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両眼視検査7【プリズム処方テクニック】/眼精疲労・頭痛・複視をストップ!


両眼視(水平方向の斜位)に問題がある場合、これを解決するための対処方法として「AC/A比からの球面調整」は過去記事に解説しました。

■ プリズム処方の考え方


今回はもう一つの解決方法である「プリズムレンズ処方のテクニック」を紹介します。

斜位による目からの身体の異変は、長い経験上よくあることです。具体的には、冒頭にあります「眼精疲労・身体的疲労・頭痛・複視 」です。
またスポーツで言えばスピードに対しての反応の遅れetc・・・。これらの症状の根本的な原因は、屈折異常(近視・遠視・乱視・老視)を矯正しても解決策にはいたりません。両眼視検査により正しく原因を見極めて、日常の視生活を考慮しながらレンズ矯正とVT含めてアドバイスを行います。

*VTとは、ビジュアルトレーニング

基本的には、プリズムレンズの処方はあまりおすすめしません。なぜならばPD(瞳孔間距離)に対して、レンズの光学中心をずらしてメガネを作るためレンズによる様々な”収差”の影響を受けやすくなりプリズムの量によっては、レンズが極度に分厚くなり外見上見た目もよいもではありません。
ただ顧客の主訴を解決してあげてこそ、その道のプロとしての役割ではないかと考えます。

問題のある斜位からの対応方法

まずは完全矯正値より遠方、近方の水平眼位を測定後、AC/A比を実践暗算で計測し斜位の方向と量を考えて、球面レンズ/マイナス付加・プラス付加調整を考えます。もしくは状態によっては複数所持の提案をします。
球面レンズ調整・複数所持提案・ビジョントレーニングでも解決できない斜位であればプリズム入りレンズの処方を行います。
プリズム入りレンズ矯正は最終手段と考えたほうがよいでしょう。

■ シェアードの基準

正常な両眼視を維持するためには、輻輳力・開散力が斜位の2倍と等しいか、またはそれ以上なければならない。という内容が"シェアードの基準"として述べられています。
すなわち、「水平の斜位の量に対して眼筋のパワー(力)が倍以上あれば問題ないがそれ以下であればプリズム処方が必要です」ということになります。

もっともらしい考え方です。自分の筋力を最大限に使い不足分をプリズムレンズでおぎなうという米国式検査法の考え方で、ドイツ式とは全くちがいます。(余力を使わせないと筋力が落ちていくだけと持論では考えてます。全P矯正などありえません)

遠方眼位での外眼筋パワーの計測方法は

【矯正に必要なプリズム量の計算方法】

計算式
2 × 斜位量(△)― 余力 / 3

計算例1
遠方水平眼位斜位 5△BI ・ プリズム付加テスト 7△(輻輳余力)
2 × 5△ー7△/3=1.0△ / 1.0△BI(ベースイン処方)

このような眼位の人には、理論上1.0△BI入れましょうという考え方です

計算例2
遠方水平眼位 4△BO ・ プリズム付加テスト 4△
2 × 4△ー4△/3=1.3△ / 1.3△BO(ベースアウト処方)

このような眼位の人には、理論上1.3△B0入れましょうという考え方です。


続きは下記PDFを確認してください

プリズム処方の目安(シェアードの基準) /検査手順と判定テクニック集

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