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八重桜Abs精油の2023年と2024年の違い




昨年から八重桜Abs精油の抽出(抽出自体は研究所にて)に取り組み始めたので、去年の反省を今年に。
今年の反省を来年に。
という感じで進んでいます。



抽出部位の違い

昨年は花の量が今年の1/6程度だったので、納品して頂いた八重桜の花を手仕事で花びらだけにして研究所に送りましたが、
ことしは6倍。
花びらだけにする作業は時間がかかり、また作業後に出来るだけ早く研究所へ送りたいため今年は花全体(小花柄含む)から抽出を。

溶剤が浸出しやすい様に花をバラバラにする作業の負担は変わりませんが、がくや小花柄を分けずに済むだけで作業が捗ります。

なので、抽出部位は同じ花ではあるものの厳密にいうと
2023年は 花びらのみ
2024年は 花全体
そうなると抽出されるAbs精油の香りや色・テクスチャーも変わってきます。





色とテクスチャー

2023年はアイボリーで常温で個体。
2024年は深いグリーンで常温で液体。

GC-MS分析を昨年はしていないので、今年との比較が出来ませんが、花ロウや脂肪酸成分の割合が多かったのではないかと思っています。(個人的推測)

今年は液体と言っても、重ためのテクスチャーなのでドロッパーでポトポト垂れてくる感じではなく、
また最近気温が下がり流動性が無くなってきているので、ローズ・オットーなどの様に気温によって変化するのではないかと思っています。
ちなみに。
今年はGC-MS分析をしましたが、様々な脂肪酸が含有する中でパルミチン酸が10%ちょっと。
深いグリーン色はガクや小花柄が含まれたからですね。

香り(官能とガスクロマトグラフィー定量分析)

去年と今年の八重桜Abs精油を嗅ぎ比べた方からの多くの方の感想が「今年の方が八重桜らしい香り」と言われ、
共通した感想では「優しい香り」との表現が多い気がします。

どちらも八重桜の香りは感じるものの、香りの印象が違うのは上記に記載した抽出部位の変化なのかと。


ガスクロマトグラフィー定量分析で含有の多い上位3つの成分は
2023年八重桜Abs精油
・シトロネロール 7.3%
・桂皮酸 6.3%
・バニリン 5.7%


2024年八重桜Abs精油
・酢酸ラバンデュリル 4.65%
・バニリン 4.32%
・テルピネン-4-オール 3.16%

桜の香りと言われる【クマリン】はどちらも同程度の割合。 
【ベンズアルデヒド】も多少の差はあるもののそこまで大きな開きはなく、
香りの印象の違いとしては、その他の成分構成の変化が大きいかと思います。


桜の香りとは

抽出に使用しているのは、桜の中でもどちらかと言うと香りの強い八重桜。
納品されたときはクマリンよりもフローラルの華やかな香りの方を感じます。
(クマリンと塩のアレロパシーについてはまたどこかで記載出来たらと)
でも多くの方が「桜の香り」として思い浮かべるのは、塩漬けにした桜。
塩漬けにされた桜の葉や花を食として触れる機会があるからなのかな?と個人的に思っています。

「桜の香り」
皆様はどんな香りを思い浮かべますか?



香りが嗅げる場所

当教室やイベント出店時の時に実際に2023年と2024年の八重桜Abs精油を嗅ぎ比べて頂くことが出来ます。

また表参道にあるAEAJグリーンテラスにも八重桜の香りを展示して頂いております。
(こちらは嗅ぎ比べが出来ないので予めご了承ください)

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