【事務職まで無理して業績目標設定しなくてもいいですよ、という話】
【事務職まで無理して業績目標設定しなくてもいいですよ、という話】
ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です
先日、商工会の工業部会で「人事評価制度の基本」というお話をさせていただきました時、
「事務職(経理や人事総務)の業績目標(=MBO)設定が難しい」
という質問をいただきました。
これは人事評価制度に関わる最大の「あるある質問」の1つと言っていいと思います。
結論から言うと以下の2つを知っていただきたいです。
(1) 期待している業務の「良し悪し」が「売上高」「利益額」「製造数」という数字化しやすい目標と、必ずしもリンクしない「人事」「経理」「営業事務」などの職種の業績目標の設定が難しいのは当たり前。
(2) すべての職種が同じ人事評価システムを導入する必要はなく、「事務系職種は業績目標を設定しない」という方法は全く問題ない
まず、この2つをお話しするだけで、
「えー!いいんですか!?」
「やっぱり、そうですよねー」
と「良かった〜」と言ってくださる方が、けっこういらっしゃいます。
私がよく例として出すのは、事務系の職種というのは「看護婦」のようなものですよ、と。
看護婦さんに
「何本の注射を打ったか?」
「何人の患者と対応したか?」
なんて言う業績目標を無理に与えて、看護婦さんが
「先生、1本でも多く注射打ちたいので、患者さんとの面談。早く終わらしてもらえませんか?」
とか言い出したら、患者は不安でたまらないですよね。
あらゆる仕事を数値目標を使って管理すると言うのは近代経営が求めるところかもしれないですが、これは明らかに無理があると思います。
人事評価制度で最も大事な事は
「会社が何を期待しているかが、一人一人にきちんと伝えられる」
ことであって、
「いかに数字化しやすい目標を与えるか」
ではありません。
無理にそれをやれば、本当は決まった定型業務を確実に行なってほしい人まで、メインではないが数字化しやすい仕事ばかり頑張ると言う
「本末転倒」
な話になりかねない、という意見については、頭の片隅に置いていただきたいなと思います。
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Email:toyoda@asiagatevn.com
(アジアゲートベトナム代表 豊田英司 )
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