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サタコレっ!(7)セガサターンソフト初購入
第2章 ④1996年 プレイステーション大躍進
1996年、プレイステーションユーザーは小躍りするように「ファイナルファンタジーⅦがプレステで出る!」と喜んでいた。
次世代機購入を様子見してた人たちが、次々とプレイステーションを買い始めた。
それほどまで、「ファイナルファンタジーの新作が遊べるゲームハード」という冠は大きいものだった。
“1996年のいつ発売するかわからないゲーム”に、多くのゲームファンが期待を寄せた。
最初のコマーシャルは、開発中のプログラム画面や3Dのキャラが少し映る程度なのだが、“これまでにないFF感”が醸し出されていた。
(結果的に1997年1月末にやっと発売された....1年くらい前からコマーシャルを流していたことになる)
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私は、個人的にはあまりスーパーファミコン時代と大きく変わらないほうがいいな...と思っていたのだが、プレイステーションで出すんだから大きな変化もやむを得ないだろうと諦め半分だった。
個人的には、
・自分視点で歩いて、ユラユラ揺れるタイプの移動だったらできないな....
・読み込みとか、長くならないといいな
・4人パーティーだよね?
・機械がメインの世界じゃなくて1〜5のようなファンタジーメインの世界線だといいな
という期待や不安を持った。
.....答え合わせは、そのうち。
ゲーム誌等で情報が出るたびに、期待よりも不安が増したのが、正直なところだった。
周囲の期待度があがるほど、自分の興味は薄れていく感覚だった。
天邪鬼である。
セガ好き、バーチャファイター好きのH君も、FFⅦ発売に向けてプレイステーションを入手した。(兄が買ったようだ)
H君はファイナルファンタジーシリーズを1から欠かさずプレーしてきたので、サターンを持っていてもプレイステーションは買う、という意気込みだった。
この例にもれず、FFⅦがプレイステーション購入の決定打になった人は多かったと思う。
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冒頭から『ファイナルファンタジーⅦ』のことばかり書いてしまったが、それほど「スクウェアのプレイステーション参入」が、次世代ゲーム機戦争、とりわけ「プレイステーションとセガサターンのシェア争い」に大きな影響を与えたのだった。
スクウェア参入をきっかけに、どんどんソフトメーカーがプレイステーションに参入した。
今でも続編が続くシリーズも、この頃いくつか生まれた。
「プレイステーションvsセガサターン」は決着した。
(この辺については今さら語っても仕方ないので、このへんでストップ。)
私は周囲のFFⅦ熱に押され、逆に冷めていたかもしれない。
ただ、
「『ファイナルファンタジーⅦ』がいつ発売されようが、買うのは大学受験終了後の1997年春。もちろん合格したら。」
と決めていたので、発売日がいつに決まろうが関係なかった。
推薦入試や就職等、早々と進路を決めた人は『FFⅦ』を遊んでいたようだが、
「『FFⅦ』を早くやりたい!やりたい!!」
となることはなかった。
むしろ
プレイステーションの方が劣勢のまま進み、知る人ぞ知るゲーム機になるかと思ったのに.....
なんかメジャーになりすぎちゃったな。
つーか、いつ発売するかわからんゲーム、どんだけ長くコマーシャルやってんのよ
と感じていた。
えげつない(申し訳ないけど表現がきついが...)プレイステーションの売り方に好感が持てなかった。1年も前にCM流すってさ...なんか...ねぇ。
(『トバルNo.1』に体験版を付けたのも、スルーした。)
何度も何度も発売延期を繰り返したドラゴンクエストⅤを思い出す。(あまり良い思い出がない。)
話は変わって、1996年に買ったゲームを。
プレイステーションで買ったソフトは、4月に出た『ときめきメモリアル プライベートコレクション』のみ。
受験生になったせいもあるが、これまで溜め込んだ『ときめきメモリアル』の知識を試したく、クイズも収録されているこのファンディスクとも言えるソフトを買った。
その程度。
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この頃、「新世紀エヴァンゲリオン」がブームだった。そちらに興味が向いていた。
1996年3月、アニメファンに衝撃の(賛否両論の)最終回を提供し、色々と謎のまま終了。
私の地域では、テレビ東京を放送するキー局は無い。
しかし、どこぞのアニメマニアがVHSビデオテープにエヴァンゲリオンを全話ダビングし、うちの高校のアニメファンに「このアニメは見るべき!」と布教しまくったのだ。
ダビングが繰り返され、私にも出所不明のビデオテープが回ってきた。
同じクラスのN君が「これを見ろ。見ないと損する。必ず見てくれ!」とわざわざ遠い席から持ってきて渡してきた。
私は高校2年から3年になるとき、選択科目の関係で、知ってる同級生がほとんどいないクラスに入ってしまった。
数少ない知り合いが、部活が同じN君だった。
余談。
私は誕生日も早く、イニシャルもA。
M-1グランプリ2024の令和ロマンのネタを借りて表現すれば
出席番号が最初の方、廊下側最前列(右角)の席で、廊下からの隙間風に耐え、何をするにも最初に指名され失敗を繰り返す役割
を小学1年生から高校3年生までの12年間。
自己紹介で、空気がわからず長く話した過去、本気で忘れたい。
最強の名字、「渡邉」に憧れた。
話を戻します....
2年→3年になり、周囲はすでに2年の頃から同じクラスの方々ばかりのようで、コミュニティが形成されていた中に、ポーンと放り込まれてしまう事態となった。
そんな中、遠くの席のN君がわざわざ「新世紀エヴァンゲリオン」のビデオを持ってきてくれたのだ。
見るしかない。
私はそこまでアニメファンじゃないんだけど、話題作り。
ということで、何回ダビングされたかわからないガビガビの映像になったエヴァンゲリオンのビデオを見る。
何これ⁉︎面白い‼︎綾波かわいい‼︎
見事にハマってしまい、5日ほどで「第拾伍話 嘘と沈黙」まで見た。
貸主のN君に「15話まで見たぞ〜、面白いね!戦闘に緊迫感があって、なんか今まで見たことのない感じ。」
と報告。
N君は「元々の映像が綺麗だから、本当はそこも楽しんでほしいんだけどね。まぁこんなビデオでも許せ。あ、あと、そこまでが前置きだから。これからが本番というか...まぁ見てみ。」と言い放つ。
え?こんなに楽しんだ今までが“前置き”??
さっさと続きを見るぞ!
ちょうど連休がきたので、残りを一気に見るか〜!
・・・
(え?参号機のパイロット....)
(使徒を食った⁉︎)
(え、加持さんどうなったの!?)
(使徒って何だったん?全部倒した先は...?)
(この最後2話、何⁉︎意味わからん!)
(おめでとう?? え?終わった(笑))
とりあえず全部見た。
衝撃だった。
週明けにN君に思ったままを伝えた。
「これで仲間入りだな」
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『残酷な天使のテーゼ』
見事にエヴァンゲリオンにハマってしまった。
考察本やシナリオ本、色々読んでしまった。
(受験生だぞ、お前)
というわけで、ゲームはさほどやらないかわりに、エヴァンゲリオンを何周も見てしまう生活に。
まさか、約25年も先まで楽しませてくれるアニメになるとは思いもしなかったよ。
どうしようもないほど、学業は低空飛行だった。
そういえば、私のnoteは「セガサターン収集記」だった。
7月、セガサターン収集人生に関して大きな出来事が起こる。
セガサターン版『ときめきメモリアル』が発売された。
「スペシャル版は特製バインダー付、パワーメモリー付」というものだった。
セガサターンは持っていなかったが、
『ときめきメモリアル』ファンなら、ゲームをせずともこのスペシャル版を入手すべき!
と考えた私は、迷わずセガサターン版『ときめきメモリアル』スペシャル版を買ったのだった。
記念すべき、セガサターンソフト初購入である。
もちろん定価(9800円、税抜)で。
システム面など細かな部分が改良され、「ときめきメモリアルの完成形」と評価する人もいる。
プレイする環境などなくても、持っていればいいのだ。なお、このソフトはどこの店でも売れ残ってて、あっという間に半額以下まで値崩れした。
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しかし、ここは生徒数の多い学校の強み。
クラスに「しばらくセガサターンやらないよ〜。」と言う人がいて、セガサターンを私にしばらく貸してくれることになった。
早速、全員攻略を目指し、やり込んだ。
....しつこいけど、受験生だぞ(笑)。
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