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アカデミー映画博物館にいってきました!

4ヶ月間、投稿をサボっていたのにも一応理由がある。働き盛りのOLだから仕事の方が忙しくなって、余裕がなくなったという情けない理由。。。

しかし、頑張っていたのは神様も見ていたのだろう。6月末にLAへの出張が決まった!現地での会議は月曜日からだったから、週末のうちに早く着ければちょっとした観光の時間も確保できそう。となると問題は、限られた時間の中でどこに行くか。

ハリウッドのウォーク・オブ・フェイム、チャイニーズシアター、ワーナー・ブラザーズのスタジオツアー、『ラ・ラ・ランド』のロケ地としても有名なグリフィス天文台。映画好きにとっては時間がいくらあっても足りないほど激アツな観光地がたくさんあるLAだけれど、わたしの中での本命はただひとつだった。

アカデミー映画博物館

アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが作った、映画ファンにとって新たな聖地となるであろうこの博物館。まだコロナ禍の2021年9月のオープン時から、アカデミーのインスタグラムの投稿を眺め続け、憧れを募らせていたわたしは、このためだけでいいから、いつかLAに行きたいとずっと思っていたのである。

LAに行くのにここに行かないなんていう選択肢、ある!? (いや、ない)

というめちゃくちゃなマインドでどうにか調整し、夢の場所に行くことができたので、今回は体験記を残したいと思う。

「いつか行くからネタバレしたくない!」という方に先にお伝えしておくと、常設展とされているStories of Cinemaの展示の中身もオープン当初チェックしていたものとは変わっていたので、おそらくどの作品にフォーカスするかは少しずつ変えている模様。以下の体験記はすべての展示について言及するわけではないので、参考程度に見ていただけたら嬉しい。

voodoo girl's 偏愛紀行

オンラインで購入したチケットの予約時間を過ぎて到着したため、ちょっぴりドキドキしながら受付するところから始まった聖地訪問の旅。問題なく受付が済みほっと胸を撫で下ろしたところ、着けてもらったリストバンドにはぐるっと一周オスカー像の柄が!!気持ちは安堵から一気に興奮状態へと切り替わり、意気揚々とStories of Cinemaの経路に向かって歩を進めた。

最初にお出迎えしてくれたのは、大きなミレニアム・ファルコンの模型。ここでは、『スター・ウォーズ』シリーズの大見せ場である宇宙での戦闘シーンを撮影可能にした技術について学ぶことができる。1970年代にあの臨場感を演出できたのはこのシステムのおかげなんだ!オズの魔法使いが実はふつうの人間で、その魔法が"装置"によるものだと分かったとしても、むしろその"装置"を生み出すまでの製作者たちの努力や熱意、知恵の結集を想像するとかえって感動してしまうのはわたしだけではないだろう。

ミレニアム・ファルコンと撮影装置

そして、進んでいった先に待ち受けるのは、本物のオスカー像に囲まれたゴージャスな空間(この空間の美しさは写真ではとても伝え切れないので、写真は割愛)。神聖な気分を味わいつつ、アカデミー賞の歴史を振り返ることができる展示は、この博物館の醍醐味と言える。

さて、ここから先はさらにマニアックな展示になってくるので、特にわたしの琴線に触れた部分だけ紹介する。

まず、The Art of Moviemakingの展示が『ゴッドファーザー』一色になっていたこと。嬉し過ぎて、動揺。ダイアン・キートンが着用した結婚式シーンの衣装や、印象的な蜂の巣シーンの準備の様子を収めた写真、”あの”イタリアンレストランのネオンサイン、3作目製作時と思われる華麗なるコッポラ家の家族写真、などなど、とにかく素晴らしい展示ばかり。刺激的すぎるので写真は掲載しないけれど、リハーサルで使用したとされる馬の首のレプリカも展示されており、本番ではそのレプリカではなくホンモノの生首が使われたとの説明書きが。。。きっと俳優さんも本気のスクリームだったのでしょう。

華麗なるコッポラ家

メイクアップとヘアスタイリングの展示も私得だった。というのも、そこで流されている映像がティム・バートン作品に関わったアーティストのインタビューで、実際に、ビートルジュースのウィッグや、シザーハンズがカットした近所のおばさんのウィッグなども見ることができたのである。お金がたくさんあったわけではなかったけれど、制約の中で工夫を凝らすのが楽しかったというコメントを聴いて、そのクリエイティビティとプロ意識に心の中で脱帽した。

ティム・バートン作品の愉快なウィッグたち

アニメーションの展示でもまたまた私得だったのは、『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』のストップモーション撮影で使ったお家のセットが見られたこと。まさにこのセットで、人が、人形を少しずつ動かすことで、あんなにも生き生きとしたアニメーションを作ったなんて。。。その偉業を改めて噛み締めた。セットの近くには、本作のキャラクターたちの人形と、ディズニー版『ピノキオ』のキャラクターたちの人形が、それぞれ対応した形で左右対称に並べられており、オタクのツボを押さえた激アツ展示を考えた人にも心から感謝したいと思った。

左右対称に並べられた新旧のキャラクターたち

Stories of Cinemaの最後の大見せ場であり、映画製作で使われたあらゆる装飾品やコスチューム、美術が展示された空間は、圧巻の一言だった。H.R.ギーガーがデザインした『エイリアン』のゼノモーフ、頭の部分だけこんなに間近に見られるなんて贅沢すぎる。『シェイプ・オブ・ウォーター』のクリーチャーだけ、ライトの演出で水中を佇んでいるように見せているのも、果たして何人が気がついただろう?というくらい些細なことだけれど、ファンとしてはとても嬉しかった。他にも、『スター・ウォーズ エピソード8/最後のジェダイ』に登場する鳥のような生物ポーグは雄と雌が揃って並んでいたり、『インターステラー』のロボットTARSは今にも動き出しそうな体勢で静止していたり、訪れる人によって惹かれる部分は違うのだろうけど、映画好き(特にSF好き)にとってはたまらなく幸せな空間であること間違いない。

言葉にならない、、、

Stories of Cinemaが終わった後も、LAが映画製作の中心地となるまでの歴史に関する展示(小規模だけどとてもおすすめ!)やハリウッドサインがギリギリ見える展望デッキ、充実しすぎなお土産ショップでたっぷり時間を費やし、あっという間に3時間が経過。もっとじっくり見たかったくらいなので、5時間くらい覚悟していくと後悔なく見尽くせるかも。ちなみにお土産の中でも大収穫だったのは、アカデミー賞授賞式のヴィンテージポスター。受賞作品への思い入れ、ではなく圧倒的なデザイン性で2000年のポスターを購入した。大きさ的にスーツケースに収まらず、帰りの飛行機含め、終始筒をチラ見せしながら移動したのもいい思い出。

さて、長々と体験記を書いてみたのだけれど、一番お伝えしたいのは、アカデミー映画博物館はやはり素晴らしかったということ!そして、何度でも行きたい場所だということ!!映画愛だけでなく、製作に関わるあらゆる仕事へのリスペクトを深めることができるこの場所を全力でおすすめしたい。

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