育児ストレスを大幅に軽減する心理テクニック「セルフコンパッション」について学ぼう!#1
子育てなどのあらゆる場面で自分を責めていませんか?自分に厳しいことは一見美徳にも見えます。でも実はそのベースにあるものは恐怖や不安といったネガティブ感情なので、自分を責めれば責めるほどどんどんメンタルが悪化していき、理想の自分とはかけ離れていきます。
そんな辛い思いをせずに少しでも楽な子育てをするのに便利な心理テクニックが「セルフコンパッション」です。このシリーズでは少しずつ皆さんがセルフコンパッションを身につけられるように紐解いていければと思います!
1.セルフコンパッションってなんぞや?
セルフコンパッションとは、教育心理学で有名なクリスティン•ネフ博士が広めた考え方で、一言で言うと「友達に優しくするように自分にも優しさや理解を向けて受け入れよう!」というものです。日本語にするなら自己受容といったところですかね。
⚫︎セルフコンパッションの3要素
実はセルフコンパッションには決まった定義というものはないんだそうですが、提唱者のネフ博士曰く、
①自分への優しさ:他人を思いやるように自分に対しても優しく接する態度。
②一般的な人間性:人は周囲との関わりの中で生きているという事実の認識。
③マインドフルネス:思考にとらわれず目の前の現実に意識を向けること。
この3つが重要な要素となっているようです。
⚫︎セルフコンパッションのメリット〜親編〜
1.ストレス軽減
何といっても育児にはストレスがつきものですよね。子どもにキツくあたってしまった時に「こんなことを言うつもりはなかったのに…」と自分を責めてしまうこともあると思いますが、セルフコンパッションを持つことで完璧な親である必要はないんだと理解して、自分を責めすぎることなくストレスを軽減することができます。
2.レジリエンスの向上
レジリエンスとは、ストレスやトラブルなどの困難に上手く対処して立ち直る、精神的な回復力のことを指します。子育ての失敗や挫折を経験した際に「誰にだって間違いはあるさ」と事実を受け止めそれを乗り越えていくのが楽になるんですね。
3.自己改善の促進
セルフコンパッションは自己批判とは違い、建設的な自己改善を促します。そのためもっと良い親になろう!というモチベーションも高まりやすくなります。
4.幸福度の向上
自分に対して優しさを持てるようになるので、生活全体の幸福度が上がります。まず親自身が幸せになったほうが子どもを幸せに出来る可能性は高まりますからね。
⚫︎セルフコンパッションのメリット〜子ども編〜
1.良いロールモデルを得る
親がセルフコンパッションを実践することで、子どもも自分に優しくすることを学びます。「ママパパがそうしてるなら僕もそうしていいんだ!」となるわけですね。
2.安定した家庭環境
親のストレスが減るので必然的に家庭の雰囲気も良くなります。子どもにとっては心から安心できる天国のような環境になると思いますよ。
3.より良いコミュニケーション
親が自分に優しくできると、子どもに対しても優しく接することができます。怒鳴ったりすることなく穏やかに話せたほうが親も子も幸せですよね。
4.子どもの自尊心の向上
親が自分を受け入れている様子を見て、子どもも自分を受け入れやすくなります。これが子どもの自尊心を高める上で非常に重要なんですね。
5.失敗に対する健全な態度
親が失敗に恐れずチャレンジする姿を見せることで子どもも失敗を過度に恐れず新しいことに挑戦できるようになります。
ここまでメリットをお伝えしてきましたが、子育てで使う際には注意点もあります。セルフコンパッションと甘やかしを勘違いしてはダメよということです。例えば何か失敗しても、「まあいいか。」で終わらせては意味がなく、「失敗しても大丈夫。次はどうしたらいいだろう?」と前向きに考える姿勢が大事なんですね。
次回以降はセルフコンパッションを身につけるための具体的且つ簡単な方法をご紹介します。もちろん子育て以外にも仕事や人間関係など様々な場面で使えるテクニックなので、子育ての予定がない方もぜひチェックしてみてください!