海外で活躍するアスリートから学ぶ語学学習のヒント

本日は祝日編で、海外で活躍するアスリートから、グローバルコミュニケーション、語学学習のヒントについて考えたいと思います。

このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。

カズ、ヒデ、イチロー 海外組アスリートは皆さん外国語が堪能…その秘訣とは?

YouTubeのお薦め動画で三浦カズ選手の過去のイタリア語インタビューの動画をたまたま見ました。90年代前半当時セリエAへの参戦していた時期ですね。今は海外組も多いですが当時日本人サッカー選手のセリエA挑戦組はすごいことでした。その後の中田ヒデ選手も流暢なイタリア語を話していたのがかっこよく感じられたものでした。

今では海外で活躍する選手も多く外国語が流暢な選手も多いですよね。

パッと思いつくところでも、先ずは英語が上手だな~と思う選手は、
・テニスの錦織選手
・ゴルフの宮里選手
・イチロー選手等
・レーシングドライバーの佐藤琢磨選手など、これらの選手は私の知人の外国人も絶賛するほどです。


英語以外の言語では私が分かる範囲では、スペイン語では、サッカーの久保選手、あとボクシングの亀田和毅選手。
その他にも、卓球の福原選手の中国語、サッカー長谷部選手のドイツ語、元サッカー日本代表GK川島選手は7か国語取得したというので驚きです。

何故、彼らは外国語が上手なのでしょう。
一流のスポーツ選手と外国語習得には秘密があるのでしょうか?

実は最近後輩から相談を受けました。仕事で外国人と英語でやり取りをしなければならなくなり、慌ててTOEICを勉強しはじめたがなかなか上手くいかないというのです。
彼のように仕事で外国語をある程度習得する必要のでてきたビジネスパーソンにとって、スポーツ選手から学ぶことはあるのでしょうか。

ダルビッシュ選手本人が語る 英語力を急成長させた方法

スポーツ選手の語学習得について、メジャーリーガーのダルビッシュ有選手が自身のYouTubeで語っていました。

英語が流暢なイメージもありますが、実は英語が苦手だったのだそうです。実際、2012年メジャー渡米時以降日常生活にも通訳さんを頼っていたのだとか。その後2017年以降は通訳に頼る頻度が減り今ではリハビリやトレーニングもひとりで不自由ないレベルだそうです。

彼の英語の上達は最近だと言えます。その急成長の秘密について、ダルビッシュ選手は勉強無しで話せるようになったと語っています。正確には、勉強無しというのは、英会話学校等の座学のことを差すようで、実際に「文法は全く完ぺきではない」そうです。

それでもチームメイトと不自由なく会話ができるようになった背景には、意識して行動したことがあるようです。

それはとにかく英語を使う。聞いた言葉をとにかく使ってみる。喋ることでインプットとアウトプットを同時に行うわけですが、特にアウトプットを重視して話すということを心掛けたそうです。次第に、音やタイミング、テンポに慣れてくるそで、周囲の人とのコミュニケーションには英語学校の教室よりもその効果の高さを話していました。

確かに、週に何度か英会話教室にいくよりも留学等で現地に行って日常から話すような環境に身を置いたほうが上達が早いと言われますよね。
ダルビッシュ選手の英語上達のカギは、「アウトプットを心がけ~とにかく話す・試す」ということのようです。

さて、このダルビッシュ選手の話で思いだしたのですが、英語をスキルとして捉えた時4つの要素「読む・書く・聞く・話す」がありますが、日本人は英語の読み書きは得意と言われています。

そして反対に「聞くこと・話すこと」が苦手だとも言われています。ご自身思い当たるところありませんでしょうか。ビジネスパーソンでもメールでの外国語コミュニケーションは得意でも、電話で話すとどうも苦手という人多い気がします。

ではアナタの外国語学習にとって今本当に必要な要素はどれになりますでしょうか?
例えばスポーツやビジネスのコミュニケーションでは圧倒的にこの「聞く・話す」が重視されることが多いのではないでしょうか。
少なくとも「読み・書き」がある程度できるという自信があるのでは、伸ばすべき要素はそこではないということになりますね。

冒頭にご紹介した後輩の例では、彼が必要なのは「聞く・話す」そして彼が勉強しているTOEICは主に「読み書き」のテストですのでミスマッチングとなってそうですね。

英語が苦手、勉強しても上達しないという方は、目的に応じた必要な努力になっていない可能性もあるのではないでしょうか。

Voicyの番組「それでも地球は回っている」のニック大西さん、ビジネス英語の著書がある方ですが、日本の社会特にビジネスにおいてTOEIC至上主義とも言えるほどに重視されている状況に疑問をもっていらっしゃるそうです。

英語が上達すれば全ての問題が解決するその考え自体が正しくなく、そしてその上達の手段は必ずしもTOEICのスコアを伸ばすことだけではないいことは私も納得するところがあります。

川崎宗則選手と出川哲朗さんもお手本?日本人のコミュニケーション

スポーツ選手と英語というテーマでは、以前目にした記事が思い出されました。錦織圭選手の記者会見が海外メディアに不評というようなものでした。

同じ日に同じ会場で行われた大坂なおみ選手の会見の後、錦織選手に変わると記者の数が減るというのです。退出した記者の中には「錦織選手は、プレーは面白いが話はそうじゃない」というのを理由に挙げていたそうです。その記事は現在削除され、概要のみネット上に残っていた。

錦織選手の英語の上手さはお伝えしたとおりですし、別の外国人記者の中には錦織選手の英語には日本人らしい誠実さが感じられるという好意的な意見もあるようです。

もしそれでも本当に会見が面白くないという評価であるなら、それは彼の日本人らしい生真面目さからくるのかもしれません。
日本語での会見では、社会人らしいといいますか、彼は真面目で丁寧ですよね。公の場で礼儀正しく話そうとする姿勢が、素直な発言の大坂なおみ選手と対照的に捉えられたのかもしれません。海外でメディア受けするのはどちらかというと大阪選手のような人なのです。

錦織選手についてではなく一般的な日本人の例として見ても、多くの日本人が公の場ではちゃんとしないといけないと真面目に捉えることが海外では聞き手にとってむしろ反対の印象につながることがあるのです。特に外国語ですと、難しいですよね。英語でスピーチ、緊張しますよね。どうしますか。言わないといけないことをメモに書いてそれを読む…やりがちかもしれませんが、恐らく一番やっちゃいけないことかもしれません。

用意したメッセージを読み上げることは、コミュニケーションとはみなされない時があります。スピーチを行うひとは、聴衆と向き合い、雰囲気に合わせた話が求められるのです。例えば、自分より前に話した人の内容や、その日のその場の話題も盛り込むなんてことができるとより聴衆と一体化できる。日本語でも難しそうですが。

また、プレゼンの後の質疑応答が大事で、むしろそっちがメインとされるくらいです。準備してきたことを準備したとおり話すだけでは評価はなかなか厳しいものになります。

私自身の経験でも海外で外国人の聴衆100人の前でスピーチをする機会があったことがあります。その時当時の外国人上司には少なくとも一度は会場を笑わせろという無茶ぶりがきて汗が出たことがありました。

反対に外国人に好評なのはメジャーで活躍した川崎宗則選手です。インタビュー動画などご覧になられたことはありますでしょうか?川関選手のスピーチ、正直英語だけをみるとガタガタです。でもご本人はお構いなしに大声でカタカナ英語で堂々と語ります。そして会場のファン、インタビューのメディア、チームメイトに大うけ、当時の日本人メジャーリーガーの中で現地で最も愛されている選手と言われていました。

ほとんど英語がダメでそれを隠すことなく堂々と大声で喋る姿が愛される。

思い出すのはタレントの出川哲朗さん。「出川イングリッシュ」という言葉ご存じでしょうか。テレビ番組の企画で、ほとんど英語が話せない出川さんが、海外でお題に答えるため道行く現地の外国人に話しかけ答えを見つけるというものです。

ご存知ですよね。

彼の凄いのは、堂々と見知らぬ外国人に声をかけ、足を止めさせ、新保王強く自分の言葉に耳を傾けさせることができるそのコミュニケーション能力です。

そしてなんだかんだで、答えに結構辿り着くのです。伝える姿勢と熱意、自分の持てる全てのリソースを使うこと。頭の中にある単語、身振り、表情、総動員して答えに辿り着く。我々ビジネスパーソンやアスリートに必要なのは、キレイな英語を話す鵜スキルよりもこのコミュニケーション能力なのではないでしょうか。

Voicy たいろーのユニコーン転職ラジオ たいろーさんに学ぶメタスキル

グローバル化により外国語特に英語は必要とされるビジネススキルのひとつと言われて久しいですが、これについてVoicy「たいろーのユニコーン転職ラジオ」のたいろーさんが興味深いお話をされていました。

「11/12 スキルより大事なメタスキル」という回です。
メタスキルというのは、たいろーさんなりの定義では「必要と言われる様々なスキルを選別・取得・編集」する技術とのことです。

世の中にはビジネスパーソンに必要とされるスキルって沢山ありますが、それら全てを身に着ける時間もお金も無いので、自分のキャリアにとって優先順位の高いものを見極める必要がありますね。

たいろーさんの場合、かつて「英語」「プログラミング」という2つのスキルの取得が必要だと思った段階では、プログラミングを優先させたそうです。
それは
・当時取得している人が少なく、市場で希少性があったということと、
・プログラムを取得すると海外のエンジニアと話す時に英語が必要となる。英語を使わざるを得ない状況に身を置くためにまずはプログラミングを優先させたそうです。

この目的のために英語を使わざるを得ない状況に身を置くというのは海外で活躍するスポーツ選手の状況と同じですよね。
因みに、たいろーさんのこのメタスキルの回では、英語の4つの要素「読み書き聞く話す」についても触れられていてたいろーさんの考えは参考になりますのでチェックしてみてください。

Tips 外国語は目標達成のための手段だと再認識しよう

今回は主に海外で活躍するスポーツ選手から外国語習得のヒントについてみていきました。ダルビッシュ選手や川崎宗則選手の姿勢から学べるところはあったのではと思います。

Tipsとしてまとめますと、
・まずは「メタスキルを鍛えることで外国語というひとつのスキル取得の正しい位置づけを行う」こと、
・そしてそのスキルすなわち手段である「外国語」それを用いて成遂げたいゴールを明確に持つということです。

そうすることで、外国語取得の4つの要素「読み書き聞く話す」のうちフォーカスを当てるべきものがクリアになってきます。あとは、ダルビッシュ選手や川崎選手のように自分の言葉を獲得しながらアウトプットを意識して繰り返していく。

スポーツ選手は競技で勝ちたい、上達したい、成長したいという目的が明確です。そのために必要なのがコーチやチームメイトとのコミュニケーションであり、それを実現させるための一つの手段が外国語というスキルなのです。

この考え方は、我々ビジネスパーソンの仕事においても同じですよね。何の為に外国語を習得する必要があるのか、自身の今のスキルレベル、求められているレベル、読み書き聞く話すのうちどの要素が必要なのか。

年末が近いのでゴール設定を含めて考えてみるにはよい時期かもしれませんね。

このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。
是非音声でもお聴きいただき、フォローボタン、Twitterへのシェアもよろしくおねがいします。
フォローをしていただけると、このチャンネルの最新の放送を受け取れたり、あなたに合ったチャンネルがおすすめされます。

また、「Voicyとはなにか?」「フォローの仕方」などはこちらにまとめておりますので、合わせてご確認ください。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集