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豚に真珠・猫に小判だった話
あの日、海外アーティストを空港で出迎えて、ホテルまで送り届けるのが、私のミッションだった。
今だったら、迎えに行く前にGoogle先生にささっと、そのアーティストの概要をきくことが可能だ。そんなことは朝飯前だ。空港に行くまでの時間で十分にできる。
代表曲やメンバーの顔と名前、最近の活動状況などの情報をキャッチできただろう。
でも、あの時代はそんな便利なものはなかった。・・・それは、言い訳だろうか。言い訳かもしれない。
ほぼ、なんの予備知識もないまま、迎えてしまった。
陽気な彼らは終始ご機嫌で、なんと移動の車中で1曲アカペラで歌ってくれたのだ。そう広くない車内に響きわたる彼らの歌声がお腹に、耳に振動を起こしながら響いてくる。エアギターにエアドラム。素敵なハーモニー。贅沢な1曲だけのコンサート。
聴衆は運転手さんと私だけ。夢のような時間だった。
もちろん、可能な限りの拍手とお礼は述べたけれども、私にできることはそれだけだった。そんな私に彼らは気を悪くすることもなく、長旅の疲れも見せずにホテルにチェックインしていった。
今になって、YouTubeやGoogleで調べて見た。その音楽イベントに参加した他のアーティスト名は覚えているのに、肝心の彼らの名前が思い出せない。検索にもひっかからない。
あの素敵な歌を歌ってくれた彼らはいったいだれだったのか。謎のままだ。
豚に真珠・猫に小判。あぁ。
最後までお読みいただきありがとうございます。
また、次のnoteでお会いしましょう。