📧はじめてはいけないFXの罠と外貨預金がFX以下の金融商品である理由⑮(お金Lv.15)

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年始と比べると一時140円台に迫る急激な円安への警戒がやや緩やかになってきた夏ですが、米国FRBは利上げを止めたわけではありません。

現に8月下旬には直近1ヶ月の均衡を抜け出し、再び140円台を試しに行く展開が見られました。

中央銀行も夏季休暇サマーバケーションなだけだったと言えそうです。
休む時はきっちり休む、それが欧米人の働き方です。

日本では、大人になったら夏休みがない…なんて嘆いている人もいますが、日本は労働生産性が低く、人口減少社会。

労働市場から退職していく人たちの分を補うために、残された現役世代がより長く働かないと企業や社会の生産性が更に落ちてしまうためなかなか有給休暇を除いて長期休暇を取れません。

アメリカには日本のような法定上の有給休暇はありませんが、生産性が高い企業が経済をけん引しているため、こうした長期休暇を取っても日本人以上の賃金を確保できるんですよね。

日本の最大の課題は"子どもの教育"だけでなく、"大人の教育"ですが学ぶ気のない人はどんどん置いていかれる時代。

少子化・高齢化に頭を悩ませている国々は少子化対策だけでなく、限られた労働人口の学び直しリカレントに国費を投じて、コロナ禍では追加予算を投じて生産性の向上を飛躍的に達成させてきました。

他方、日本では労働生産性はマイナスとなり、いよいよ日本の"衰退"途上国としての先行きは黄色信号から赤信号へと向かっているのでしょうか。

凪なぎの状態が続くと、すっかり先日までの円安警戒が忘れがちですが、9月20日・21日にはFOMCが行われ、2か月分の雇用統計や経済動向を反映して継続利上げが行われる予定です。

2022年3月に始まった米国の利上げは、世界の主要国に対して米国が如何に強いかということを改めて感じさせることになりました。

しかし円安トレンドはこれで是正されるのでしょうか。

岸田政権の掲げる「資産所得倍増計画インベスト・イン・キシダ」ではNISA・つみたてNISA・iDeCoなどの税制優遇制度の拡充や恒久化が期待されています。

しかし個人的にはいつまでも成長しない人口減少社会の日本に見切りをつけて米国株・外貨などへ資金が流出する資金逃避マネーフライトが強烈に起きることを懸念しています。

円安、資源高…｢資産防衛｣必須の日本で｢外貨建て運用｣が合理的手段と言える理由。円売りはどこまで…

また経産省が2022年5月に公開した『未来人材ビジョン』では労働者への投資、教育、デジタル化が掲げられていますが、2050年の日本の生産年齢人口が2020年比で2/3という絶対数の減少こそ日本の最大の懸念だと考えています。

そうなると長期的には今以上に円を売ってドルを買う動きが加速。
"衰退"途上国である日本円の価値が相対的に下がる「円安」も加速。
長期的で頑強な円安トレンドの構築が加速する事を警戒しています。

多くの人がそんな事まで考えてかどうか知りませんが、急速に進む円安を目の当たりにし、まだまだ円安が進むだろうと考え、今のうちにドルを持っておけば儲かりそうだと投資素人までもが目の色を変えています。

よくわかっていないけど「預金」というなんだか身近そうに感じる名を冠する円預金より金利の高い外貨預金や、なんだか仕組みはよく分からないけど大きなリターンが期待できそうなFXなどに注目をし始めています。

毎度ですが、個人的には「どっちもやめておけ」と思っています。

個人的な失敗体験を書けば『レ・ミゼラブル』ばりの超長編になる危険性があるので、note.comの記事にはしないことにしています。(今は)

今回のメールマガジンでは、そもそも論として投資や資産形成に関心があるなら「知っていて当然」の事。

ちなみに外貨預金とFXを並べてどっちもやめておけと書くのは、後半でも触れますがFX(レバレッジ1倍)は課税ルールが異なる物の、細かなテクニカルな売買設定(IFD,OCO,IFOなど)を駆使できる外貨預金のようなものと認識をしている人が少なからずいるためです。

日本人の預金(貯金)に対する信頼感は狂信的とも言えるレベルですが、銀行はそんなに信用して良い金融機関ではないのはFP/IFA(FPA)の間では常識なのですが。

尚、レバレッジをかけたFXは論外です。そしてある意味で外貨預金はそれ以下です。

(FXの存在意義をほぼ全否定することになりますが)

本当にマジで、やめておけと思います。時間の無駄です。

FXをやるほど暇なら一時的な収益ではなく、定期的に入ってくる収入を増やすための本業の所得を増やす努力をしろと思います。

または門外漢で恐縮ですが、パチンコ・スロット、競馬や競輪・競艇・オートレースの方がギャンブルとしてまだマシというのが私の認識です。

面白いように時間が溶けて、ついでに7桁程度のお金も溶けていく魔法のような仕組みです。

尚、口座を開設して入金するだけで高額なキャッシュバック・キャンペーンが行われていることが常態化していますが、これは我々ボラれたカモから吸い上げたお金が原資ですよ。(個人的偏見)

FXはパチスロ以下、最低の投機である理由

私はFPとしてもIFAとしてもFXを決して人には勧めません。
FXは投資ではありません。ギャンブルです。

当然、資産防衛などにもなりません。
これを資産運用や資産形成などと一緒にしないでください。

しかし、よく分からないものが魅力的に観えてしまうどうしようもない人のために仕組みと怖さを紹介しておこうと思います。

(中高生がちょっと不良っぽい感じのに憧れるみたいな人向けの警告です)

FXはシンガポールが金融立国に発展する過程で誕生した金融商品取引の一つで、外国為替証拠金取引Foreign Exchangeのことです。

FXの特徴はその名の通り"証拠金"を入れることで、テコの原理レバレッジで証拠金以上に大きな為替の売買トレードができる仕組みです。

このレバレッジ、またはテコの原理という魔法のような仕組みを私たちの身近な言葉に置き換えてもう一度解説しましょう。

(FX業者さんからすればふざけるなと言われるでしょうけれど)

仮の話ですが、あなたが銀行に行ってお金を借りようとします。
貯金もない人に銀行はお金を貸すでしょうか？

あなた「貯金100万円ならありますよ」
銀行「ではそれを担保に1,000万円までなら貸しますよ。」

(レバレッジ10倍の場合)

証拠金とは借入の担保であり、実際の取引はレバレッジをかけた方で行われます。

(通常の借入は収入審査や信用情報の照会などがありますが)

あなたの売買の思惑が的中して利益が出たら利益はあなたのものです。

為替相場とレバレッジ、どれくらいの証拠金を入れているか次第ですが、100万円くらいは場合によっては数秒の世界です。

100万円で1,000万円の取引をして仮に利益確定して1,100万円になれば、増えた100万円はあなたのものです。

凄いですよね?
でもいい時ばかりとは限りませんよね？←ここ重要。

どんなものにも良い面だけでなく、悪い面があります。

もしあなたの思惑と為替の推移が外れてしまった場合、仮に1,000万円の取引で保有している外貨の評価が900万円*になってしまいました。

業者はノーリスクでトレーダーから徴収できるまさに「敗者のゲーム」…

はい、あっという間にあなたの100万円が溶けて消えました。

そしてFX業者は100万円没収して儲かりました(* ´艸｀)ｸｽｸｽ

あなたは売却もしていないのに担保としている証拠金で強制決済(清算)されるロスカットと呼ばれる仕組みがFXにはあります。

*証拠金維持率100％未満がロスカットラインの場合。
FX業者によっては60％まで、30%までなど違いがある。

しかも2000年代にはFX業者が乱立し、"不正な値動き"などで
ロスカットなどの損失を被るトレーダーもいた。
現在も海外FX業者の場合には不正や詐欺が横行している。

このロスカットを回避するためには、証拠金を更に積んでロスカットライン以上の証拠金維持率の水準以上まで持っていかないといけません。

追証は当日か翌営業日までに支払うのが一般的。

つまり没収されなくなっても良いお金の範囲が突如としてランダムに変動する事もあるレバレッジを自己判断で設定して投資をしなくてはいけないというハイリスク・ハイリターンの"高度な"金融商品取引がFXです。

*高度とはリスクが小さくリターンが大きくて素晴らしいという意味などでなく、難易度ベリーハードの"初心者殺し"の複雑で困難、熟練者でも難しいという意味。

パチンコやスロットは自分で機械に入れたお金の中でしかお金を失いませんので、自分である程度の支出のコントロールが出来ます。(射幸心をあおられると難しい依存症に陥るだろうが)

しかしFXは証拠金として入れたお金以上の借金を背負うリスクがあります。こんなア○な仕組みはありません。

その他、買いと売りどちらのポジションからも取引が出来たり、スワップポイントがついたり、条件付き取引が設定できるなどかなりテクニカルなのも特徴だったりしますが割愛。絶対やるなよ！

私が2000年代にFXにドハマりしていた時代(レバレッジ最大400倍*)と打って変わって、近年はかなり規制がされ個人取引では最大25倍となりましたが、それでも投資したお金以上のリスク(追証おいしょう)を投資家が背負う仕組みは全面的に有資格者*に限定するべきだと思います。

*デリバティブ取引などに関する証券外務員1種か、それに準じる先物取引等に関する専門資格試験(現在は存在しない)

イメージは海王拳○○○倍のような感じ借金して投資をするという
絶対やってはいけないパターン私はビビりなので
○○○倍までしかやったことがないが…

*100万円で4億円の取引が可能。10万円で4,000万円の投資ができるので一獲千金を夢見たカモネギたちが夢中になった。

あとロスカットは"損失拡大防止システム"とか呼ばれていますが、逆でこれのせいで死んだトレーダーは枚挙に暇がありません。

何故ならFXをやるようなトレーダーは金が余り余っていて、24時間相場の急変などに対応できるようなヒマを持て余している人たちか。

金がないのにレバレッジで一獲千金を夢見ている地に足のつかないバ○か、無知な○モか、それらの違いさえ理解できず自分はまともと勘違いしているいずれかです。

どんなに長期トレンドで読んでいても、目先の綱引きによる為替変動でその基準ロスカットラインを一瞬でも超えればアボンです。

(だったらレバレッジ下げるか、証拠金を詰めという話ですがレバレッジは麻薬と一緒なので一度上げてウマ味をしったら多くの人は戻れません)

尚、実際にロスカットが実施され証拠金以上の損失が出た場合には追加証拠金(追証)を支払う必要があり、この影響で…。

あの頃は、よく朝の電車*が止まりました。( ；―＿―)遠い目

BNPパリバ・ショック、サブプライムローン問題、リーマン・ショック、AIGショック、ギリシア・ショックなんてのもありましたね。

*NYマーケットが現地時間17時(日本時間7時)にクローズすると損失が確定し、日本の通勤時間に電車に飛び込む人が続出した時代がかつてあった。

自分が入れたお金以上に投資ができるとは利点であると同時に、証拠金を担保とした借金をして投資をしているのです。

もし実際の銀行に融資の相談に行って利用目的を「FXで一獲千金を狙うからお金を貸してほしい」と言ったら摘み出されて塩を撒かれるのがオチです。

そうした実態をFX業者は口座開設時などに自分たちに都合の良い言い回しで婉曲的オブラートに包んでに説明をしているわけですが、投資家自身が本当に正しく理解しているのかと言えばメリットについては理解している物の、リスクについては十分理解していない人が殆どでしょう。

アメリカで2020年6月、ネット証券ロビンフットでの取引によってリスクを正しく理解しない若い投資家がゲーム感覚で取引をして莫大な損失を出し自殺をするという居た堪れない事件が発生しました。
(これは株の空売りだが仕組みは似たようなもの)

FXや空売りを導入した国でたびたび起きている過去の教訓から金融機関も規制を検討する当局も営利主義で、都合よく自己責任論を唱え学んでいない悲しい出来事です。

ロビンフッドを提訴、自殺した20歳トレーダーの両親－損失巡り誤解

低レバレッジだから良い(当時も低レバレッジは選べました)、スプレットが当時より狭くなった…関係ありません。

FXは為替を使った丁半博打か、テクニカル分析を画面に張り付いてできる暇人か、お金が余ってカジノで遊べない人のためのギャンブルです。

また麻薬と一緒なので、賢い人は危うきに近づかないのが良いでしょう。

為替取引は24時間、世界中の市場を時計回りに回りながら続くが
NY市場が最も活発なため日本だと夜中の取引になりがち。

一般の人が口座を開設して簡単に始められるような金融商品として認めちゃいけないレベルのものというのが私のFXについての認識です。

外貨預金は預金だから安心の嘘*

ここまで読んでFXがク○なのはわかった。
(私がFX嫌いなことを含めて)

でも外貨預金・外貨定期預金は預金だし、いいんじゃないの？と思ったあなた！

外貨預金を何のためにするのでしょうか？

もし昨今の様々な商品・サービス価格の値上げを観て「資産防衛」などと覚えたての言葉を使いたいだけであれば、それは危険かもしれません。

まずそもそも外貨(例えば米ドルや豪ドル・ユーロなど)は「通貨」ではありますが、「資産」ではありません。

資産とは資産形成の世界において、"将来的にキャッシュフローを生み出すもの"です。

つまり株式や債券、または投資信託などは資産と呼べますが、通貨は資産たり得ません。

また投資の世界に"資産分散"という考え方はありますが、"通貨分散"という考え方は適切ではありません。

日本から観れば世界中に様々な国、通貨があると感じるでしょうけれどシンプルです。

日本国内(JPY)か、海外(USD)かだけです。

これは前半で触れたFXでも共通して言えることですが、世界の通貨(貨幣)は米ドルを基軸通貨としており、日本円から観た場合のユーロや英ポンド、スイスフラン、オーストラリアの豪ドルなどは以下のように分類されます。

お金の基本から経済、そして投資まで基礎を一通り教えてくれる
「投資信託の教科書セミナー」より

世界人口80億人時代に日本人は1.2億人ほどしかおらず、日本円からユーロや豪ドルなど現地通貨に両替する人は非常に少数派です。

一方で世界中で最も多くの人が貿易やビジネスなどの決済で使用しているのは米ドルです。

そこで米ドルを基軸として、他の通貨に両替をしたい場合には米ドルにいったん両替してユーロや豪ドルなどに両替する仕組みを「クロス円」と呼びます。

円とドルの関係は「ドル・ストレート」と呼びます。

こうすることで両替頻度の少ない為替コストの高い通貨に直接両替よりも、世界中の人が利用している米ドルに両替をし、米ドルから現地通貨へ両替する方が双方にとって利用者も多く両替コストも安くなるというWin-Winな仕組みです。

たとえば米ドルへの両替コストが0.01円、ユーロへの両替コストが0.30円(米ドルへの両替コスト含む)だとします。

値動きに対して差分が両替コストの実態であると考えることができます。

テレビなどで為替に幅が設けられているのはBid/Askの売買価格を表している。
銀行では売値をTTS、買値をTTBと呼ぶ。業種が異なるので呼び方も異なる。
Telegraphic Transfer Middle(Buying/Selling) rate

尚、金融機関によっても為替コストは異なります。
TTM(仲値)で観ても、TTB(買値)、TTS(売値)ではスプレット差が開くことはよくあるという事も含めて理解してやっと、通貨に対して車で言えば初めて仮免試験に突破したといえるレベルです。

Bidは売る時の価格、Askは買う時の価格。
FX業者は本質的に絶対損をしない仕組みになっている。
(投資家は大儲けするか大損するかのゼロサムゲーム)

日々、為替レートを眺めていると基本的には2国間通貨の合算コストであるの幅で値動きをしていることを目の当たりにします。

これは特にユーロ/ドル間での値動きがないが、ドル円で値動きがあった場合に起きます。

つまり外貨について米ドルの保有を考える場合でも、世界最大の基軸通貨である米ドルと円だけをみるのではなく、最低でも世界第二位のユーロとのユーロEUR/米ドルUSDレート、更にユーロ/円も併せてみなければ為替を観ているとは呼べないのです。

そしてこの仕組みを理解していると通貨分散というのは実は殆ど効果が乏しく、各国の通貨はつながっているため連動してしまいます。

詳しくは前回のメールマガジン「通貨と為替②〜炭鉱のカナリア」で触れた通り、
固定相場制・変動相場制の仕組みによって結果的に影響を受けるのです。

なので何らかの理由で敢えてどうしても分散したいという場合には、米ドルと豪ドルのようにアメリカがロシアと戦争を始めても、間違ってもミサイルが飛んで来そうにないオーストラリアの通貨を持つこと等は目的(理由)が明確であればアリです。

しかし欧米のようなロシアから攻められでもしたら再び戦火となるユーロを低金利情勢・高齢化突入目前の中で保有することの必然性はかなり低く、シンガポールドルや香港ドルのような地域決済通貨ローカルカレンシーを持つことは現地へ旅行や留学・ビジネスや移住をするなどの人以外はほぼ無用です。

世界の歴史を理解していればヨーロッパの西欧中心主義が世界の分断の遠因であり、
火薬庫であることは小学生でも理解している。
二度の世界大戦とウクライナ危機も全てこの場所から始まっている。

ここで通貨の金利が高いからトルコリラや南米通貨などに手を出すのは高金利通貨が何故高金利なのかのリスク/リターンの関係をどうしても理解できない人たちか、ギャンブラーだけです。

通貨を分散することは、悲しいかな。

資産形成・資産運用におけるポートフォリオやアセットアロケーションになりません。

そもそも為替は二国間の綱引きによって需給の釣り合いが取れたところがレートになります。

通常は、お互いが引っ張り合っているためどちらかの通貨が一方的に売られたり買われたりすることはありません。

つまり何が言いたいのかと言えば通貨の仕組みと目的を正しく理解して定めていないと外貨預金・外貨定期預金で資産防衛として目的を果たすことさえ出来ないのです。

何故なら外貨預金・外貨定期預金とは外国通貨で、お金を使う直前のお金の状態だからです。

◯◯と◯◯を知れば、やる価値がない

ここからは外貨預金を中心に特に気を付けておかなければいけないことをざっと紹介します。

FX取引による利益は申告分離課税で、20.315%が"課税"されます。

外貨預金、外貨定期預金も"預金扱い"なので"利息"には申告分離課税20.315％の課税がされます。

つまり株式等の譲渡益(売買益)と同じ課税ルールが適用されます。

また"預金扱い"なので、利率は預入時・満期更改時に決定され随時見直し(更改)がされます。

円の定期預金は途中解約をしても普通預金金利が適用になるだけですが、上図のように外貨定期預金の場合には途中解約ができないなど異なるルールが銀行によっては定められている場合があります。

「預金」だからとラベルで考えずに内容をきちんと自分の頭で考え理解する必要があります。

第二に、外貨預金・外貨定期預金の為替変動(外貨→円に両替)によって得られた"為替差益"は金利とは別に、
雑所得(総合課税)なので他の所得(給与・年金等)と"合算"して税金が取られます。

為替変動で仮に1㌦=140円の時にドルに両替をしておいてこんな時が来るのかどうかわかりませんが、1㌦=200円の時に日本円に戻そうとします。

いくらを両替しようと考えているのか知りませんが、仮に1㌦=140円の100万円を両替しておくと、

1,000,000÷140円＝7,142.85㌦

これを1㌦=200円の時に戻すので…

7,142．85㌦×200円=1,428,570円

140円→200円で42.85％も単純計算上は増えることになりますが、この為替差益は所得と合算されるのを金額によっては忘れてはいけないでしょう。

米ドルを売って利益確定！為替差益に税金はかかる？外貨預金の確定申告を解説米ドルを売り利益確定！でも為替差益は課税対象？外貨預金の確定申告を解説 | KaikeiZine｜“会計人”のための税金・会計専門メディア

この場合に特に厄介なのはそして扶養に入っている家族(例えば学生や専業主婦の配偶者)や個人事業主や年金受給者の場合です。

翌年の年金・健康保険料・介護保険料などの社会保険料負担にも影響します。

(為替差益を含むその他所得が該当年で20万円以下の給与所得者、東京都23区の場合で扶養される人が他の所得と合わせて45万円未満の場合は住民税も対象とならない)

またもし年金受給者の場合には病院窓口の自己負担・高額療養費対象範囲、介護保険の自己負担割合にも影響します。

(現役世代も高額療養費の対象区分にも影響するケースもある)

更に他に所得のない扶養家族がこれをやって一定額(年48万円以上)の差益を得た場合には扶養から外れるという負担も発生します。

これの厄介なところは前年のたまたま為替で得た収益にも関わらず、翌年のどうなっているか分からない状況でも容赦なく住民税や健康保険料が収益のあった年の金額を基準として請求が来ることです。

自治体は地方創生の一環として健康保険料・介護保険料と共に住民税の強制徴収権を有しており、家庭裁判所の審理・判決を通さずに住民の預貯金・保険契約を金融機関に直接差し押さえ、督促通知後に強制的に解約してこの支払いに充てることが出来ます。

銀行預金だけでなく解約返戻金のある資産性保険等も差し押さえの対象となる。

尚、給与*以外の"他の所得"が年通算で20万円以下の場合には住民税(約10%)のみとなります。(つまり10%は徴収されることが確定、逃れられない。)

"他の所得"とはブックオフやメルカリ、フリーマーケットなど個人で売ったりした副収入やYouTubeなどの配信等で得た広告収入、パパママ活などで得た収入などを含みます。

(確定申告するべき人がしないと悪質な脱税として追徴課税15%/20％や悪質な場合には重加算税35％/40％が課せられる。どんなサラ金よりも重い税率)

*1か所から受け取っている給与2,000万円以下の場合

そのほかのご留意点：社会保険料や扶養者の税金への影響について | 学ぶ・セミナー | 大和証券

このように給与所得か個人事業主かによっても税負担が異なる大変不公平かつ複雑な課税ルールとなっていて、決して出来心で片手間で始めて良い仕組みではないのです。

また普段は特に意識することは少ないと思いますが、外貨預金・外貨定期預金は銀行が破綻時に1人1行につき1,000万円までの"預金保険制度(ペイオフ)の対象"になりません。

ここまで"預金扱い"と言いながら、預金とは万が一の際の保証のルールが異なるというフェイク…

外貨"預金"・外貨定期"預金"と名前には預金とついていますが、日本円での預金と扱いが随分異なります。

またそもそも論ですが過去にも取り上げましたが、銀行でポスターを飾ってまで来店客にPRしたい商品にロクな商品は"１つも"ありません。

あなたではなく、銀行が儲かるから一生懸命に宣伝するのです。

広告費をかけてでも元が取れるくらい儲かるのです。
リスクを全て預金者に背負わせられ、手数料を稼いで儲かるのですから、銀行からしたらこんなに気軽に買ってもらえる商品はありません。

保険や投資信託のように説明に人件費もかかりません。

放っておいても皆さんが勝手に手数料をチャリンチャリン落としてくれる自動販売機のようなビジネスです。

そんな罠だらけの銀行の内実を包み隠さず糾弾した記事がコチラですので、カルガモさんと呼ばれたくない人は記事を購入して読んでいただければと思います。

そして外貨預金が証券投資と比較してオススメできないところですが、為替差損はその年の、その他の雑所得としか損益通算できないという点もあります。

尚、FXは2012年から確定申告をすることで損益通算が最大3年間できるようになった。私がリーマンショックを機にFXを引退してからという…本当にどうしようもない。

つまり投資家には増えたら課税、減ったら為替差損のリスクを背負わせていながら、救済措置も何もない上に通貨は"綱引き"であるために例えばドルから円に両替した際のタイミングによっては円安になるか、円高になるかの丁半博打になってしまうのです。