RE:じゃじゃ馬ボイトレ記録_01
JILLさんとの再会
2022年8月半ば…久しぶりにPersonz のJILLさんからLINEが届く。
「近々、レッスン受けられますでしょうか?自分でやってきたボイトレを調整したいなあと思います。」
パンデミックという妙な時を挟んでしまったら、それ以前はもう大昔のような、違う人生のような… 人との関わり方も関係性もリセットされてしまったような気分になることがあった方も少なくないと思います。
そんな中、JILLさんから久々にレッスンの依頼が来て、
『あ!ここはちゃんと繋がってる…。』と嬉しくなり、速攻で返信。
私:「やりましょう!」
最後にレッスンをさせていただいたのはおそらく2017年の年末。
4年強が経っていて、JILLさんの声がどうなっているのか、どういう練習をこの期間してきたのか、(あるいはしてこなかったのか?!)
お話を伺いながら声を聴きながら進めたレッスン。
JILLさんの声は安定していて、コントロールもとてもうまくいっていて、何しろ、以前より、身体が楽器としてしっかりと鳴っている!
『ちゃんとメインテナンスしてこられたんだなあ…尊敬しちゃう…』
と心で呟き、これからのメインテナンス、練習方法をお伝えして
とても清々しい気持ちでレッスンを終えました。
その後、軽く乾杯しながら、色々なお話をしました。
お会いできていなかった間のこと、出会った頃の話、
JILLさんのレッスンの思い出話…
そしてこのnoteというプラットフォームをお互い使っているって話とか。
私は自分の経験で学んだり感じた歌や声のことを書き始めていたところで、
メソッドをまとめていきたいと思っていたところでした。
JILLさんは、ご自分のボイトレの記録を書いていきたいと思われていたところでした。
おっ!
これは一緒に何かを記録していくことで、見えてくることがあるかも!
(⬆️ 今、ココデス!)
JILLさんとの出会い
2011年年末のある日、クリスマスライブのためのリハーサルをするため私は某スタジオに向かっていました。ドラムの鶴谷智生さんからJILLさんがレッスンを受けたいとおっしゃてることは聞いていました。
ひとまず顔合わせだけでも、とリハーサルスタジオで鶴谷さん立ち会いのもと、お会いすることになっていました。
「Personzといえば、私が高校生のころ、バンドブームの頃から活躍してる人たち、しかもなんだか硬派な感じのバンド(←私の当時の印象です)… 怖い人だったらどうしよう…」
今まであまりロック系のミュージシャンと触れ合うご縁がなかったので、ちょっとビビリながらスタジオに向かいました。
そして、初めまして、とご挨拶。
カラコンの奥の素直な目と柔らかな口調…
何を怖がってたのかしら…先入観は一気に消えて、この人を知りたい!と感じました。
いつも初めてレッスンを受けられる方にお会いするときは、
その方の「学びたい」という気持ちの扉が開いているか、などを直感的に
観察するのですが、JILLさんの場合は、なんというか、
『どうしたらいいかわからないからとりあえず、なんとかしてくれ!』
(あ、いえいえ、文字に起こすと乱暴な感じですが、乱暴さは1mmたりともございませんでした。)
ご自分の声との付き合い方、関係性において、
『風穴を開けて欲しい。』
というメッセージが聞こえるようでした。もしかしたら、これはJILLさんからのメッセージでもあり、JILLさんの声からのメッセージでもあったのかもしれません。
取り急ぎ、スケジュールを合わせて、翌年に一度レッスンをしてみる約束をして、JILLさんとの初対面の日を終えました。
JILLさん、じゃじゃ馬JILLと出会う
そして迎えたJILLさんとのお試しレッスン。
私の仕事はまず、
◉人の声と「こんにちは!」をして、
◉その声の持ち主の様子を観察すること
から始まります。
JILLさんがご自分の声をどのように扱ってきたかが、最初の15分くらいで見えてきました。
それは、JILLさんは長いキャリア、プロとしてガンガン歌ってきていて、歌に命を吹き込むことに情熱を注がれてきた。
でも、その情熱を音声化する(声にする)ということをあまりにも自然にやってきたため、歌ではない声自体に気を向けることがほとんどなかったんじゃないかな、ということでした。
そのため、曲ではない、単純に『ドレミファソファミレド』を声にする、
というような、スケール練習をするとなったと時、どうしてよいかわからなくなってしまう…
「え?これでいいの?どうなの?」
って様子でした。
そう、
JILLさんの声はまさに『じゃじゃ馬』だったのです。
JILLさんの情熱は『じゃじゃ馬=声』に乗って荒々しくたくましくも自由に駈けめぐる!それがJILLさんの歌の魅力なんだ…
それを私が手を出していいものか…
でも、声は肉体を通して生まれてきます。メインテナンスをしていなかったり、無理した使い方をしたら傷ついてしまう…
それは伝えなきゃな…
さらにはその声をJILLさんが自在に「コントロール」して
今までに体験したことのない声を出すようにガイドできたらなあ…
自問自答しながら伝えるべきことは伝えて過ごした1時間でした。
声を出すということ
初回のレッスンでJILLさんにお伝えしたこと、
JILLさんもnoteに書かれています。内容は以下の通り。
*呼吸法を見直す
歌うときの息の量を減らして息のスピードのコントロールをする。
*姿勢
声が生まれてくる道をイメージ、下腹部の安定。
*喉を安定させる
喉仏を音程の上下によって動かしたりしない。
いずれも歌う人へのアドバイスですが、この文章を読んで少しでも興味を持ってくださった方はぜひ、呼吸に意識を向けてみてください。
『吸っている』『吐いている』意識して呼吸をする時間を持つだけでも、声への意識も高まってくると思います。
そして姿勢も。いつもより少し背が高くなった気分になってみる…
胸を開いてみる…
それだけでも気分が良くなったりするものです。
Vocal Workout!
JILLさんとの再会きっかけで、往復書簡が始まり、皆さんと声についてお話していく機会ができました。なにか面白い方向に行けたらいいなと思っています。
JILLさんの書かれていた通り、声は健康のバロメーターの一つ。
それだけではなく、感情や思考もまるで鏡のように映し出してしまう力を持っています。
気持ちが落ちていれば、そんな熱量をもった声になってしまう…
でも声の使い方がわかってくると、元気な声をあえて出すことで感情を良い方向に高めていくこともできます。
たくさんの人と声のもつ力をシェアしたいと思っています。
お楽しみに!