ブルース・リーが教えてくれる?コミュニケーションや思考の向上法 ― 指月の譬と言語ゲームを簡単に読み解く
ビジネスの現場では、コミュニケーションや思考が重要な要素です。しかし、言葉だけでは伝えきれないことや、言葉の意味が人によって異なってしまうことがあります。これは、ビジネスのパフォーマンスを低下させる原因になります。そこで、この記事では、ビジュアル・ファシリテーションという方法を紹介します。ビジュアル・ファシリテーションとは、会話や議論を絵や文字で可視化して、円滑に進める方法です。この方法は、「指月の譬」と「言語ゲーム」という二つの概念から、その必要性や効果を考えることができます。
結論
ビジュアル・ファシリテーションは、言葉や教えの限界と可能性をバランスよく扱う方法です。言葉や教えに固執することではなく、その指し示すものに気づくことが重要だということを示唆しています。また、言葉や教えが様々な文脈や目的に応じて使われる「言語活動」の一部であり、そのルールや基準は変化することを認めています。このようにして、ビジュアル・ファシリテーションは、コミュニケーションや思考を助ける方法だと言えます。
根拠
ビジュアル・ファシリテーションの必要性や効果を考えるために、「指月の譬」と「言語ゲーム」という二つの概念を紹介します。
指月の譬
「指月の譬」とは、仏教の教えに由来するたとえ話で、言葉や教えは真理や目標を示す手段に過ぎないということを表します。月を指でさし示すのに、月を見ないで指を見るようなことはしないように、言葉や教えに固執すると、その指し示すものに気づくことができないという教えです。しかし、この譬えにはもう一つの意味があります。月をさす指は闇の中で光り輝き、真理や目標への道を照らすこともできるということです。言葉や教えは真理や目標を指し示すだけでなく、そのはたらきを持つこともできるということです。
このたとえ話は、映画「燃えよドラゴン」でブルース・リーが使ったことでも有名です。「考えるな感じろ」と彼は言いました。「それは月を指差すようなものだ。指を見てちゃ栄光はつかめないぞ」と彼は続けました。彼は、直感や本能に従って行動することや、目的や結果に集中することを示唆していました。
言語ゲーム
言語ゲームとは、哲学者のルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインが提唱した概念で、言語活動をゲームに例えたものです。言語ゲームの考え方は、言語の意味や機能は、その使われる文脈や目的によって異なるということを示しています。言語ゲームは、一つの統一的なルールや基準を持たず、多様で変化するものだと考えられます。
ウィトゲンシュタインは、言語ゲームの観点から、従来の哲学が言語の本質や真理を探ろうとすることを批判しました。彼は、言語によって表現できないものも存在すると主張しました。例えば、倫理や美学や宗教などの価値判断や感情的な表現は、言語によって論理的に説明することができないと考えました。このようなものは、「言語の限界」を越えた「不可言」(ミスティカル)な領域に属するとしました。
考察
「指月の譬」と「言語ゲーム」という二つの概念から、ビジュアル・ファシリテーションの必要性や効果を考察します。
ビジュアル・ファシリテーションでは、この二つの意味を念頭に置いて、言葉や教えを絵や文字に表現します。一方で、言葉や教えが真理や目標を完全に表現できないことを認めて、その限界を超えるために視覚的な要素を使います。他方で、言葉や教えが真理や目標への道しるべであることを活かして、その可能性を引き出すために視覚的な要素を使います。
このようにして、ビジュアル・ファシリテーションは、以下のような効果が期待できます。
ビジネスのスピードアップ
絵にすることで、話し合いの目的や流れが明確になります。
フィードバックも絵にすることで、すぐに理解できます。
音声と視覚の両方を使うことで、時間を短縮し、テンポを上げます。
言葉の意味の共有
絵にすることで、言葉の定義やニュアンスがはっきりします。
誤解やすれ違いを減らし、コミュニケーションの品質と効率を向上させます。
背景や関係性の理解
絵にすることで、話題や問題のコンテキストが分かりやすくなります。
共通の認識や視点を持ち、議論や意思決定をスムーズに進めます。
抽象的な概念の具体化
絵にすることで、難しい概念や思考を具体的に表現できます。
イメージや感情を共有し、深いレベルでコミュニケーションできます。
パフォーマンスの向上
絵にすることで、参加者の集中力や注意力が高まります。
創造性や発想力を刺激し、以下のような成果を生み出します。
高度な問題解決
斬新なアイデア創出
革新的なビジネス創造
ウェルビーイングの向上
絵にすることで、参加者の満足度やモチベーションが上がります。
結果として残る絵は、記憶や共有にも役立ちます。
楽しみながら学びや成長を促します。
まとめ
ビジュアル・ファシリテーションは、言葉や教えの限界と可能性をバランスよく扱う方法です。「指月の譬」と「言語ゲーム」という二つの概念からも、その必要性や効果を考えることができます。ビジュアル・ファシリテーションでは、言葉や教えに固執することではなく、その指し示すものに気づくことが重要だということを示唆しています。また、言葉や教えが様々な文脈や目的に応じて使われる「言語活動」の一部であり、そのルールや基準は変化することを認めています。このようにして、ビジュアル・ファシリテーションは、コミュニケーションや思考を助ける方法だと言えます。
この記事では、ビジュアル・ファシリテーションでビジネスのパフォーマンスを向上させる方法を紹介しました。この方法は、経営者もしくは企業の人事担当者にとって有用なものだと思います。ビジュアル・ファシリテーションを実践することで、以下のようなメリットが得られるでしょう。
ビジネスのスピードアップ
言葉の意味の共有
背景や関係性の理解
大量・複雑な状態の抽象化
パフォーマンスの向上
ウェルビーイングの向上
おわりに
もし、ビジュアル・ファシリテーションに興味がある方は、この内容を参考にぜひ実践してみてください。オフラインでもオンラインでも様々なツールだいたい無料で使えます 。
この記事は私が現在検討している「ビジュアル・ファシリテーション大全(仮)」の内容を参考に書かれました。
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最後までお読みいただきありがとうございました。この記事がお役に立てれば幸いです。😊