宿儺は御三家相伝の術式を知らない?御三家の歴史と宿儺の反応に矛盾があった!
長い歴史の中で御三家として呪術界の頂点に君臨する五条家、加茂家、禪院家。これら名家は強力な術式を次代へ相伝させることでその権威を現代まで保ってきた。
今回は、そんな相伝の術式と宿儺に注目し、御三家の歴史と宿儺の反応からある矛盾について考察する。
| 御三家の歴史は1000年以上 |
御三家の歴史について、公式ファンブックに以下のような記載がある。
このことから "御三家は少なくとも1000年前には存在していた" ということがわかる。
同時に、御三家は相伝の術式を1000年以上前から有していたとも言え、それらを駆使して呪術界を牽引していたと考えられる。
| 宿儺は1000年以上前の呪術師 |
非常に歴史が深い御三家に対して、宿儺の歴史にも注目したい。
五条「実在した人間だよ 1000年以上前の話だけどね」
第3話で五条が宿儺について説明する際の発言だが、このことから"宿儺は1000年以上前に存在していた術師" であることがわかる。
"1000年以上前から台頭する御三家" と "1000年以上前に存在した宿儺"、この"以上"という言葉がその時期に若干の曖昧さを生むが、両者は同じ時代に存在したのではないだろうか。
「呪術全盛の時代 術師が総力をあげて彼に挑み続けた」という発言にもあるが、やはりキーワードは "呪術全盛の時代" だろう。
御三家が台頭したのが "呪術全盛の平安時代" であることから、"呪術全盛の平安時代に宿儺を討つため、御三家が中心となり術師が総力をあげて挑み続けた" と考えられる。
| 宿儺は御三家の術式を知らない? |
そんな両者が時代を超え、現代で再度相まみえる。
第146話現在で御三家相伝の術式を持つ術師と宿儺が戦ったのは2度、そのいずれも術式を見た宿儺の反応に違和感がある。
① 第2話 五条悟vs宿儺
虎杖が宿儺を受肉した直後、五条は虎杖に宿儺と代わるよう指示する。その後一戦交えるのだがこのシーンに違和感がある。
先制攻撃を仕掛ける宿儺に対しカウンターを決めた五条に「おそろしく速い?違うな」と発言しており、このことから″宿儺は無下限呪術を知らない″と思われる。
さらにその後の攻撃では勝ち誇った笑みを浮かべるが、宿儺ほどの術師が無下限呪術と知った上でこの程度の攻撃が致命傷になるとは思うはずがない。
このことからも、″宿儺は五条家相伝の術式である無下限呪術を知らない″ と考えられる。
② 第9話 伏黒恵vs宿儺
さらに分かりやすいのは伏黒恵戦である。
この戦いで宿儺に対して初めて十種影法術を行使したのだが、それを見た宿儺は「影を媒体にしてるのか」と発言している。
相伝の術式を複数取り込んできた禪院家といえどそこには優劣があり、現在判明している投射呪法と比較しても術式の格では格段に上。禪院家最高位の術式は十種影法術と考えて間違いないだろう。
未だ赤血操術についてはこのような描写がないが、御三家相伝の術式のうち少なくとも2つを宿儺は知らなかった。
そこに物語の時系列における大きな矛盾点がある。
| 宿儺が相伝の術式を知らない理由 |
では、この矛盾が生じた理由は何なのだろうか。
① 宿儺が強すぎて眼中になかった
まずは、宿儺が強すぎた説である。
公式ファンブックの「宿儺はもっと天災に近いもの」という記載からも、宿儺が人間離れした圧倒的な強さを持っていたことが分かる。
しかし、五条と戦った際の「いつの時代でもやっかいなものだな 呪術師は」というセリフからも、″宿儺が強すぎたために他の術式に興味がなかった″ と考えるのは難しいように思う。
② 相伝の術式が替わった
次は、相伝の術式が時代を経て替わった説である。
その最たる例は禪院家である。優秀な術式を一族に取り込み続けることでその絶対的な地位を維持してきた禪院家には、相伝の術式が複数あるとされている。
では、五条家はどうだろうか。無下限呪術が存在した最も古い記録は ″およそ400年前の禪院家との御前試合″ に留まり、1000年前に無下限呪術が存在していた証拠はない。
さらに1000年前と現代ではその術式も変化してきてると言える。
現在確認されている術式としては、宿儺の解や捌、天元の不死の術式、裏梅の氷凝呪法、来栖華の術式消滅の術式などがあり、いずれも強力、そして現代では未だ確認されていないものばかりである。
このことから、術式は自体を経て変化しており、それに伴って相伝の術式も変化してきたのではないだろうか。
禪院直畏人のように相伝の術式をブラッシュアップさせその性質を変えてきた可能性、五条家の祖である菅原道真の術式がそもそも無下限呪術ではなかった可能性。
判断材料が少ないのが現状だが、この ″矛盾″ は今後の物語において大きな意味を持つと予想する。
ー 玉ねぎ火山 ー
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