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トライアルレッスン報告

今回のトライアル受講生は、75歳女子。

声楽の経験はないけれど、シャンソンとカラオケは足かけ20年。他にテニス、社交ダンス、着付けなどのお習いごとを経験し、今はガーデニングに勤しんでおられる。3年前にご主人を亡くされた。その少し前に、ご本人も大きな手術を受けられている。お子さんから、「そろそろ何か始めたら」とせかされ、知り合いの知り合いから、私を紹介されたそうだ。本当は7月にいらっしゃる予定だったのだけれど、コロナでお教室を休みにしていたので、だいぶお待たせしてしまった。

話を伺うに、私はこの方を、主婦のプロだと感じた。主婦には私のように兼業の方も多いと思うけれど、専業でプロ。3人子育てをしてきた。その中で、お習いごとも続けられていた。このような方は、上手になるのが速いのだ。ちなみに写真のお花は、お庭で育てている花たちからお持ちくださった。

お辛かったこと。始めようにも始められなかった気持ち。これからのこと。あと20年どう生きようか。そして、ここで私と何がしたいか。

やはり電話ではよく理解できなかったのだけれど、会ってお話しすれば、いろいろな情報を受け取れる。

カラオケとシャンソン。。。トライアル後に、お断りすることも視野に入れていた。ただピアノ伴奏で歌いたい、とも話されていたので、そうなるとレッスンではなく伴奏ピアノのコースへ、と言うことになる。

でも、順を追って聞いていくと、彼女の願いは「まず、このハスキーをなんとかしたい」「舌っ足らずで聞き取りづらい声を直してみたい」「派手なことは好きじゃない」だった。

お引き受けすることにした。

まず、いつものように「声」が出るということについて、「姿勢」と「呼吸」との関係を話し、声を決めるものとしての条件があること、ハスキーとはどういう状態か、について話した。そこで1度歌っていただく。

では、今の「からだ」=「楽器」のグレードをちょっと上げちゃいましょう、なことをちょっとしていただき、もう一度歌っていただく。

流れとしては、これで終わり。シンプルである。

2度目に歌ったときには、もうご本人の顔が変わっている。ピカピカうれしそうに「私、気に入りました」とのことである。

ヴォーカルボディワーク。ご本人はまだ知らない言葉だけれど、これはこのように人をうれしくさせることができる。声とからだが繋がると、私が感想を訊かずとも、私の感想を言わずとも、歌ったからだが感じるのだ。

そしてこの方は、お習いごとや主婦業でからだを使ったの経験が豊かだから、変化に敏感なのである。今後、この力が本当に活かされてくるはずで、楽しみだ。

久しぶりにトライアルできて、私もとてもうれしかった。やっぱり、こうでなくっちゃね。


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