Voices Vol.22 学校現場からの教員の声
プロフィール
教員歴5年(臨時1年+正規4年)
留学経験あり
学校にもやもやを抱える28歳
教員をしていて,今,感じていることを綴っていきます。
教員だから綴れる現実
まず結論として今の学校現場,公立学校は
限界がきているというのが正直なところです。
自分がそう感じる理由は大きく2つあります。
1 学校の業務はビルド&ビルド
2 時間外の勤務が当たり前
では詳しくみていきましょう。
忘れ去られた学校の定時
学校の定時は
8:15~16:45までの休憩含め,1日8時間労働に定められています。
その一方で,正規採用で定時に帰れる人は滅多にいません。
職員会議や校内研究などの諸会議自体も,通常営業で18時近くまでやっているときもあります。
ちなみに,会議のスタートは,15時45分からです。
何が言いたいかというと,それぐらい学校の業務ってたくさんあって,普通に定時じゃ終わらないんですよね。
だから当たり前のように勤務時間は長くなります。
朝も,8時15分に来る人はまずいなくて,
7時45分ぐらいから登校指導が入っていたり,
消毒のために玄関に立たなきゃいけなかったりという業務があります。
職員会議の資料に、普通に業務時間外の担当が書かれているって
コンプライアンス的にどうなんでしょう?
民間企業で働いたことないので分かりませんが,普通にアウトなんじゃないかなって思ったりします。
主な業務内容は以下の通りです。
・登校班の編成,指導
・保護者対応
・教室の設営(掲示物を貼ったり,机やいすの高さを整えたり)
・校務分掌の仕事
(体育主任:運動会,陸上記録会,休み時間の過ごし方,1校1実践の取り組みの運営)
(情報主任:パソコン関係の仕事すべて,新しく入れるパソコンやデジタル教材の全校分の設定など)
・学年の仕事:予算案,決算案の作成,学納金の処理,業者支払い,遠足の計画,学年だよりの作成など
・学級の仕事:学級だより,家庭訪問の計画,授業参観の準備,日々の授業準備,丸付け
思いつく限りでこれぐらいなので,まだまだ仕事はたくさんあります。
毎日,これらのすべてを行うわけではないですが,
単純にこれだけ膨大な仕事の量が定時で終わるわけがありません。
子どもたちは,8時前後に来て授業が6時間目まである時
(6年生はほぼ毎日)は16:00に帰ります。
定時まで45分しかありません。
この時間でこれだけの業務が終わるわけがないんです。
教員の慈善による残業,休日出勤で,なんとか,なんとか現場は回っています。
残業代
残業代に関してですが、
教員は教職調整手当が,毎月基本給の4%上乗せされるのみで 基本的に残業代としては一切出ません。
俗にいう定額働かせ放題 です。
今まででも手一杯なのに,今度は
・外国語の必修化,
・プログラミングの必修化,
・GIGAスクール構想による1人1台パソコンへの対応etc・・・
働き方改革とはまさに名ばかりで,かえって現場を苦しめています。
管理職は,職場の体制を変えることはしてくれません。
その一方で,働き方改革への取り組みを記述して提出しろ
とだけ言います。論理が破綻しています。
では,なぜ,それでも教員が持ちこたえているか・・・それは,
子どもを人質に取られているからです。
(あくまで私見)
子どものために,子どもが学びやすい環境を・・・
その想いは,教員になった誰もがもっています。
だから,なんとか「目の前の子どもたちのために」頑張っています。
ですがその代わり,自分の子どもとの時間を犠牲にしています。
子どもが好きで,教師になったのに,自分の子どもとかかわる時間は少ない・・・
こんな環境,制度が,長く続くわけがありません。
これが,私が公立学校業界は限界がきていると述べた理由の1つです。
子どもたちとかかわることが,成長を見届けることが好きで教師になる人がほとんどです。ただし,教員になっても実際に子どもたちとかかわる時間や子どものための授業準備時間はあまりとれません。(労働時間の中で)
これが学校現場の実態です。
以上,学校現場からの教員の声でした。
次回,不登校に対するジレンマについて書きます。
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