小説『共演者未満』
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劇場内から拍手がパラパラと聞こえる。
前説で冗談を交えつつ場を温める役目を果たした桜木さんが舞台袖へとはけていく。その姿を見送りながら、私は再度舞台の上に視線を戻す。
簡易的なセットだ。
ソファ、テーブル、棚。その上には仲睦まじく笑う中学生の写真が飾られている。まだ役者のいない舞台上を見るだけで、これから始まる物語の期待が高まる。
時計とマスクを外し、物語へ没頭する準備を始める。
13:00。
BGMが大きくなると同時に劇場内は段々暗くなっていく。音響と照明の静寂が、物語の始まりを連れてきた。
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