『理系』のわたしがライター育成講座】/イベントレポを書く時に、忘れてはいけないこと3つ!!を学んだ講義が深かった
理系だけど、本を読むのが大好きです。そして、「作り手たちの表に出てこないことばを伝えることが出来たらステキだな」と思ったのと。女性誌みたいなコンテンツを作ってみたいと思って通った、さとゆみさんのライター育成講座(by Web)-いまだに掴めない、もどかし〜い、技法と考え方、体験について。
さとゆみ女性誌ライター講座とは
宣伝会議さん主催の女性誌をテーマに、ライターを育成する講座です。(講師のさとゆみさんは、#日本で唯一のヘアライターであり、フリーのブックライター。著書に『女は、髪と、生きていく』や『道を継ぐ』など。多方面に活躍中です)
半年間の講義の中で、すごくスゴ〜く濃ゆい体験をいくつもさせて頂きました。宿題に当てられた大量の赤ペンコメントを見返しながら、記憶の記録を辿ってみた。
●イベントに参加する!文字の向こう側の人へ伝える時に、注意すること。
1.ライターとして、体験型の仕事がもらえた場合。「なぜ、自分に来たのか」その価値を、依頼者に目に見える形に変え提供することが最低限の仕事のスタートライン。
2.相手の想いや、伝えたいことを正しく読み解く
強い言葉を、誤読されないこと
3.リアルに感じた場の臨場感や、ちょっとした温度の変化点を自分の感情フィルターを通して向こう側へ『伝える』こと
すっごい抽象的な書き方になってしまった…。
「で、具体的にどうやるの??」が毎回、実際の授業の答え合わせだった。
書くことに正解はない。
だけど『伝える意図』の正解はある。
書き方は、技術。気をつけるべきポイントがいくつもあるけれど。そこにライターが持つ独自のフィルターを通さなければいけない。その上で、相手に正しく伝わるように言葉をつなぐ。
『正しく』とは、インタビューイの考えを書き手の勝手な思い込みで曲げないこと。インタビューア(書き手)の意見を入れないこと。
完全に黒子役ということです。
ちなみに、やってはいけないNGポイント
▪︎あったことを時系列順に書き並べる
▪︎やったことや感じたことだけをただ、書き連ねていく
▪︎リズムがない、単調な文
▪︎オチがない、言いたいことがわからない文
▪上目線、下から目線の表現
書き手が『わたし』である意味は、わたしが会場で感じた臨場感や空気感を言葉に乗せて。読む人の目に、情景や状況が浮かぶように書くこと。
「文章の目的は、読んでくれた人に何か『想い』『行動』してもらうこと。体験レポなら、興味を持ってもらって調べてもらう、参加してもらうことがゴールです」
…と、いうことを念頭に置いて。
この時、体験させて頂いたイベントは『いっぺん死んでみる』
『いっぺん死んでみる』ワークショップ
講師は上原暢子(うえはらのぶこ)さん。呼吸器系内科医として、長年終末期の患者さんと、そのご家族の方々に日々向き合い続けている、お医者さまです。
多くの生死を目にしてきた暢子先生が想う、死生観から得られるモノと。残された家族に必要だと思うこと。
先生がなぜこのワークショップを仕事のかたわら、続けているのか??その想いを拾い、紙面載るようにデザインし2,000字の言葉に乗せることが、課題。
死ぬ思いをしたことがなければ…あなたは生死の境をさまよったことって、ありますか??あと何日で死ぬかもしれないと、宣告を受けたことはありますか??
わたしは、ないです。
もちろん、自動車事故や自転車で飛んだことなどは何度かあります。毎回ほぼ無傷なことに、感謝しなきゃです。
でも、自分の死を覚悟したことは今まで一度も、ない
何日後に死ぬなんて、宣告されたことはない。でも、今後あるかもしれないことではある。だから、いっぺん死んでみたら意外なことがわかりました。
ワークショップ:いっぺん死んでみる
生きる為に。後悔しない人生を歩むための道標として。「死生観をもっと身近に感じて欲しい」と、1人の呼吸器系内科医:上原暢子さんが主催している、ワークショップのwebショートバージョン講義に参加しました。
ホントに死ぬときに気付いてからでは、遅いこと。
『死ぬ』と分かっていたなら、どうでも良いこと。
『死ぬ』と分かっているから、今やるべきこと。
年齢に関係なく、誰にでも平等に訪れる終着点である『死』
気にしていなければ、時間は勝手に過ぎていき。道の終わりを迎える時に、きっと後悔してしまう。
多くの人が後悔すること
それは、やらなかったことへの後悔
伝えられなかった言葉への後悔
内科医歴25年 3女のママでもある暢子先生。多くの患者さんを看取り、そのご家族を支えてきた先生だからこそ、あふれる想いや、強い言葉がたくさんありました。
●死に方は、選べる。その意味をどう表すか
暢子先生は元気なわたしたちに問いかけます。「いつ、どんな場所で、どういう人たちに囲まれて、人生の最後を迎えたいですか?」と。
「ネガティブな印象のある死を、元気な時からカジュアルに友人たちと共有出来たら。大人だけではなく。小中学生のうちから共有して欲しい。
生きる楽しみや人生の目標は、死生観から見つけられる」
誰だって出来れば、『死』の瞬間は可能な限り先であってほしいし。
引き寄せたくないから、なんとなく口にしたくないと思うのが普通だと思ってた。おじいちゃんが亡くなった時も。おばさんが亡くなった時も。悲しさだけが残っただけで「いつかは自分も死ぬんだ」ってわかっていても。死から目標を見出したことなんて、なかった。
●いっぺん、死んでみた
コロナ禍の中、集まって授業をすることが難しかったこの日の天気は、澄み渡るほどの晴天。1人マンションのロビーのソファでiPadに映る、白衣姿の暢子先生の姿だけが映ってた。
ガラスの丸テーブルに用意したのは、事前に通達されていた黄色の付箋紙大の20枚のメモ用紙。メモ用紙は適当なサイズで良い、と言われてたけれど。ルーズリーフでも折り紙でも何でも良いと言われたけれど。
何となく、この日用意したのは正方形のカラーメモ用紙だった。
窓越しに見える低木に、スズメが止まり。
不意に、暢子先生の説明が始まった。
「では、コレから用意して頂いたそれぞれのメモ紙に、今から伝える質問に対して、1枚に1つずつ自身の答えを書いてください。」
大切にしているモノ4つ、書いてください
(生活必需品でも、気持ちが乗っている『モノ』なら何でもOK)
触れるもので、カタチあるもの
断捨離しても、いっこうになくならないものとか
火事で燃えたら、悲しいもの
絶対失いたくないものなど
大切な思い出 4つ
過去の気持ち
嬉しかった楽しかった、喜怒哀楽含めて
やりたいことを4つ
具体的に細かく書く
もしも、お金も時間も充分にあるとして。誰からも何も言われないとしたら
人としてどうなの⁉︎って思うモノをもかく
具体的な数字と具体的な言葉で表す
大切に思っている人、動物(いのちあるもの)4つ
誰を入れても、入れなくても良い
4つのいのちを、もし選ぶとしたら?
書かない理由はそれぞれあるので、冷たいとかではない
死に様を想像して、書く
何才ごろ、どんな病気で、何時ごろ、どこで、〔死亡診断書に書かれる場所)どんな原因で死ぬのか を考える
1人で死ぬのか、誰かに看取られるのか
2枚の紙を使って書く
書き終わった16枚をガラステーブルの上に並べ、死に方を書いた2枚を膝の上によけて。次の指示を待つ間イヤフォンからは、カリカリと仲間がペンを走らせる音が聞こえてきて。何んだか心がフワフワして落ち着かない。
「では、始めます」
さっきまで明るく、はきはきしていた先生の口調が突然変わり、トーンが落ちた。ゆったりと、寂しげなメロディが流れだし、先生がストーリーを読み上げ始めた。
目を閉じ、先生の読み上げる言葉に耳を傾ける。
ー✴︎ーーー✴︎ー
健康そのものだった自分の体調に、ちょっとした変化が訪れたのは春。
ただの『かぜ』かもしれないという、ダルさ。ちょっと休めばすぐ治る、と軽く考えていた。
1ヶ月を過ぎても、調子がもとに戻らない
病院で検査を受けてみることにー
何でもないと思っていたのに。
大したことはないと思っていた。
しかし、病院から出された診断結果はー
物語は春夏秋冬の流れを感じながら、徐々に死に近づいていく。
途中、途中、先生の指示で16枚に書いた大切なモノを、1枚ずつクシャっと丸めて、手放していく。
どれか1つを必ず、諦めていかなければならない。
はじめはわりとすんなり、丸めてポイ出来る。でも、物語が進めば進むほど葛藤する。軽々しく、掴んだメモから手を離せない。走馬灯のように忘れかけていた思い出が、まぶたをよぎっていく。
寂しいとか、悲しいとか、嬉しいとか。
もっと、こうしておけばよかったんだ、とか。
まだ、退院さえ出来たらコレができる、とか。
入院中でも、出来ることがあるとか。自分の未来に、希望を託してる。
でも、物語はどんどん進み。とうとう病院のベットから起き上がれなくなるところまで行く。誰もいない、真っ白な壁にかこまれた病院のベットに1人横たわり。命をつなぐ、機械音だけが静かに響いてる。白い壁の向こうに見える、春の兆しを感じながら。繋がれた、生命維持装置の音が消えていくー
“わたし“を見送りー
最後に残った、1枚のメモを。膝の上でクシャっとまるめる
「ー〇時〇分 ご臨終です」
長いようで、短いストーリーが終わる。
ご臨終を告げる、暢子先生の声がやけに…近くに聞こえた
ー✴︎ーーーーー✴︎ーー
●限られた字数に、感じた想いをどう乗せるか?
ウェブ用に圧縮された約1時間20分ワークショップの中で、取れたメモは始まりと終わりの先生の言葉だけ。ワークショップの後は、感想タイムがあり設けられお互いに感じたことを伝え合った。
手元に最後まで残っていたのは、何か。
また、何を感じたのか。
『ご臨終』まで残っていた、最後のメモは。娘さんやパートナー、双子の妹など『身近な人』が残っていた仲間が多かったのだけれど。ちょっと自分の感性を疑ったwwなぜなら、わたしの手元に残されていたのは『パソコン』だったから。
死ぬ直前まで、仕事かい!!!って、つっこみたくなったけれど。しかし、このワークにもやっぱり『正解』はないそうで。そもそも、16枚に書き記した中身も人それぞれ。数に限りがあるからこそ、選び抜いた言葉も、浮かんだことも人それぞれ。
それぞれが、歩んできた時の流れの中で得てきたもの。
それぞれのこれからの人生に、必要なもの。
〈この瞬間から、何を思い行動を積み重ねていくのか?〉
…むずかしいーーーっ、けど、
後悔だけはしたくない
今ある時間を、どのように積み重ねていくのか。
ルーティンではない毎日にして行くために。
誰と過ごし、何を感じていきたいか。
死のふちにあって、悲しみだけに囚われにように。
あまり、一人で深く考えたことのないテーマだけに。このワークショップから得られることはとても多かったです。
で、気付いたなら。
やらなきゃですねww
暢子先生が言う、『死に様は選ぶことが出来る』という意味。笑って最期を迎えたいのなら、今からやっておいたほうが良いことがあるよ、ってこと。
死ぬことへの準備が、前向きな生きることに繋がる、理由。
それは普段あまり深く考えないだろう、大切なものの優先順位がわかるから
ちなみにちなみに。仲間がそれぞれ提出したイベントレポは、どれも読みやすく臨場感に溢れるもので。リズムも文体もそれぞれ個性的。もっと読みたくなる文章ばかり。
同じ体験をして、なんでこうも2000字の使いかたが違うんだーーーっ、と。頭を抱えつつ、もちろんレポ書く用のメモはほぼ埋まらなかったわたし。実際は体験することに精一杯、『いっぺん死んでみる』とっても考えさせられた時間でした。
と、いうことで。今回の学びと反省点
学び
・レポートする時は、メモれない!!
・記憶が新しいうちに、心に残った単語を書き出しておく
・臨場感には擬音と背景があると、ぐっと想像が広がる
・一番伝えたいであろう想いは、強い言葉で繰り返される
強い言葉は、短い!
・詳しく書くべきところと、省略が7するべきところ。
バランスが必要なところがある
・受けた人にしかわからない、事実、表現を3つ以上いれる
反省点
・臨場感を現す言葉の選び方は、間違えると誤読される可能性大(涙)。
・書き出しは、ポエム化しないように注意するww
(ここでポエムの意味を初めて調べる…ww)
死生観の大切さ教えてくれた、暢子先生のブログはこちらから。もし、イベントを受けた方いましたら、感想を教えてくださいね