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『正チャンの冒険』読者投稿欄のご紹介(7)

突然ですが、このたび、測ったように我らが『正チャンの冒険』をアニメ化した映像が発見されましたね。

奈良市内の自治体集会所で見つかったとのことで、当時、近所のわんぱくな奈良っこたちを集めて上映会等されたのでしょうか?というかその自治体集会所は100年前から現在も現存してるのですかね?建て替えられたのでしょうか?このタイミングで見つかることとなったきっかけってなんだったんでしょうか?もろもろ深掘りしたくなる点が満載ですが、いずれにしても、正チャンの冒険の書籍の発売に向け、大いに弾みがついたことは間違いがございません。

まんがの神様(手塚治虫先生その他の実在の人物ではなく、抽象的な概念としての存在を指しています)の悪戯心でしょうか。

さて前置きが長くなりましたが、今週も読者投稿欄いってみます。


朝日新聞 1924年4月5日朝刊

宅には子供が大勢居りまして毎朝毎朝正チャンを、それはそれは楽しみにして居ります、中でも十歳になる男の子が一番夢中で、目がさめるとふとんの中から飛び出し玄関へ新聞を見に行きます、そのうちにメモへ投書するのだと騒いで居りますが、ことに此頃ではリスを買って下さいとお父さんにお願いして居ります。先だっても十三になる姉と二人で昨年一月からのアサヒ・グラフを出して切りぬきそれを帳面に張ったようでしたしかし一月の分が揃わないと非常に残念がって居ります、近頃では毎日夕方になると正チャンを切り抜いて大切に仕舞って居ります、もしも今までのを御本にでもして下さったら子供達はどんなに喜ぶことでございましょう。

長文ですね。これまで一日分のメモ欄がお一方にジャックされることはほぼなかったように記憶してますが、かなり珍しいパターンだと思います。内容も、静かで丁寧な文章の中にも熱のこもった深い愛情が感じられます。

しかし当時リスって売ってたんですかね・・??

朝日新聞 1924年4月29日朝刊

正チャンお忙しい所すみませんが、あなたの始めからの冒険絵ばなしの本を出版してくださる訳には行きませんか、もしできるとすれば何時頃になるでしょう、私は最も親しい北海道のお姉さんにぜひ送るのです

左様のお尋ねが諸方からありますが、近くご希望に添うようにしたいと思って居ります(記者)

そうなんです!!お待たせしました!!お待たせしすぎたかもしれません(パクリ)。ついに近日!正チャンの冒険の連載全話を収録した書籍がHATUBAIになります!!!正式な発売日・仕様等のお知らせも、もう少しでできるようになると思いますので、今しばらくお待ちいただけますと!!!!

当時、切り抜いてホチキス等でとめたり、ノート等にはって自作の全集を作っているキッズたちも多かったようで、ネットのオークションサイト等でも、たま〜〜〜〜に見かけますね。私もコボちゃん(かりあげクンだったかもしれません。曖昧です。)の切り抜きをセッセとしていたので、すごく気持ちがわかります。

いま、わたくしどものX(旧:ツイッター)では、朝夕に正チャンの連載を掲載していますが、ひょっとするとそちらをプリントアウトの上、ホチキスどめされている方もいらっしゃるかもしれませんね。ありがとうございます。

なお宣伝にはなってしまいますが、今回の書籍は連載全話収録ということですので、もっか話題沸騰!奈良で発見されたアニメ(奈良フィルム)の元となった原作話も、当然のごとく収録されています!!お楽しみにどうぞ!!


続けます。

朝日新聞 1924年4月22日朝刊

なつかしい正チャンを活動写真で見ました、嬉しくって飛び立つような気がしました、あの線画は誰が書いたのですか?なかなか面白くて弟はまた見に行くと言っています、続々後のを見せて下さい

映画の話題が出てますね。こちらひょっとすると奈良フィルムと同じものでしょうか??私は市井のいち正チャンファンで、専門家ではないので詳しくはわかりませんが、大正という時代にも鑑みると、正チャンの映画はそこまで多種のものが作られたとも思われませんので、同じものかもしれませんね。間違っていたらすいません!!!だってブラック・○ャック創作秘話で手塚先生も一本の映画を作るのすごく大変そうだったんですもん!!

ちなみに真ん中の投稿でも正チャングッズに触れられていて、メディアミックスの広がりを感じさせます。

正チャン秋田市でも君は評判者ですよ、先日当市で名高い呉服屋の店頭に君とリスがテニスをやっている柄の太物が出ていました、またカフェーにもジグスと君の画が出ています、もうじき公園の桜が咲きます見においでなさい

「太物」というのは、絹ではなく、木綿や麻で作った織物(反物)で、庶民向けのもののことですね(調べました)。おそらく当時アーバンなシティ派スポーツであったろうテニスをしている柄の太物っていうのも、何か良いものですね。どのような方が身につけられたのでしょうか??実物の感じが非常に気になります。

朝日新聞 1924年5月11日朝刊

僕は叔父ちゃんに正チャンのレコードを買って頂きました、大阪行ですね、お二人の声は本当に良い声ですね、あの具合でもっと愉快なのを吹き込んで下さい

レコードまで!!奈良フィルムは無声だそうですが、レコードとなると声優さんの肉声でしょうから、また映画とは違った臨場感(正チャンの実在感)を感じることができたのではないでしょうか???声優オタクの私としてはどなたが吹き込まれたのか非常に気になります!!!!専業の声優さんではなく、あるいは役者さん等でしょうか???

なお、正チャンのメディアミックス展開については、こちらの記事にもまとまっていますので、併せてご確認いただきます様お願いいたします。