なぜ猫を保護する必要があるのか (保護猫)
私も猫が町なかを優雅に歩く姿が好きでした。
塀の上を歩くような描写も、日本人の原風景的なものだと思われます。
でも昨今、その認識が変わってきています。
猫を保護すべき理由
・猫は元々、家の中で飼われる生き物だったこと
・寿命は外猫で5年程度、家猫で15年前後
・去勢避妊していない猫は悪魔的に増えること
・外猫の糞尿被害、鳴き声に悩む方がおられること
・外猫を捕獲して虐待する人間がいること
・殺処分する行政職員さんの心理的負荷が高いこと(安楽死はコストがかかる)
・家猫が外に出掛けるのも事故・感染・誘拐・怪我・加害とリスクがいっぱい
昭和の時代では気に留められていなかったことに
「あれ?」って気づくようになったからだと思うんです。
また、社会背景から生まれてきた問題も目に付くようになってきました。
・悪質な生体販売
・予期せぬ貧困等による多頭崩壊
・高齢化等による置き去られ猫
・災害による置き去られ猫
猫の保護活動の概要
これらに対して、行動を起こす人々がおられます。
保護猫団体、チーム、個人の活動家、動物病院。そして企業の協力チーム。行政支援。
以前はよく、餌やりおばさんと呼ばれた行為も
単純に餌を与えるだけの自己満足だけではない「活動」が存在します。
ある程度の時間を決めて餌付けをし、片付けをして
猫の行動パターンを把握しながら捕獲し、避妊去勢手術を施します。
これはTNRという地域猫活動の一環として行われます。
Trap(捕獲)、Neuter(不妊手術)、Return(元の場所へ戻す)の略です。
耳がすこし欠けて、さくらの花びらのようになっているのが
手術済みの猫であるという印で、さくらねこと呼ばれます。
痛そうにも思えますが、猫は痛覚が鈍い生き物だそうです。
あと、人間がピアスするのと似たようなものかと。
避妊去勢手術は可哀相なことなのか
避妊去勢手術を不自然とか可哀相とか言う意見もあるようですが
手術をせずに増え続け、殺処分され続ける子猫の命の方が可哀相です。
トロッコ問題であれば片方はふたつの玉(またはふたつの卵巣と子宮)、
片方は1年につき240匹の子猫の命です。
手術を受けることで、猫の健康状態も安定すると言われています。
家猫も脱走の可能性はゼロではないので、ペアリングを検討しない以上は
手術をしてあげるのが猫と人のためだと私は思っています。
(異議は発情期の猫と同居経験のある方のみから伺いたいです。)
保護猫に会える場所
TNRの中でも、人慣れができそうな猫や、元の場所へ戻すのが困難な場合は
保護猫団体や保護猫カフェ、預かりボランティアさんの家で
保護猫となり、里親になってくださる家族(ずっとのおうち)を待っています。
定期的や不定期的に、「譲渡会」が開催されることもあれば
オンラインだけで里親募集がされている場合もあります。
保護猫カフェの場合は、営業時間内に普段の様子を見ることができます。
新しい家族を迎えたい時に
美しい品種の猫を丁寧にブリーディングされている方もおられるとは思いますが
保護猫活動は「命をつなぐ」という優しさと頑張りで支え合っています。
もし、これから猫をとお考えの時は、是非一度、お近くの保護猫も探してみてください。
保護猫の譲渡は、不適切な飼育や多頭崩壊、虐待コレクターなどを回避するために、
かなり慎重にアンケートやヒアリングがあります。
また、活動存続のために、飼育費用や医療費のご負担のお願いがあります。
※詳細は各団体で異なりますので、事前にご確認ください。
※保護猫団体を騙る悪質な詐欺もあるようなので充分にご注意ください。
どうか素敵な出会いがひとつでも多くありますように。
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