見出し画像

「LOOP THE LOOP」という物語と私の空腹について

突然ですが、ゲームはお好きですか?
ゲームと言ってもジャンルは様々ですよね。
RPG、アクション、シューティング、音ゲーetc……
私は正直細かいジャンル区分には明るくないんですが、基本その作品の中に物語性が無いと続かないタイプの人間です。コツコツ自分の村や家を作ることが主目的のゲームなんかだと、ものの5分で村から脱走してしまいます。絶対続きません。
幼児の時から、おかあさんといっしょ!は絶対に見なくて、何故か大人が見るようなドラマに食いつく子どもだったらしいです。そんなに早くから物語欲みたいなものがあったのか自分でも謎ですけど、物語に対する飢餓感みたいなものは今も持っています。
だからゲームも専らRPGしかやってこなかったみたいなところがあります。そもそもそんなにゲームをするタイプでもなくて、どちらかというと趣味は読書でした。でも大学に入って初めてスマホを買って、ゲームのアプリも色々あるんだなぁ〜なんて見てたら、馴染みのないジャンルのゲームに出会ったんです。ノベルゲームって言うんですけどね。

タイトルは『LOOP THE LOOP-飽食の館-』
ビジュアルノベルゲームを制作されているサークル、sweet ampoule様の作品です。
当時の感想としては、なんだか奇妙な読書体験をした気がする……何故か一気に読んでしまったけどなんだこれ……という、未知の読後感でした。

それから今日までこのゲームは、たまに思い出す、ずっと脳の端に引っ掛かっているような存在でした。内容はほぼ忘れてるけど、あんなゲームあったなぁ、みたいな。
だからたまたまXで続編新作が出ていると知ってびっくりしました。しかも10作品目??凄い。調べてみたら知らない間に小説化も漫画化も舞台化もしてる??えっまって置いてかないで。なんか知らんけど1作目から最新作まで1つのアプリに纏められてる??本編……無料……??(最大の謎)
取り敢えずダウンロードすっか!!が12月3日で、1週間ちょっとで全作読み切りました。

先に言っておくと、今めちゃくちゃ睡眠不足です。これからプレイされる方、明日休みって日に読み始めるのがいいと思います。おふとんに入った後、深夜にぶっ続けで読み切るのがおすすめです。というより多分途中で止まれなくなるので、どうせ深夜にぶっ続けで読むことになります。
なんでそうなるかというと、端的に言えば面白いからなんですが、面白いものを面白いという言葉だけで説明するのは古のヲタクとしての矜持に関わるので、もう少しお付き合い下さい。

その前に、私説明下手なので公式様HP貼っておきます。概要ストーリーをお読みください。あと、このnote読んでる間にダウンロード終わると思うのでお先にダウンロードもどうぞ↓(ヲタ特有の強要)


とりあえず書いてみたものの、以下やっぱりただのヲタク語りには違いないので、謎の先入観を植え付けられたくない方は読まずに今すぐゲームを楽しんでください。



・最初の違和感
これは私が一度プレイしたことがあったからこそなんですけど、話が進んで、見覚えのある登場人物たちが出てくるにつれ、なんか違和感があって。なんだろうと思ってたんですけど、声ですね。ボイス。私このキャラの声知ってるのになんでフルボイスじゃないんだろう現象が起こりました。プレイしたのが10年程前で、インパクトのあるシナリオだったっていう曖昧な記憶しかないと言っても、フルボイスで無料とか普通に考えたらありえないって分かるじゃないですか。でも私この子たちの声絶対に知ってるんですよ。多分くしゃみ聞いただけで誰のくしゃみか分かります。私のことが怖いですか?サイコホラーじゃないですよ。
でもこれって本読むのが好きな人だと分かってもらえる現象だと思ってます。読んでると勝手に脳内でボイスが付く現象。そういう作品の共通点って、キャラクターが作者様に愛され育まれてきたから、の一言に尽きると思ってます。心理描写が本当に細やかで、読み終わる頃には最初とっつきにくいなぁと思っていたキャラにも親近感が湧いてしまうくらい。大体ね、主人公と敵対してるキャラの心理描写まで掘り下げる作品は問答無用で良い作品って決まってるんです。私の中で。読み進めたら絶対あなたにも推しキャラができます。むしろ推せないキャラが居ない。キャラデザも可愛いし癖になる。ところでアニメ化はまだですか?

あとこれは既にプレイ済の方に聞いて欲しいだけなんですけど、作品の中でも特に好きな会話シーンがあって、9作目の歯車の島後半の、コタローとリョーガの因果応報云々の話。コタローのあの一連のセリフは絶対にコタローじゃないと出てこないってもう分かるんですよ。こんなセリフが出てくるまで、そんな深くまで掘り下げられてるんだって思うと感動すると同時にちょっとヒエッとなりました。あとコタローの成長にちょっと泣いた。そうです私の推しはコタローです。

・BGMとの相乗効果
楽しい場面、推理パート、緊迫したシーン……とにかくずっとBGMが良い。OPもEDも良い。世界観が合いすぎている。
奇妙な読書体験の、奇妙の部分の半分はBGMが担ってたんだなぁ、と気付きました。贅沢な読書だなぁ。
初めに深夜にプレイして欲しいって言ったのもこれが理由で、シナリオとBGMと夜の暗さが相まって、自分まで得体のしれないものと対峙させられているような恐怖を感じることができます。トイレに行けなくなります。楽しいですね!!!
クリア後特典でBGMが聞けるようになって、どれが1番好きかなぁって聞き返してみたんですけど、全部好きですね。これ本当に無料で良いんですか?
テーレーテーレーテレレレテーレー♪ずっと耳から離れなくて永遠に歌ってる。

・物語と空腹
これはどんな分野でも創作活動の楽しさを齧ったことがある人に共通すると思うんですけど、素晴らしい作品に出会った時、感動よりも先に嫉妬が来ることってありませんか。
LOOP THE LOOPシリーズは登場人物が多いお話ですがその分、章を経るごとにキャラクター同士が影響し合って関係性や思考が変化していく様がとても楽しいです。楽しいんですけど、突然思いもしなかった角度からプレイヤーの心を刺し殺しに来るところに惚れてしまいました。正直嫉妬する前に惚れてました。
何が言いたいかというと取り敢えずプレイして!少なくとも5作目の藝術家の庭までは読んでみてほしい!ということです。そこまで読んじゃったらあなたはLTLに絶対戻って来ることになります。その調子で楽しんでください。そのまま10作目まで読み終わったら今度は嫉妬を感動が踏み越えて清々しい読後感が待っています。……あと空腹です。これだけのボリューム読んでるのに全然飽食の気配がありません。
どうしよう、全部読み終わってしまいました……今まで黙っていましたが、私は物語が主食のけものなので、定期的に面白い物語をウマイしないとしんでしまいます……えっ、外伝なんてものがあるの?サイドストーリーも?ありがとうございます……取り敢えず次回作まで生きようと思います……

いいなと思ったら応援しよう!