【遠視眼の開散不全プリズムレンズ処方!】トレーニング症例13
■ 開散不全の人の特徴
開散不全の目の人の症状や対処方法はこちらからどうぞ
中度の近視で開散不全の人の球面度数設定とプリズムレンズの数値設定の考え方です。下記過去記事をチェックしてみてください
■ トレーニング症例【遠視の開散不全】
〇データ
●#7A(自覚的屈折検査 完全矯正値)
PD(瞳孔間距離)64mm
R S +1.50
L S +2.00
●#8 #13B(遠方水平眼位 近方水平眼位)
遠方 5△BO(ベースアウト)青ライン
近方 2△BO(ベースアウト)赤ライン
■ AC/A比 実践暗算計算方法
・16△ー5△+2△=13△
・13△÷2.5または(×0.4)=5.2△
・AC/A比 5.2△ (Normal)・・・調節性輻輳値
*調節性輻輳とは、1D(ディオプトリー)変化した際のプリズム変化量値
【計算解説】
・PD64mm 1m(1D調節)先のものを見ると6.4△打ち寄せします
・近方視は40cm(2.5D調節)します。そのため近方視での内よせは、16△になります。(6.4△×2.5△=16△)
注:上記イラスト太いグリーン矢印「15△」になってますが「16△」になります
・遠方の斜位・・・5△BOです。目が安静位で、大きな内斜位です。マイナス(ー)します(上記イラスト・青ライン)
・近方の斜位・・・2△BOです。目が安静位で、軽度の内斜位(眼位内)のためプラス(+)します(上記イラスト・赤ライン)
このように組み立てAC/A比を頭の中で計算します。
■ 両眼視検査【遠方/近方・BI/BOプリズム付加テスト】
【遠方余力テスト】・・・遠方視上での輻輳力と開散力の確認
◎#11 遠方BIプリズム付加テスト(開散力テスト)
(分離 3△ / 回復 1△)
◎#9#10 遠方BOプリズム付加テスト(輻輳力テスト)
(ボケ点 11△ / 分離 19△ / 回復 8△)
【近方余力テスト】・・・近方視上での輻輳力と開散力の確認
◎#17AB 近方BIプリズム付加テスト(開散力テスト)
(ボケ点 9△ 分離 14△ / 回復 7△)
◎#16AB 遠方BOプリズム付加テスト(輻輳力テスト)
(ボケ点 15△ / 分離 20△ / 回復 8△)
*この顧客のデータは、遠方視での大きな「内斜位/開散不全」です。上記のプリズム付加テストデータは、太字の「#11の BIプリズム付加テスト開散余力」データを注視する。
〇米国式21項目検査で輻輳・開散余力データをしっかり計測します
■ 解説 シェアードの基準からのプリズム処方
遠方斜位「5△BO」、近方斜位「2△BO」、この顧客の眼位状態では、前回の「症例12」と同様に遠方、近方共に内斜位があり遠方視で問題が発生する開散不全の眼位である。
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