カーリング美人女子チームから学ぶ令和コミュニケーション
さて、今日は冬も近づいてきましたので、冬季ならではの種目、「カーリング」について取り上げたいと思います。カーリングといえば、2018年の平昌オリンピックでは、本橋麻里選手(通称 マリリン)率いる日本女子代表チーム(ロコ・ソラーレ北見)が銅メダルを獲得しましたよね。
彼女たちが試合中に使っていた「そだねー」という掛け声は注目を集め、その年の流行語大賞にもなりました。チーム全員美人揃いということで、メディアにもかなり取り上げられていましたので、ご存知な方も多いと思います。
このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。
平昌オリンピック銅メダル カーリング女子チームについて
この日本代表女子チームが銅メダルを取ることができた強さの秘密を皆さんご存知ですか?
当時、この女子チームの強さの秘密はメンバー同士の「コミュニケーション術」であるということは何度も報道されていました。
もちろん、どのスポーツにおいてもコミュニケーションは大事なのですが、調べていくうちにカーリングほど、ビジネスに近いスポーツはないのではないかと多々感じるところがありまして、今回とりあげさせていただきました。
ということで今日は、美人女子カーリングチームから学ぶ「今の時代に活かせるコミュニケーション術」について、2018年の東洋経済オンラインの記事と、カーリング日本代表の本橋麻里さんの著書「0から1を作る 地元で見つけた、世界での勝ち方」を用いながらお話していきます。
カーリングは世界で珍しい〇〇がない競技
さて、まずはカーリングのルールについて簡単にお話をします。
テレビでカーリングの試合をご覧になったことがある方もいらっしゃると思いますが、
重いストーンを氷上に描かれている的に向かって投げていきます。
・1チームが4人。
・ブラシで氷上をゴシゴシとこすって、そのストーンの速さや位置を調整し、中心に最終的に近いところにストーンを配置できたチームに得点が入るというものなんですね。
・これをそれぞれのチームが8投ずつ投げ、それを10回繰り返して1ゲームとなります。
・試合時間は二時間半。
動きは非常に限られる競技なのですが、別名「氷上のチェス」とも言われるカーリング、戦略の重要度が高く、非常に頭を使うんですね。そしてこのカーリングがビジネスに近いスポーツだと思った理由が2点あります。
1点目は、審判がいない競技であること、もう1点は、時間がタイトなスポーツであることです。
まず1点目の、カーリングは世界でも珍しい審判のいない競技であること、皆さんご存知でしたでしょうか。
ストーンの位置を見て得点を決める細かいジャッジは、基本的にはプレーしている選手たち(8選手)が行います。何かあれば話し合いで解決するんですね。世界カーリング連盟が提唱しているカーリング文化というものは、全てのゲームは相手がいなくては成立しないし、そこには信頼関係やお互いへの尊敬、相手のプレーへの感謝などが存在するということが書かれてるんです。
本当に、非常に誇り高い振る舞いが求められる競技ということなんです。なので、試合後もどんなに嬉しくても悔しくても、まずは相手と笑顔で接する、そして互いのチームに控え選手、コーチに至るまで皆でその健闘を称え合い、声をかけ握手をするというのが、審判がいない中で試合を行っていく上でのカーリングの文化なんですね。
そして2点目の時間がタイトであること、
冒頭にも述べましたが、カーリングは1試合2時間30分、その中でストーンをなげる時間は38分と決まっているんですね。
そして前半の5エンドが終わった後に5分だけ休憩時間があるんですけれども、ここでカーリングの代名詞ともなった「もぐもぐタイム」が入ってくるんですね。
こちらテレビで見ているほうはあまり分からなかったのですが、あの時間は現場の選手にとっては実は思った以上に真剣な時間で、その5分間に、ミーティングもして、その2時間半の長い試合の中で栄養補給ができるのはあの時間だけ。
更に前半の競技終了すると同時に、時計がカウントダウンをし始めますので、五分間あるとはいえ、後半戦開始の一分前には競技の準備しないといけない。
そして差し引いていくと、実質のもぐもぐタイムは三分から三分半。
そしてその間に、コーチから後半の戦い方のポイントの話があったり、修正箇所の確認などがあったりするわけですよね。だから自然ともう食べながら、ウンウンとうなずいている、一生懸命もぐもぐしている姿というのが、注目されていたわけなんですけれども、非常にタイトな、カーリングの特性から生まれたもぐもぐタイムだったわけなんですよね。
で、このようにカーリングは、審判がいない点、そして時間がタイトな点で、常に客観的視点が必要であったり、緊張感の漂うスポーツだということが、お分かりいただけたのではないかなと思います。
そしてこの2点がカーリングビジネスに近いスポーツ、似ているスポーツで感じた点なんですね。そして、このビジネスに近い、似ているカーリングの競技中の選手同士のコミュニケーションこそが、日本代表女子チームの真の強さの秘密であり、本日のtipsに繋がっていきます。
ポイントは2つ、コミュニケーションの「深さ」と「短さ」です。
1投当たりの時間に換算すると、わずか30秒弱。そのため短い言葉で会話を交わしているのですが、短いからこそ互いに声を発し合うキャッチボールになりやすく、確認作業もスムーズなのです。
強さの秘密は、もぐもぐタイムだけじゃない!コミュニケーションの◯◯と◯◯を意識しよう
それでは、カーリング日本女子代表チームの、コミュニケーション術。まずは「深さ」についてお話をします。
そもそもこの女子チーム5人は、年齢も仕事もバラバラだったんでね。出身は5人中4人が北見市常呂町出身。
普通強いチームを作るとなると、強豪選手を集めて作っていくわけですが、当時、既に他のチームで活動をしている人を引き抜きをしたくないという麻里さんの希望もあって、皆所属のない全くフリーの選手だったわけです。そしてフリーの選手を集めてまさにゼロイチでチームを作っていくわけなんですけれども、ここで、チームリーダーの麻里さんが意識されたのが、コミュニケーションを「深く」とっていくことでした。
著書の中でもおっしゃっているのですが、強いチームをつくっていくには、壊してまた積み上げていくことが特に大事であると。
そのために、日々のミーティングは、相手をしっかり尊重し、どんなタイミングでも誰が何を言ってもいいようなミーティングを何度も重ねました。イメージは、カゴの中に思っていることをみんながぽんぽん投げ込んでいくようだったとおっしゃっているんですね。時には収拾がつかなくなって、リーダーとしてまとめていくのが本当に大変だったということなんですが、そこの一連の流れを全部含めて「コミュニケーションはデーターだ」と麻里さんはおっしゃっています。
だから、一見長いミーティングも何度も何度も繰り返していくことによって、厚みが増し、選手の「共通認識」が生まれていきます。さらに、カーリングに関係のないプライベートな部分、趣味、好きなもの、昨日どういうテレビを見たとかそういうことも含めて、相手をとことん知っていく。
そういう他愛もない情報も常に蓄積して、アップデートしていくことが大事。
まさに深いコミュニケーションだったわけです。
そしてこれが2つ目のポイントのコミュニケーションの「短さ」に無繋がっていくわけなんですけれども、先ほどのチャプターでも申し上げたのですが、カーリングは非常に時間がタイトなスポーツなんですね。
なので、先ほど申し上げたコミュニケーションの深さがあった上で、
「試合中に短時間でコミュニケーションを取るということ」が可能にになっていくわけなんですけれども、ここで、2018年3月の東洋経済オンラインの記事を引用させていただきます。
試合中に、選手たちが2回確認のやり取りをしてストーンを投げていたと書かれています。
たとえば、知那美さんが「(ブラシでストーンの置きたい場所を大まかに指して)ここに寄るだけでも悪くないし」と言ったとき、藤澤さんは「奥まで?」と細部まで確認。知那美さんが「そだねー。(ブラシで具体的に指して)ここまでかな」と返すと、藤澤さんは「うん」と言ってから初めて投げる
という会話の様子が、事細かに書かれているんでけれども、この1投ストーンを投げる間の時間は、わずか30秒なんですね。
なので、より早く、確実に言葉のキャッチボールを短い言葉でして、試合を進めていく必要があるわけなんです。
お仕事においても、日々の生活においてもなんですが、何かを確認するときは、つい長い言葉を使いがちではないですか?
そうすると会話のキャッチボールにならないんですよね。なので「あんなに言ったのに伝わっていなかった」とならないためには、短い言葉を発し合う形がスピーディで確実なのではとこちらの記事にも書かれています。
そして、このコミュニケーションの「深さ」と「短さ」を兼ね備えた日本代表チーム。
試合中はつねに頭を使う緊張感のある状況にもかかわらず、ずっと自然体でコミュニケーションできていたそうです。そのお陰からか、終盤8~10エンドで強さを発揮するシーンが目立ったんですね。
正直長時間の試合なので、後半疲れてくるんですけれども、そこでもコミュニケーションは自然なままで、最後に逆転勝ちをするというシーンがなんと オリンピック中でも3度もありました。
逆に、ストーンのショット成功率というのが出ているんですけれども、オリンピックに出場した10チーム中9位なんですよ。にも関わらず、銅メダルを獲得できたのは、カーリングの難易度の高い戦略を、他チーム以上に細かい確認作業を、短いコミュニケーションでを用いて、実行していたからなんですね。
ということで、日本代表女子チームの強さの秘密はコミュニケーションの「深さ」と「短さ」でした。それでは、今日のtipsです。
今日のtipsはオンラインコミュニケーションに使えます
今日のtipsはコミュニケーションを 深く短く意識してみようです。
そのままにはなりますが、今年は特にオンラインでコミュニケーションを取ることが増えてきたと思うんですね。
・ツールも、teams slack LINEWORKS
・会議も zoom skype Googleハングアウト
など、便利なんですが、今までと比べて発言がしにくかったり、雑談がしにくかったりするところが、オンラインコミュニケーションの問題点としてあると思うんですよね。
また、文章で確認するときも、どうしても長文になってしまう。それよりも、短い言葉でキャッチボールを意識したほうが確実なコミュニケーションになっていくのではないかという風に思います。
いかがでしたでしょうか?
私自身もオンラインツールがなかなかうまく使いこなせていないものもありまして、ただ日々の生活に不可欠になってきているものですから、使いこなして、コミュニケーションを上手くとっていきたいと思います。
また、年末にかけてお忙しくなってくる時期だからこそ、一つ一つの言葉やコミュニケーションを大切にして行きたいと思いますね。
このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。
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