投げ方、本気モード
豆まきは痛い
子どもたちが小さかった頃、豆まきは楽しい行事だった。
可愛かった。
各部屋を回って「鬼はそとー!福はうちー!」
「いいなぁ、ママはたくさん豆を食べられて」
「うーん、あんまりたくさん食べたくないけどね・・・」
小学生の中学年頃になって投げ方が本格的になった。
野球のピッチャーのようにオーバースローで投げられると鬼役の親は痛くて悲鳴をあげるようになり、楽しいはずの行事はいつの間にかやらなくなった。
次男は少年野球をやっていたし、ピッチャーもやっていたので、いちいち振りかぶって投げられると豆といえども本当に痛い。
しかも我が家は、夫も私も北海道出身なので、大豆ではなく落花生をまく。
想像してみてほしい。
一つかみの落花生がコントロールよく至近距離で投げつけられるのを。
運動神経は限りなくゼロに近い母が狙われ、フェイントをかけられ、逃げたつもりがまんまとやられる。イテテテ!
お遊戯会 -さるかに合戦ー
次男の幼稚園最後のお遊戯会は「さるかに合戦」だった。
お遊戯会の前にちょうど少年野球に入団した次男、週末は朝から日没までグランドにいる生活をしていたから、日に焼けて顔は黒かった。
そんな彼がゲットしたのは、さる役。
全身チョコレート色のタイツみたいなさるの衣装を身に着けて登場したときは、あまりの似合いように笑ってしまった。
さるが柿をめがけて石を投げつける場面が近づくと、私は嫌な予感がした。
次男の表情がいやーな感じになり、いじわるそうに口角の片方だけを上げ、
手には石に見立てたお手玉を持っていた。
高鳴る私の心臓。
次男の手の中にあるお手玉の石は、ポンポンとピッチャーが滑り止めの白い粉が入った袋をつかんでパフパフするかのように、空中に2度3度軽く放られ、また彼の手の中に納まった。
あ、と思ったときにはお手玉の石は柿のほうへ投げられていた。
いや、それ、お遊戯会のさるじゃないでしょ。
本気すぎる。
ストラックアウトという的当てでもするかのようなフォームだった。
はぁー。あぶない。
幼稚園のドッチボール大会
ボールを持つと本気モードになってしまう次男。
ドッチボールをやっている間は実に生き生きとしていた。
次男がボールを持つと相手チームは全力でさぁーっと後ろに引く。
そんな彼がボールを取り損ねてアウトになると、鬼の首を取ったように相手チームはぴょんぴょん跳ねて大喜び。
とにかく相手にけがをさせないでと思いながら見守る私。
どこからか、相手チームの子どものお父さんの声が聞こえてきた。
「あっちのチームは、小学生がまざってるな」
(「すみません」)声に出さずに謝る私。
この時期、スーパーで売り出される節分用の豆を見るたび、痛かった豆まきを思い出してしまいます。
見出し画像は、中目黒土産店さんからお借りしました。
ありがとうございます。
時系列ぐちゃぐちゃの記事に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
また次のnoteでお会いしましょう。