【動画🎓🎞️】インデックスファンドの銘柄入替、投資効率が高いとは言えない理由～『お金の教科書STEP5.0』5-7

2024年11月22日 10:30

2024年11月8日(金)にダウ30種工業平均(NYダウ)に1999年から組み入れされてきた米国半導体企業Intelが除外され、代わりに生成AIブームによって2024年6月に時価総額で一時首位となったNVIDIAが新たに加わりました。

かつてIT業界の巨人と呼ばれたIBMがコンピュータ開発における独占をせず、開発スケジュールに間に合わせるためにMicrosoftにOS(MS-DOS)を外注するなどして始まった「水平分業モデル」はCPUならIntelかAMD、OSならMicrosoftかApple Computer、ストレージ(HDD)なら東芝・サムスン…などのようにその市場を一握りの企業が独占する時代をもたらしました。

しかしNVIDIAやARMのような自社工場を持たず、設計だけにを行う企業ファブレスが現れると、生産を一手に引き受けるTSMCなどのファウンドリの生産能力が飛躍的に高まり、量産と微細化技術でもはや他の企業が同分野でおいそれとは追いつけないまでに技術の昇華が起こりました。

Intelは現在もPCのCPUでは世界的シェアを確保していますが、普及台数がより多いスマートフォンやタブレット端末、今後さらに普及が予測される電気自動車・自動運転車などの小型・省電力で処理能力が求められる分野においてはライバルのスマホ内のSoC*などを手掛けるクアルコムに買収される懸念も出てきています。

*System-on-a-chip…CPUやGPU、DRAMなどを一つのチップ上に予めまとめて積載するもの。

しかもIntel社は2023年1月から市場に投入したデスクトップ向けの第13世代2023年10月から投入した第14世代「Intel Core」シリーズで相次いで不具合が発覚。

原因究明に手間取り、信頼を損ねたことも大きな痛手となりました。

Intelは2005年当時のCEOだったポール・オッテリーニ氏がNVIDIAを200億㌦(2.3兆円)で買収すると取締役会に提案をしました。

当時のNVIDIAはグラフィックボード(GPU)を作っているIntelからすれば半導体市場の中でも動画編集やビデオゲームなどをする一部のユーザー向けで存在感も小さかく、また当時のIntelにとっても企業買収額としては過去最高額、買収による経営統合などの実績に乏しかった当時の取締役会はこれを否決しました。

しかしSONYのPlayStation、MicrosoftのX-BOXなどゲーム市場がその後急成長。更に近年の暗号通貨のマイニングや生成AIブームによってGPUの演算が21世紀の石油にも匹敵するとIntelが気づいた時には、既にNVIDIAの価値は手が届かないものになっていました。

現在のNVIDIAの時価総額は3兆4400億㌦(520兆円)でしたから、逃した魚はとてつもなく大きかったことになります。

パソコンのCPUで「Intel Insideインテル入ってる」のCMでパソコンの普及機にAMDと競って覇権を半世紀以上に渡って握ってきた半導体の雄が、米国株式市場を代表する大型株指標のNYダウから退場することは事態の変化を感じさせます。

日本版のCMの「インテル入ってる」のナレーションはショーン・K説とクリス・ペプラー説があったが…。

NYダウは30銘柄で構成される単純平均株価。小学校で学ぶ算数のアレ(平均)で算出されます。

※S&P500のような株式時価総額の比重を考慮せず、計算がとてもシンプルですが、数値の連続性を担保するために「除数」を用いています。

2000年以降の入れ替えだけみても、数年おきですが時期は決まってはいません。

NYダウの入れ替えは不定期に行われていますが、S&P500のように4四半期ごとのように決まっておらず市場の主要プレイヤーが変わったと判断されたときに行われます。

こうした状況を考慮するとフランスのエアバスに4年連続、2024年も負けが確定しているので実質5年連続で世界一の大型航空機の納入で後塵を拝することになるボーイングも、長引く労働組合ストライキなどの影響を受けて近い将来除外されるかもしれません。

NYダウに限らず、こうして株価や時価総額の低迷などによって構成銘柄が入れ替えとなる場合などインデックスファンドにとっては運用効率が決して良いとは言えない状況が生まれます。

インデックスファンドにおけるコスト以外でのアキレス腱ともいえるこの効率性の問題はどうして起こってしまうのでしょうか？

普段は殆ど意識することのない構成銘柄入れ替え、今回はNYダウを例に取り上げていますがS&P500でもNASDAQ100でも定期的な入れ替えが行われています。

こうした事から我々投資家は何を学び、考える必要があるのでしょうか？
今回は「インデックス運用」が必ずしも投資効率が高い訳ではないと言える理由を解説しています。

Membership

メンバーシップ「学習プランBASIC」は、お金について真剣に基礎からしっかり学びたい、学び直したい人のために週30分(最大)動画で学ぶ有料コンテンツです。

Udemy

STEP1

高校卒業までに学ぶお金と経済に関する基礎教養を、成人・社会人になってから学び直すオンライン学習コース(買い取り型)です。

毎週30分(最大)を目安に少しずつ…メンバーシップで配信していますが、一気に学びたい方はUdemyコースを活用下さい。

STEP2

STEP3

STEP4

STEP5.0(先行受講)

先取り受講をしたい方はコチラのコースから。

速習版2020(旧Ver)

また資産形成に欠かせない投資信託の基礎から選び方までを1日で速習するコースもあります。

STEP5

5-1

5-2

5-3

5-4

5-5

【5-6】

ここから先は

0字

この記事のみ ¥ 500

月4回(平均週1回)、最大30分程度の動画で解説しています。同セミナーをカリキュラムごとにまとめたものがUdemyでも公開中です。本マガジンはプチ解説(テキスト)を加えて提供しています。 Udemy講師レビュー4.51/5.00

お金の教科書STEP5.0

10,000円

資産形成における投資対象となるインデックスファンドとアクティブファンド。それぞれの誕生してきた歴史的な背景と違いについてSTEP5.5と…

ログイン

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか？