秦 河勝
?-647年頃(冠位:大仁?)
父:秦丹照? 秦国勝?(秦酒公から6代後裔)
秦氏は4世紀頃に秦国から百済を経由して日本に渡り帰化した弓月君を中心とする氏族。養蚕や土木技術などに秀で、秦酒公は第21代 織絹雄略天皇に禹都萬佐(うつまさ=太秦)の姓を賜った。
秦河勝は聖徳太子に仕え、四天王寺の建立や悲田院などの慈善事業に携わったと伝わる。丁未の乱では物部守屋との戦いに寄与し、聖徳太子に随行して山城国(京都)に拠点を築いた。
❶ 本拠地・太秦
広隆寺(京都市右京区太秦蜂岡町)
603年または622年、秦河勝創建の秦氏の氏寺。本尊は聖徳太子。
木嶋坐天照御魂神社(京都市右京区太秦森ケ東町)
蚕ノ社とも呼ばれる。
他、太秦には秦氏ゆかりの大酒神社がある。
❷ 酒造
松尾大社(京都市西京区嵐山宮町)
❸ 治水・土木
葛野大堰(京都市西京区嵐山中尾下町)
桂川流水域に居住した秦氏による堰。
❹ 伊奈利(稲荷)のはじまり
義照稲荷神社(京都市北区紫野北舟岡町)
秦氏の氏神として709年、船岡山に祀られた。現在は建勲神社の末社となっている。伏見稲荷大社の元宮ともいわれる(諸説あり)。
伏見稲荷大社(京都市伏見区深草藪之内町) 義照稲荷神社と同時代(和銅年間)に稲荷山の麓に創建。江戸時代に鳥居を奉納する慣習が生まれ、稲荷山の千本鳥居となった。
【関連の史跡】
❶ 四天王寺
(大阪府大阪市天王寺区四天王寺)
593年、聖徳太子創建と伝わる。境内には建築関係者に進行される番匠堂や、丁未の乱の相手方を祀る守屋祠などがある。
❷ 秦河勝墓所(伝)
生島(兵庫県赤穂市)
対岸に大避神社(兵庫県赤穂市坂越)がある。