のみ利用できることが重要であると考えて仕組み化を進めてきており、後にこの考え方は欧州で取り入れられているGDPR(General Data Protection Regulation)に即していることを知りました。

VRCでは個人情報保護のためPマークの取得も行なっており、データについては「個人のみ利用できるような暗号化の仕組み」をブロックチェーン技術を活用して整えています。と同時に「個人情報データは利用者の所在国でのみ保管する」ことも徹底し、セキュリティが担保されている状態を作り出しています。個人しか管理できないというと、厳重な管理になり利用はしにくくなる傾向にありますが、ブロックチェーンなどの認証システムを利用して、シームレスにコンテンツを横断して使えるようにしている点も特徴的です。エンドユーザーは安全安心にデータを使いつつ、簡易に様々なコンテンツを使えるということで、複数回利用されていくことを想定しています。

ーそうなると導入する企業側にもメリットがありますか?

シェー
そうですね。企業側は今までユーザーの会員基盤がないと様々なデータをとったり、サンプリングをしたり、サービス訴求をすることはできませんでした。なのでどうにかして会員を獲得してユーザーを囲っていくことを重視してきたわけです。

しかし、VRCが持つプラットフォームの会員基盤を使うことができるようになれば、すでにある会員のデータを使うことができるので、ユーザー獲得のコストを下げることにつながります。エンドユーザーもプラットフォームへの参加企業が増えれば体験できるコンテンツが増えるのでハッピーですし、さらにリピート利用もしてくれるでしょう。

そういった取り組みはすでにVRCのプラットフォーム上で始めており、今後も加速しながらパートナー企業と世界観を広げていきたいと思っています。

■今後の取り組みは?

ー話題のAI技術を取り入れるなどの検討もされているのでしょうか?

シェー
先ほどもデータの真実性が問われるという話をしましたが、AI技術自体は今までも活用してきましたし、今後も共存しながらより良いサービス提供のために活用できたらと考えています。

ただAIで何もないところから作り出すのではなく、大元にはスキャンした真実のデータがあり、それにAIの技術を加えてより良くしていくことを目指したいです。例えば、身体の見た目をデフォルメしたり、本人の姿を反映しつつ面白くすることもできると思います。そのほかには、健康管理の文脈で自分の身体を太らせたり痩せさせたりするシミュレーションなどもできるでしょう。AIがボディサイズを使って、好みに合った服のサイズやコーディネートを提案するというサービスもできると思います。このように使い方はたくさんあるので、編集する際にAIの技術は必要になります。

ということは元のデータが大事になるので、エンドユーザーのデータをトレーシングして、何が真実のデータなのか、どう変化したのかなどを追いかけていくことも大事になります。
大元になる真実のデータを簡単に取得でき、個人が管理できること、さらにそこにAIの技術を組み合わせて変化させていくことなどを取り入れ、様々な分野でエンドユーザーが興味を持つような事業に発展させていきたいと考えています。

ーほかには今後、どういったことを目指していきますか?

シェー
私たちは個人の身体データを管理していくアイデンティティプラットフォームを目指していきたいなと思っています。もちろん、先ほどから述べているデータ管理の部分なども重要視しながらさらにユーザーに使ってもらえるようなサービスを作り上げていきたいです。

今まで通り、最先端の研究開発もしながらAI技術も加えてデータを使いやすくユーザーニーズに合わせて加工していくこともやっていきたいですし、そういったPoCも数を増やしていきたいと思っています。世界観を普及していくためにも、プラットフォーマーになってくれるパートナー企業を増やしつつ、AIの技術をエンパワーメントしながら新しいサービス展開をいろいろと考えているところなので、今後の発表を楽しみにしていてほしいと思います!

ー今後が楽しみですね。本日はありがとうございました!



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